Market Hack

シスコ(CSCO)



ハイテクの出遅れ銘柄、シスコ(CSCO)があと少しのところで去年の高値、$24.825に届きそうです。これを抜ければ次の目標は2008年の夏につけた$25.25ということになりますがいずれにせよ俄然面白い展開になってくるのではないでしょうか?

シスコの業績はハッキリ言ってイマイチです。第1四半期の決算でも:

ルーター -17%
スウィッチ -21%
アドバンスト・テクノロジー -15%
サービス +7%

と、まだまだ企業の設備投資意欲の低迷の影響をもろに受けています。
普通、企業のネットワーク投資や電話会社のインフラストラクチャのアップグレードはテクノロジー・サイクルのどちらかと言えば後の方に起こると言われています。

従って今シスコを買うという行為は業績の改善を買いにゆくというより、将来、起こるかもしれない業績改善を見越して、「見切り発車」で出動するというカタチにならざるを得ません。

幸いシスコは営業キャッシュフローもポジティブだし、グロス・マージンは66.3%だし、バランスシートには250億ドル以上のキャッシュが乗っかっています。ディファード・レヴェニューも92億ドルあり、財務的にはピカピカです。

だから仮に業績が上向かなかった場合でもそんなに酷いことにはならないと思うのです。

(上のビデオはシスコのテレプレゼンスのCMです。)

スペインに関するクルーグマンのインタビュー

バルセロナの新聞、『ラ・ヴァンガーディア』に掲載されたポール・クルーグマンのインタビューが結構、面白いので抄訳します:

 

(前半部分省略)

 

質問:去年の12月にあなたは欧州の辺境国で起きている経済危機が大きな問題に発展すると警鐘を鳴らされましたが、その中で「今後、危機の中心は米国の住宅市場から欧州の辺境国へと移るだろう」と宣言されました。辺境国というのはスペイン、ギリシャ、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、バルト三国などを指していると理解していますが、このところギリシャをはじめ欧州のソブリン格付けの問題が急に注目されてきたように思います。あなたがそもそもこの問題に早い段階から気付かれていた理由はどうしてですか?

 

クルーグマン:全ては数字ですよ。それらの国々における巨大な経常赤字は「バブルがここに発生している!」と絶叫しています。マクロ経済のデータからいろんな不均衡を見出すことは危機を事前に予測するのにすごく役に立つのですよ。だから多くの人がそういう明らかな危機信号を見落としてしまうのには全く呆れるとしか言いようがありませんね。

 

質問:ユーロは最近の世界の経済のイニシアチブの中では最も壮大な試みのひとつと言えますが、誕生してからそろそろ10年になります。ベン・バーナンキはFRBの議長になる前に「ユーロは壮大なる実験だ」とコメントしましたが、クルーグマンさんは今でもユーロは「実験」だと思いますか?あるいはそろそろユーロをしっかり根付いたと評価すべき時期が来ていると考えますか?

 

クルーグマン:ユーロはまだまだ実験の段階ですね。ごく最近になってようやくこの通貨の「ダウンサイド」を我々は初めて見せつけられる局面に直面しているのです。ユーロ圏はこれから域内に存在する巨大な不均衡の問題をほぐしていかなければいけません。それがどういう結末を迎えるかを見届けるまではユーロという共通通貨に対する評価は留保されるべきではないでしょうか?

 

質問:ユーロの域内の少なからぬ国々は負債や価格競争力の喪失で不況からの脱出が困難になっています。自国通貨をデバリュエーション(減価)することで競争力を回復する途が断たれていることも停滞を長引かせます。クルーグマンさんは去年アルゼンチンでスピーチされたとき、「スペインは賃金や物価を全体的に引き下げ、競争力を回復する以外にスペイン経済が立ち直る道は無い」と主張されました。スペインの国民はそのような案には到底納得できないと思いますけど、なぜクルーグマンさんはそうお考えなのですか?

 

クルーグマン:こういう言い方をすればどうでしょうか。スペインという国はもうずっとEUの中で不動産を切り売りすることで生計を立てていた国だったのです。南の暖かい気候を求めて欧州中の人々がスペインの不動産を投機の対象にしました。この投機資金の流入が住宅バブルを作ったわけです。スペインの人たちは建設ブームで忙しくなり、どんどん労働賃金が上昇しました。でもバブルがはじけてしまったので、もうお金は入って来なくなりました。するとスペインは住宅を作ること以外の方法で競争しないといけなくなったのです。それは例えば製造業で競争するということを意味すると思うのですが、労賃が下がって生産性が改善しないことにはコスト高で競争にならないでしょう?

 

質問:つまりスペインは「国内的デバリュエーション」をしなければいけないわけですよね?でもそれは1930年代の恐慌の時の賃金の下落のような、極めて大きな痛みを伴う修正過程になりますよね?

 

クルーグマン:なにか妙案があればそれをここで示したいところですが、私にはいい考えが思い浮かびません。スペインが現在置かれている境遇は1930年代に最後まで金本位制に拘泥し、その結果、景気回復が遅れた国々(=当時は米国がこれに相当)と同じです。いや、現在のスペインはそれらの当時の国々よりひどい状況かもしれない、、、なぜならユーロ圏に所属している限り貿易政策を通じて競争力を回復する途は閉ざされているからです。

 

(後略)

 

2010年 ここに注目④ 中国の設備稼働率

大阪で万国博覧会が開幕した数日後に大きなM&Aが当時の日本の産業界を揺るがせました。それは八幡製鉄と富士製鉄が合併し、新日鉄が誕生したというニュースです。

このディールから数年後に日本の粗鋼生産は頭打ちになります。そして日本の重工業はどこもオーバー・キャパシティ(過剰設備)の問題に苦しむようになるのです。

中国の設備稼働率

中国では4兆人民元の景気刺激策が現在実施されています。これによる建設セクターの特需で中国の重工業は潤っているのですが、それでも主要産業の設備稼働率はだんだん悪化しています。

中国政府は日本の二の轍を踏まないために既に過剰設備となっている産業分野に関しては融資を絞り込むなどの行政指導に躍起になっています。このプロアクティブな中国政府の指導は正しいし、先々を見越した英断だと思います。

でも1970年代の日本の通産省だって、別に手をこまねいていたわけではありません。当時のMITIはたいへんパワフルな組織で、しかも有能な官僚で固められていました。八幡と富士の合併という、下手をすると寡占になりかねないディールがOKになったのもキャパシティの整理という課題を意識しての事。

中国の場合、中央政府がどれだけ深慮を持って産業政策を打ち出しても、ローカルのレベルになるとなかなか計画通りリストラクチャリングが実行されないという悪い癖があります。従ってキャパシティの整理は日本の時より遥かに難航すると考えた方が良さそうです。

新年早々また中国でミルク禍

ウォール・ストリート・ジャーナルによると中国でまたミルクに高濃度のメラミンが混入する事件がありました。

今回検挙された企業は上海パンダ・デイリーという会社です。

2008年のミルク禍のときは少なくとも6人の子供が粉ミルクが原因で死亡し、大きなスキャンダルになりました。

あれだけ大きく報道されたにもかかわらずまた同じ犯罪が起きているということは無数の零細な業者を取り締まるのがいかに難しいかを物語っています。

2010年 ここに注目③ シリコンバレー

Netscape_classic_logoアメリカではよく「Netscape moment」という言葉が使われます。つまり「ネットスケープがIPOした瞬間」という意味です。このIPOを契機としてアメリカの投資家のハイテク株に対する考え方が激変し、所謂、ドットコム・ブームがはじまったのです。

2010年は「Netscape moment」の再来になるような注目を浴びるIPOが出て来るでしょう。それは取りも直さずシリコンバレーにブームが戻って来ることを意味します。

ブームの火付け役になるであろうIPOは所謂、ソーシャル・ウェブと呼ばれる会社群の中から出てくる気がします。具体的にはフェイスブック、ツイッター、リンクドインなどの企業です。

でもそれらの企業以外にも注目度の高い企業は幾らでもあります。例えばビデオ・プラットフォームの会社、ブライトコーブやネットワーク機器のカリックス、電気自動車のテスラ・モータースなどです。

2009年は民間企業や個人のこしらえた多額の借金を政府が肩代わりする年でした。このため公的負債は世界的に急増しました。1930年型の大恐慌を未然に防ぐためにはそうせざるを得なかったのです。

今年はすでに「腹いっぱい」になってしまった公的部門の負債をどうやって軽減するかがテーマになります。だから財投という言葉は流行らないと思うし、投資家が忌み嫌う言葉になるという気がします。

なるべくバランスシート・リスクの無い、クリーンで身軽なストーリーが人気を博す筈です。

その観点からすればシリコンバレーのハイテク株は政府の支援とは無縁だし、バランスシートも鉄壁です。

おまけにTwitterやYouTubeを指摘するまでもなく、インターネットのサービスは世界的な需要爆発を経験しています。

単純明快なストーリーではないでしょうか?

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