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フェラーリはトランプ減税の恩恵をこうむる

フェラーリ(ティッカーシンボル:RACE)がIPOするまえ、複数の証券会社の人から「広瀬さん、最近、いいIPOありません?」と訊かれました。

「さあね、どうですかね、あまり目ぼしい案件は気がつきませんでしたね」


そう答えると、しばらくして

「もうIPOのことについてはブログで書かないんですか?」


www (大体、見当はついている……フェラーリのことについて、書いて欲しいのだろう)

それでも、黙ってシカトしていると

「あの、フェラーリって、注目されてますよね? きっと割高で値決めされるんでしょうね? あんなもの、ダメですよね? 怪我のもとですよね……」


(ここが、我慢のしどころだ。ここで折れたら……あとで禍根を残す、、、)

とまあ、そんな感じで、辛くもシカト逃げ切りに成功したわけです(笑)

案の定、フェラーリは上場初値60ドルかっきりで開いた後、瞬間、60.97ドルの高値を付けたけど、上場初日は55ドル迄、値を消して引けました。

つまり、とんでもない「寄り天井」だったのです。

それ以降、連日、値を切り下げました。

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しかし、最近は(この銘柄も、そんなに悪くないかも)と思い始めています。

その第一の理由は「トランプ減税」です。

下の表からもわかるとおり、トランプの提示している減税案は「上位1%」のスーパー・リッチにとりわけ優しい税制となっています。

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またトランプ案では相続税を廃止(!)することも提案されています。

どんだけ不公平なんや!

そこで僕としては(なんとかして、この「ああ無情!」を相場で取り返したい!)という義憤に駆られたわけです。

スーパーリッチじゃないと買えない商品……それを作っている株でリベンジ、、、

これが僕をしてフェラーリ株に向かわせた理由です。

まずテクニカルですが、上にも書いたように上場初日は60ドルで寄付いたので、この水準で2,000万株ちかくが手替わりしており、「しこり」となっています。だから、この水準を上に抜けないと、値運びは軽くならない。

次に業績ですが、IPO以降、これまでに4回、決算発表しています。その全てがポジティブ・サプライズでした。(これは立派であることを認めざるを得ません)

11月7日に発表された第3四半期決算では、売上高が前年同期比+8%の7.83億ユーロ、純利益が+20%の1.13億ユーロでした。また生産部門の負債(=カスタマーに対するファイナンシングを除いたもの)は5.85億ユーロに圧縮されていました。出荷台数は1,978台で、これは前年同期比+28台でした。

2016年通年の修正EBITDAガイダンスは、これまでの8億ユーロから8.5億ユーロへと引き上げられています。

過去1年間は原油価格安で中東のカスタマーの懐具合が寒くなったことに加え、欧州経済が相変わらず低空飛行したことなど、環境としてはかなり厳しかったと言えます。

しかしここへきて原油価格は反発していますし、欧州経済もようやくリズムを掴み始めています。そこへ「トランプ減税」というビッグな好材料が重なっているわけです。

現在のように

1)景気が強く
2)金利も上がり始めている

状況では、工業株、素材株、銀行株などが旬です。それに加えて、消費循環株もこの局面では好パフォーマンスを出しやすいことが知られています。

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その消費循環株候補として、フェラーリが良いと思います。


イタリアの問題銀行、モンテ・デ・パスキを巡る状況が暗転 今週末にも何か重大な展開か?

イタリアのモンテ・デ・パスキ銀行は、不良債権を抱えており、経営危機に瀕しています。

しかし同行はこれまで、手をこまねいて、リストラクチャリングの努力を怠ってきました。

欧州中央銀行(ECB)は「12月末までに資本再構成を完了するように」と要求してきました。

具体的には:

1)50億ユーロの増資
2)デット・フォー・エクイティー・スワップの実行
3)280億ユーロにのぼる焦げ付き融資の処理


です。

これに対し、モンテ・デ・パスキ側は「1月20日まで延長して欲しい」とリクエストしていました。今日、ECBは、「それは出来ない」とこの要請を却下しました。

なぜ12月末の期限ではモンテ・デ・パスキ側がダメなのか? その理由はカタール政府やJPモルガン・チェースなど、民間企業からの資本注入の交渉が、上手く行っていないからなのではないか? と、僕は考えます。

すると、倒産を回避するためには、イタリア政府が直接、モンテ・デ・パスキに資本注入することになります。

まず、その行為はEU憲法違反です。(たぶん欧州委員会は、背に腹は代えられないので、OKするでしょう)

つぎにイタリア政府がモンテ・デ・パスキに資本注入したら、自動的にジュニア・デット(劣後債務)の保有者は、ヘアカット、つまり評価の減価を強いられます。

モンテ・デ・パスキのジュニア・デットは、個人投資家にポピュラーな商品です。

だからモンテ・デ・パスキ債が大幅なヘアカットをこうむったら、個人の預金者は「あそこは危ない!」ということになり、預金を引き出し始めるリスクがあります。

つまり取り付け騒ぎです。

ECBに話を戻すと、資本注入の決断はドラギ総裁に一任されているのではなく、ECBのボードメンバーの合議によります。

つまり機動力に欠けるということです。

既にモンテ・デ・パスキの取締役会は、今、緊急に招集がかかっています。

今週末、イタリア政府から、なんらかの布告(decree)が出る可能性があります。

市場関係者が(未だ、とうぶん来ないだろう)と思っていた「終末」が、突然、繰り上がってやってきそうな雰囲気なのです。

ポタシの株価が新波動入り アグリウムとの合併を控えて

ポタシ・コープ・オブ・サスカチュワン(ティッカーシンボル:POT)はカナダの肥料会社です。同社の株はニューヨーク証券取引所でも取引されています。

ポタシ株は、このところのボックス圏を抜け出し、新波動入りしています。

POT

ポタシは、同じくカナダの肥料会社、アグリウム(ティッカーシンボル:AGU)と、対等合併を発表しています。

この合併は関係当局からの承認を必要とするので、たぶん成立は2017年6月頃になるでしょう。

ポタシはカリウムと窒素に強く、アグリウムは窒素を中心としています。またアグリウムは大きな小売販売網を持っています。

合併後の新会社のEBITDA構成は、下のパイチャートのようになります。

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今回の合併は株式交換の対等合併で、新会社のエンタープライズ・バリュー(=時価総額+負債額)は360億ドルになります。新会社の正式名称は、まだ決まっていません。

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既存のポタシの株主は新会社の52%株主になる予定です。アグリウムの株主は48%株主になります。既存のポタシ株主は、ポタシ1株につき、新会社の0.400株を割り当てられます。既存のアグリウム株主はアグリウム1株につき、新会社の2.23株を割り当てられます。

合併後の新会社は世界最大の上場肥料会社となります。

楽天証券主催リアルタイムネット勉強会『2017年から始まるトランプ政権 今後の米国株投資はどうするべきか?』開催のお知らせ

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楽天証券主催リアルタイムネット勉強会『2017年から始まるトランプ政権 今後の米国株投資はどうするべきか?』は以下の要領で開催されます。

開催日:2016年12月20日(火)
時間:夜7時半から9時まで
講師:広瀬隆雄
参加費用:無料
参加資格:楽天証券に口座をお持ちの方に限定させて頂きます
口座開設:こちらのリンクからお願いいたします

申込方法:こちらのリンクからお願いいたします

申込締切:12月15日で締め切らせて頂きます


ECBが実質的にテーパーリングを発表 毎月の購入額は600億ユーロに減額

欧州中央銀行(ECB)が今日、政策金利を発表しました。大方の予想通り、政策金利の変更はありませんでした。

政策金利(Main refinancing operations rate)は0.00%(変更なし)
上限政策金利=限界貸出金利(Marginal lending facility rate)は0.25%(変更なし)
下限政策金利=中銀預金金利(Deposit facility rate)は-0.40%(変更なし)


しかし量的緩和政策には変更が加えられました。

来年3月に終了予定の量的緩和政策の延長に関しては、2017年12月まで延長すると発表されました。しかし毎月の購入額は、これまでの800億ユーロから600億ユーロに減額されました。

これは実質的なテーパーリング、つまり買い入れ額の縮小です。


記者会見の中でドラギ総裁は:

1) 下限政策金利=中銀預金金利(Deposit facility rate)の-0.40%以下の利回りで取引されている債券も、購入対象に加える
2) 償還が2年以内に迫っている債券も、購入対象に加える


という追加的な措置を発表しました。

ドラギ総裁は、市場関係者から(ECBはテーパーリングによって支援を縮小しはじめた)という風に解釈されることに大変、気を使っています。

そこでドラギ総裁は記者会見の中で「テーパーリングというのは、購入額がだんだんゼロに近づくような方針を指す。今日、ECBが発表したのは、このようにだんだん減額するプログラムではない」と言明し、減額は一回きりの措置であることを強調しました。

*この記事はドラギ総裁の記者会見の後で、一部加筆しました。
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