Market Hack

ロスチャイルドが同族経営に終止符

投資銀行NMロスチャイルド&サンズが200年以上続いてきた「伝統」に終止符を打ちます。
その伝統とは家族のメンバーが経営の采配を振るうというものです。

今回、初めてロスチャイルドの姓を持たない社員、ナイジェル・ヒギンスがNMロスチャイルド&サンズのCEOに任命されました。

ナイジェル・ヒギンスは所謂、生え抜きのロスチャイルドの社員で、社歴は27年。現在は同社の投資銀行部門の共同ヘッドを務めています。

ロスチャイルドは1800年代にMAロスチャイルドが5人の子供をそれぞれロンドン(ネイザン)、パリ(ジェームズ)、フランクフルト(アムシェル・メイヤー)、ウイーン(ソロモン・メイヤー)、ナポリ(カール・メイヤー)に派遣し、インベストメント・バンキングのダイナスティー(王朝)を築いたことで有名です。

つまり同族経営というのが同社のコア・バリュー(根源的価値観)なのです。

NMロスチャイルドにはもうひとつ新しい変化が起きています。

それは新本社屋の建設です。
ロスチャイルド本社
続きを読む

実質的に日本を「損切り」したモルガンスタンレー

今日、三菱UFJとモルガンスタンレーの日本における証券事業の資本・組織構成が発表されました。僕の第一印象では米国のモルガンスタンレー本社はこっそりと日本から「足抜き」していると思います。

モルガンスタンレーは去年、金融危機で深く傷ついたとき、三菱UFJの支援を受けました。そのときは三菱UFJの国内での基盤とモルガンスタンレーのグローバル・ネットワークを統合してトップクラスを目指す投資銀行を作るチャンスが到来したかのように見えました。

しかし実際に公表された事業計画は「協同」とは名ばかりで、お互いに既得権益を守りつつ、譲らない態度がニュースリリースから垣間見られます。そのニュースリリースによると2つの新しい証券会社が誕生します:
続きを読む

それでも貴社は海外上場を目指しますか?

クリック証券が韓国のコスダックに上場申請しました。

最近、日本のベンチャー企業の間ではこの例に代表されるように海外市場でのIPOへの関心が高まっているのだそうです。東京で開催された外国の取引所による上場セミナーも盛況だったようです。

どうやら日本の新興市場がパッとしないことがこうしたにわか海外上場ブームの一因のようです。

しかし自社の株式をどこの市場に上場するかという問題は将来の会社の発展の大きな妨げになる可能性もある問題であり、軽はずみな気持ちで決めるべきことではありません。

【理由があるか?】
先ず、日本の企業なのに、日本以外で上場するというのならば、それなりのちゃんとした理由がなくてはだめです。そのちゃんとした理由とは以下の3点です:
続きを読む

食糧自給の議論の参考のために  世界の動き(その2)

穀物7

個々の作物について見てゆきます。まずもっとも重要な大豆ですが、一番輸入している国は中国です。たぶんこのグラフが今日みなさんにお見せするグラフの中で最も重要なものです。
穀物8

それでは中国の旺盛な需要に応えて供給をどんどん増やせる国はどこか?ということですが、これはブラジルです。米国はあまり増えていません。ブラジルの次に重要な国はアルゼンチンです。
穀物9

次に重要な穀物は小麦です。小麦を主に輸入しているのはアフリカや中東です。中東は去年までの石油価格の高騰で景気が良く、海外からの出稼ぎ労働者などがたくさん流入しました。アフリカは人口の増加ペースが他の地域より早いです。
穀物10

一方、誰が小麦を輸出しているか?という問題ですが、これは米国やカナダの他に最近では旧ソ連圏、中欧あたりが重要になってきています。
続きを読む

食糧自給の議論の参考のために  世界の動き(その1)

「MarketHack」の姉妹サイト(もちろん向こうが先輩ですが)、「アゴラ」で「食糧自給率を上げるべきか?」という問題についてたいへんおもしろいツイッター討論が展開されています。

僕は実を言うと日本が食糧を自給すべきかどうかに関しては自分の意見は持っていません。

でも僕は株の人間なので、穀物の値段は将来どうなり、それが農業機械の株や肥料の株の値段にどういう影響を与えるか?という問題には日頃から関心を持っています。

その関係で世界の農業の動きは或る程度調べています。

さて、食糧を自給しない場合、それは輸入を意味します。つまり食糧自給の研究の裏返しはグローバルな食糧の貿易の研究にほかならないのです。そこで今日は農業関連の統計データの中から穀物のグローバル・トレードに関するものだけを抜粋してみました。

これらの資料の多くはUSDA(米国農務省)の『ベースライン・プロジェクション・レポート』という調査レポートからの引用です。アメリカの機関の資料を使うことに抵抗を感じる読者も居るかと思います。(なるべくいろんな国の資料が欲しいな)と思ったのですが、いろいろ探し回ると、やっぱりデータの膨大さ、新鮮さなどの点でUSDAの資料は素晴らしいです!そんなわけで、今日引用する資料の出典は殆どUSDAですけど、ご了承ください。

さて、前置きはそのくらいにして、世界の人口は毎年7500万人、1日に直すと20万人ずつ増えています。中国やインドの所得の向上は肉食へのシフトを促進しています。豚肉や鶏肉などは、まずそれらの家畜を育てるために飼料を与えないといけません。だからそれまで穀類を食べていた人間が肉食に移ったときに世界の食糧の需給関係に与えるインパクトは1:1の関係ではなく、何倍にもなるのです。
穀物

上のグラフ過去30年間の世界の穀物の需要と供給をグラフにしたものです。時期によっては生産過剰になったり、生産不足になったりしていますが、そういうことを繰り返しながら全体としてはバランスが取れていることがわかります。
続きを読む
MarketHackについて
Market Hackは世界経済ならびにビジネス・シーンに関するニュース・サイトです
月別アーカイブ
免責事項
なお運営上、ここに書かれる意見には諸々のバイアスがかかっています。投資情報は利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失を生じる場合がございます。投資対象や取引の仕組み及びリスクについてご理解の上、ご自身の判断と責任においてお取引いただきますようお願い申し上げます。
BLOGOS
カテゴリ別アーカイブ
  • ライブドアブログ