Market Hack

格付け機関スタンダード&プアーズがトルコの長期外貨建てソブリン格付けを引き下げ

格付け機関スタンダード&プアーズが金曜日の引け後トルコの長期外貨建てソブリン格付けを1段階引き下げ「B+」としました。また長期現地通貨レーディングを「BB-」としました。

またスタンダード&プアーズは「トルコは来年、景気後退に見舞われる」との予想を出しました。トルコリラ安は企業のバランスシートを圧迫し、国内銀行を脅かすという考え方です。

スタンダード&プアーズは「過去2週間、トルコリラは極めて荒っぽい値動きを示した。これはトルコが長年経済のオーバーヒートを放置し、外貨建ての借金を野放しにし、政策がだんだん後退したことのツケである」ともコメントしています。

米中が通商協議再開 11月の合意をメドに WIN-WINを作りだせるか?

中国が8月下旬に国際貿易交渉を担当する王受文商務次官を米国に派遣します。ミーティングは8月22・23日にセットされているようです。

米国側の代表はデビッド・マルパス財務次官です。彼はもともとベアスターンズのチーフ・エコノミストで、ドナルド・トランプが大統領に立候補した際、いち早く支持に回ったことを評価され入閣しました。

今回の事務レベル協議は11月のトランプ・習近平会談に向けた摺り合わせの第一回目であり、今後数回に渡り事務レベル協議が持たれることが予想されます。

株式市場はこのニュースを好感しています。

しかしこの手の交渉は最終的に穏当な合意点に到達する前に一度対立をエスカレートするのが教科書的なやり方であり、その意味ではマーケットが思わぬ強硬な姿勢に虚を突かれるリスクも残っていると思います。

みどころとしては一連の事務レベル協議を通じて中国、米国の双方が単に自分の利害を主張(=Claim)するだけでなく、お互いにWIN-WINの状況を作り出す(=Create)努力を果たしてするのか? という点でしょう。

もしそのようなオープンで聞く耳を持ち、問題解決に前向きな姿勢を双方が見せれば、通商協議は単に中国、ないしはアメリカの一方的な「勝ち」ないしは「負け」ではなく、双方にとってある程度「満足」な結果を生みます。(下の図のGOOD)

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(出典:David A. Lax & James K. Sebenius、The Manager as Negotiator)

ただ話し合いがそういう風に進むという保証はありません。

このプロセスは「自分の利害の主張(Claiming Value)」に対し「価値の創造(Creating Value)」と呼ばれます。

事務レベル協議でバリュー・クリエイションが起こるかどうかに注目したいと思います。


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テスラのキャッシュは尽きるのか? イーロン・マスクが新聞記者の眼前で泣き笑いした背景

今日、ニューヨーク・タイムズがイーロン・マスクのメンタルが相当やられている事に関する記事を書きました。その中でNYタイムズは独占インタビューの最中にイーロン・マスクが泣いたかと思えば笑うなど、ちょっと極限状態に追い込まれていることを赤裸々に描写していました。

ウォールストリート・ジャーナルは彼がそのような切羽詰まった状態に追い込まれている理由としてテスラのキャッシュが枯渇しそうになっていることを指摘しています。

現在、テスラは米国証券取引委員会(SEC)から虚偽のツイートで投資家を騙したのではないかということで調査されています。召喚状も出されており、来週にもイーロン・マスクはSECに呼びつけにされると思われます。

その場合、テスラが株や社債を公募しようと思ってもSECならびに投資家が首を縦に振らない可能性があります。取り調べが入っている株の公募は、ほぼ不可能と言っていいでしょう。

WSJは「6月末の時点でテスラの手許のキャッシュは22億ドルしかない。一方で同社の上半期のキャッシュ燃焼は18億ドルだった」と指摘しています。「さらに下請け業者に対する支払いのツケが30億ドルある」とも指摘しています。テスラの債務は100億ドルを超えており、いろいろな支払い義務を含めると230億ドルになります。

格付け機関ムーディーズは「近いうちにテスラは20億ドルの資本金を追加する必要がある」としています。

いまテスラは投資家の期待に応えるため必死にモデル3の生産をしているところですが当座は作れば作るほどキャッシュが出てゆく状態になっています。

■ ■ ■

ここからは僕の考えですが、テスラが急場を凌ぐためには、なにも公募市場に頼る必要は無いと思います。それこそサウジアラビアのSWFなどに資本の注入を仰げば良いわけです。しかしそれは既存の株主にとっては株主権利の希釈化を招くことになるでしょう。

次のニュースとしてはイーロン・マスクとは別に動いているテスラの取締役会が銀行団とのミーティングを終え、先にイーロン・マスクがツイートしたようなマネージメント・バイアウト(MBO)が可能なのか? そしてそれがもし可能だとすれば一般の株主にとって良いディールなのか? に対して判断を下すことだと思います。

今回のツイート事件でテスラの取締役会は「寝耳に水」の状態に置かれていました。またツイートが発せられた後の取締役会の対応も極めて愚鈍だったように思います。取締役会の責務はCEOとは距離を置き、一般株主の目線で株主権利を擁護することです。しかしそのような基本動作がしっかり出来ていたとは思えません。

テスラの取締役会は、メンツ的に極めてショボいと思います。これほど重要な企業が、こんなに貧相な取締役会でいいのか! と思わず目を覆いたくなるようなメンバーです。

最近のシリコンバレーの企業は、やれユニコーンだとか何とか、わけのわからないことを言って、いつまでも思春期の若者みたいに「大人になれない」会社が多いですが、テスラの場合、そういうガバナンスの弱さがここへきて一気に露呈したカタチになっているというわけです。



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ドナルド・トランプ大統領がツイッターで米国企業の四半期決算発表をやめることを検討せよと発言

ドナルド・トランプ大統領が米国企業の四半期決算発表をやめることを検討しては? とツイッターで提唱しました。





四半期の決算発表に関しては昔から批判がありました。会社の経営内容は三ヵ月くらいで大きく変わることは無いからというのが反対派の主張です。

四半期決算に反対している有名人としてはJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが居ます。

たぶんトランプはジェイミー・ダイモンに入れ知恵されたのだと思います。(笑)


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テスラのイーロン・マスクが壊れ始めている? NYタイムズの独占インタビューでウルウルするマスク メンタルヘルスに問題

今日、ニューヨーク・タイムズに「運命のツイートと過酷な状況に直面するイーロン・マスク」という記事が出ました。

この記事はニューヨーク・タイムズのチームがイーロン・マスクとの間で独占インタビューを行い、それに基づいて書かれたものです。ケイト・ケリー、ジェームズ・スチュワート、デビッド・ゲレス、ジェシカ・グリーンバーグという錚々たるレポーターによって書かれているので事実関係のチェックには抜かりはないと思います。

まずロスアンゼルスのイーロン・マスクの自宅で行われたインタビューの最中、イーロン・マスクは何度も殆ど泣き出しそうになったそうです。

今年の夏、弟の結婚式に危うく出席し忘れそうになったり、自分の誕生日にテスラのオフィスで「モデル3」の生産台数の目標を達成するためずっと籠りっきりだったことを語りました。

マスクが「テスラを420ドルで非公開化することを考えている。もう資金繰りはついた」というツイートをしたときのことを回想し、「あの朝はガールフレンドのグライムスと一緒で、朝起きた後、ワークアウトして、モデルSに乗って空港に行く途中、あのツイートをした」と語りました。

そのときは透明性を維持するためにツイートしたつもりだったそうです。社内の人間や取締役会はそのツイートを事前に審査しませんでした。

「念のために言うと、あのツイートをしたとき、マリファナはやってなかった。生産性が落ちるからね」

結果としてサウジアラビアから来るはずの資金は来ませんでした。

翌日、米国証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出しました。

テスラの取締役会は「取締役会に断りも無くあんなツイートをした」として驚き、怒りを表明しましたが、イーロン・マスクは「その後も取締役会から僕のところへは何の連絡も無い」として取締役会がちゃんと仕事をしていないことを暗にほのめかしました。

現在、テスラの取締役会とイーロン・マスクに対し、SECは別個に召喚状を出しています。

早ければ来週中にも取締役会はSECに呼ばれると思われます。またそれとは別にイーロン・マスクもSECの取り調べを受けると予想されます。

 ■ ■ ■

以上がNYタイムズの記事のあらましですが、イーロンがこの忙しい最中にNYタイムズのチームにインタビューを許した理由は、彼の側の言い分をちゃんと伝えるにはニューヨーク・タイムズに記事にしてもらう他ないと判断したためだと思います。

この記事はイーロン・マスクがかなりメンタル面で弱っていることを包み隠さず報道しています。

株価がどう反応するか注目したいと思います。


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