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アマゾンが映画館チェーンのランドマーク・シアターズ買収に食指

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が映画館チェーン、ランドマーク・シアターズ(非公開)の買収に食指を動かしています。

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ランドマーク・シアターズはAMCエンターティメント、シネマークと並んで大手映画館チェーンの一角で、52のシネコンを展開しており、スクリーン数は252です。

アマゾンは「アマゾン・スタジオ」というTV・映画製作部門を持っています。同部門は、既に賞もいくつか受賞しており、着実に力をつけてきています。

現在、「アマゾン・スタジオ」で製作した映画を配給する際、それを有利に展開できる経路を模索中です。

さて、アメリカでは映画会社が映画館チェーンを所有することは禁じられています。

アマゾンの場合、「アマゾン・スタジオ」は同社の事業の中では取るに足らないちっぽけな存在なので、このルールにはたぶん抵触しないと思われます。しかし最終的な判断は司法省に委ねられると思います。

その司法省ですが、ビデオ・ストリーミングの隆盛に対応するカタチで、ハリウッド映画の興業ルールの見直しに入っています。

その一環として「映画会社が映画館チェーンを所有できない」という1948年の判例(=「米国連邦政府対パラマウント・ピクチャーズ 一括独占予約Block bookingの禁止」を再考中だと言われています。

つまり当時はネットフリックスに代表されるビデオ・ストリーミングが無かったので映画会社が映画館チェーンを買収すれば配給を独占することができたのですが、いまはもう競争が激しいのでそういう心配は無いということです。

むしろ映画館の多くは死線を彷徨っており、アマゾンのような会社に買収されたほうが消費者にとって良いという考え方もできるというわけです。


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テンセントの「悪夢の決算」 一夜明けて

昨日、テンセントが「悪夢の決算」を発表しました。決算の内容については既に書いたので今日は割愛します。

決算を受けて同社株の反応は小さかったです。

しかしそれはこの決算の内容が「まずまずだった」ということでは決してないと思います。

まず同社株は今年の高値から-30%を超える大きな下落を記録しています。そしてその間には戦略的投資家の大口の売却のニュースもありました。

だから「気がつかないうちに下げた」というのは弁解にならないと思います。

言い換えれば「実はテンセントの中身がかなり悪くなっていた」ことを株価が先に織り込み、今回の決算はその変調を確認したまでに過ぎないということです。

なるほど今回、「パブジー」のイン・ゲーム・マネタイゼーションの認可が遅れたことはテンセントの落ち度ではありません。

これは当局の人事に絡めた事情があるので一過性のことだと思います。またゲームの認可が遅れているのはテンセントに限ったことではなく、他社も同様です。

ゲーム・リリースが全体的に鈍化しているのでフヤ(ティッカーシンボル:HUYA)などの他のゲーム関連銘柄のセンチメントも悪化しています。

しかしフヤはニュー・リリースよりむしろブロードキャスターやトーナメント・イベントへの依存が高いので調整した後は立ち直りが早いかも。

ところでゲームを離れ、テンセントの各種ユーザー・メトリックスを見ると、これらは大幅に鈍化、場合によってはマイナスに転じています。これは市場のサチュレーションを示唆しており、注意する必要があると思います。

最近は中国でニュース・アグリゲーション・サイトなど新手のサービスの登場で、ユーザーが比較的簡単に他へ流れる傾向が伝えられています。

つまりいかにテンセントのような圧倒的な市場支配力を持つ企業とはいえ、スマホ・ユーザーのアテンションを、これまで通り独り占めするのは、並大抵の努力ではないのです。

テンセントは世界の優良企業の中でも最も良く経営されている企業のひとつです。その会社が決算の全ての項目で予想を下回り、しかも過去13年で初めての減益を記録したということはbusiness as usualではありません。


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米国株式市場が過去最長の強気相場の記録を来週にも更新! しかし……

米国の株式市場が過去最長のブル・マーケット(強気相場)を来週にも更新すると予想されます。2018年8月22日までに今の相場の水準を大体保つことが出来れば、古典的な相場の定義に於けるブル・マーケットの「最長不倒記録」が出るというわけです。

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ちなみに過去最長のブル・マーケットは1990年10月11日を起点として2000年3月24日で終わった3452日(但しカレンダー・デー)でした。

ここで重要なのは「高値から2割の下げを経験すると強気相場は断たれたと判断する」という基準です。リーマンショック以降、未だそのようなベア・マーケット(弱気相場)は至現していません。

ただ、問題があります。

強気相場というけれど、ぜんぜんそういう風に感じられないのはなぜ?


ということです。

その理由は、今回の上げは弱々しく、上げ幅も小さいからです。

さらに細かいことを言えば2011年にS&P500指数はザラバ・ベースで-20%を記録しており、かろうじて大引けベースでは20%のベア・マーケット入りを免れたという経緯があります。

まあそんな訳で「最長不倒記録」もそんなに嬉しくないのです。


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ウォルマート 第2四半期(7月期)決算発表 EPS、売上高、ガイダンスすべてOK

ウォルマート(ティッカーシンボル:WMT)の第2四半期(7月期)決算はEPSが予想$1.22に対し$1.29、売上高が予想1246.7億ドルに対し1270.6億ドル、売上高成長率は前年同期比+4.2%でした。

米国既存店売上比較は予想+2.4%に対し+4.5%でした。生鮮食料品、アパレル、季節用品が好調でした。来店客数、顧客単価の両方が等しく伸びました。サムズクラブの既存店売上比較は過去6年で最高の+5.0%でした。

2019年度のEPSは予想$4.80に対し新ガイダンス$4.90~5.05、米国既存店売上比較は+3%のガイダンスが示されました。

WMT

イーサリアム 「ICOした起業家が売っている」という噂は本当か?

このところのイーサリアム(ETH)の下げに関し、「ICOした起業家たちが売っている」という噂が出ている事は以前書きました

最近、サンティメントというサイトが立ち上がり、仮想通貨の色んなデータを提供しているのですが、そのデータのひとつに「ETH spent over time」(赤)というのがあり、ICO のチームのウォレットからどれだけのイーサリアムが出金されたかを知ることが出来ます。

sanbase-chart-ETH-2018-08-16T16_20_27+09_00

なるほどこのチャートを見るとICOした起業家の売りは増えているように見えます。ただ長期でみれば今が一番売りが集中しているということではないと思います。

最近ではAtonomi、AppCoins、Openledgerなどが売っているようです。

しかしICOしたチームのウォレットからETHが出金されたことイコール「売却」とは限らないです。一例としてEtherollは仮想通貨メディア「TRUSTNODES」の記事に対して「ETHを動かしたのはスマート・コントラクトをアップデートしたためだ」と反論しています。

またETHの売却は開発チームへの報酬やR&Dコストをファンディングするために行われることもあり、それはキャッシュアウトというネガティブな側面だけではなく、単にイーサリアムを使った色々なプロジェクトが今盛んに活動しているという風に好意的に捉えることも出来ると思います。

なおICOした起業家が手持ちのトークンをどう処分していくか? という命題を考える場合、債券の投資家の間で知られている「Short convexity」というポジションに立たされるという点も以前の記事で書きました。

CONVEXITY

これはつまりプロジェクトが軌道に乗り、そのトークンの「経済圏」が確立されようとするまさしくその瞬間(図中、グワーンと価格が上昇する局面)に、自分は売り手に回らなければいけないというジレンマを指します。

このジレンマに対する「正解」は未だ見いだせてないと思いますが、最近のETHの価格下落と相まって、ある程度トークンを早い段階で処分するひとつの動機付けにはなっている気がします。


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