Market Hack

規制リスクを考えると高いPERは払えない 中国のインターネット株

12月5日に(ん?!”#$%&、まてよ、これは世の中、大きく変わったぞ)と直感してそれまでの投資方針を大きく変更しました。
現在の僕の新興国株式に対する考えは次の通りです:

ブラジル → 売り
ロシア → 売り
インド → 売り
中国 → 売り

このうちロシアは余り下がっていませんね。

またインドのITセクター(ドル高で恩恵を蒙ると指摘しました)も高値圏にあります。その他のインド株はだんだん値を切り下げています。

中国では食品の値段が騰がり始めると政府の金融政策が大きく変わる節目です。案の定、株式市場は下げ足を速めています。

2009年の世界株式市場のラリーを支えてきた二つの大きな流動性の蛇口、即ち:

①アメリカの超緩和的金融政策
②中国の銀行融資の激増

の両方が閉められはじめたのですから、マーケットだって潮目が変わって当然です。

中国の銀行株は公募リスクがあるので今後も下がると思います。

また、インターネット株も政府の方針がコロコロ変わるので高いPERを支払う気にはなりません。

僕の大好きなネトゲ株はパーフェクト・ワールド(PWRD)ですけど、これも下がっています。

PWRD

RSI的には30に達した(青の矢印)ので、売られ過ぎ圏に入りつつあります。

先日チャイナ・モバイル(CHL)はWAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)サービスの加入者への課金を一時全面停止すると発表し、中国に沢山存在する携帯絡みのアプリを作っている零細なソフトウエア企業を驚かせました。表向きにはアダルト・コンテンツの粛清がその理由です。しかし課金を止めることでお金をこれらのソフトウエア会社にわざと流れないようにし、資金繰り困難から倒産に追い込む事で業界全体を「みそぎ」するのだという説明を或る友人(シリコンバレー出身のチャイニーズ・アメリカン)から聞きました。

もちろん、こうしたデータ・サービスはチャイナ・モバイルにとってもだんだん重要な収入になりつつありますから、これはチャイナ・モバイルにとってもきついことです。

CHL

チャイナ・モバイル株は所謂、デット・クロス(青の矢印)と呼ばれる、50日移動平均線が200日移動平均線を下に切る売りシグナルを発しています。

最後の株はバイドゥ(BIDU)です。これも下げています。
BIDU
50日移動平均線(青の矢印)のところがサポートになっていたのですが、アッサリ割り込んでいます。

PS:BRICsを「全売り」したわけですけど、だからといって世界のマーケット全部に弱気になったわけではありません。アメリカのハイテク株などには強気です。いつも繰り返していますが:

マーベル(MRVL)
JDSU(JDSU)
サウスウエスト航空(LUV)

など一握りの銘柄に集中投資しています。

来年の投資戦略ですが、実は奇抜なアイデアを温めています。今、それに向けて猛勉強中です。でもたぶん全ての読者が「えーっ、何それ?そんなんじゃ嫌だ」と言うようなアイデアです。(笑)

余り期待しないでね。

→そのアイデアは1月7日のCMC Markets主催のウェブ・セミナーでお披露目します。

イランの政権交代を想定して投資戦略を立てる時が来た



イスラムの世界では殉教者ほど人々の心の琴線に触れるものはありません。

イランの最高位聖職者ホセイン・アリ・モンタゼリ師が20日、聖地コムの自宅で死去しました。87歳でした。

モンタゼリ師の死に接して「これは殉教だ!」という声がイランの国民から湧きあがっています。

これはイランの反政府運動に大きなモメンタムをつけるイベントになるかも知れません。

もっと端的に言えば、これがアフマディネジャド政権の終わりの始まりかも知れないということです。

モンタゼリ師は今回の大統領選挙を「不正選挙だった」とあからさまに批判した最初の聖職者です。

彼は「イランはイスラム共和国と名乗っているが、冗談はやめてほしい。アフマディネジャドの支配するこの国はイスラム的でもなければ、共和国でもない」と喝破しました。

さらに「街頭デモを取り締まっているバシージ(民兵)は神の道を外れ、大悪魔の申し子になっている」と批判しました。

モンタゼリ師はアヤトラ・ホメイニ師の愛弟子で、アメリカの傀儡であるとされたパーレビ政権に反対し、パーレビ政権に捕えられて投獄されたこともありました。

イラン革命の後、現在のイランの憲法を策定するにあたり中心になって活躍しました。

またモンタゼリ師はこんにちのイランにあってはイスラムの教義に最も精通した最高権威であると目されていました。

しかし1989年に政治犯が大量に処刑されたことに反対し、教条主義的な政権とは距離を置くようになり、だんだん「反体制派」とみなされるようになりました。

そして最近では「暴力、抑圧、投票結果のごまかし、殺人、集会閉鎖、逮捕、拷問、検閲、コミュニケーション手段の寸断、知識人の投獄、無理やり告白をでっちあげること、、、そのような手段に立脚した政治システムは非難されるべきであり、非合法だ」と主張していました。

或る意味ではモンタゼリ師が死んだ事で彼の掲げた理想は絶対的なクレディビリティーを帯び始めています。言わばイラン革命の当時の「初心」に国民が帰り始めているのです。

「独立とは外国からの介入から逃れることを意味するのであり、我々がパーレビ政権を打倒したのはそれがアメリカの傀儡政権に成り下がっていたからだ。決して人々の表現の自由を奪うことがイラン革命の動機ではなかった。」

   ■   ■   ■

さて、イラン革命が起きる直前のイランは中東諸国の中では最も西欧化が進んだ国でした。テヘランは「リトル・ロスアンゼルス」の様相を呈しており、欧米のコンシュマー・グッズが町中に溢れ返っていました。またアメリカや欧州の大学への留学生も世界のどの国よりも多く出していました。

つまりイランはダントツで「中東で最も進んだ国」だったのです。

しかし過去30年間に渡る「隠遁」で現在のイランはかつて遥かに民度が低く、政治的にも遅れていたサウジアラビアなどの湾岸諸国の後塵を拝する地位にまで堕ちてしまったのです。

さらに1980年代に起こったイラン・イラク戦争はイランを大きく疲弊させました。

イランの石油精製施設がイラクと隣接したペルシャ湾岸(アラブから見ればアラビア湾という呼び方になりますが)に位置していたこともあり、それらはイラク軍からのターゲットになりました。結局、輸出はおろか、国内需要を充足させるのにも事欠く精製能力しか残っていません。

こうしたことからイランは潜在的にはサウジアラビアと同等ないしはそれ以上(=人的資源はイランの方が遥かに上です)の経済力を持てる可能性を秘めながら、現在は経済的に困窮しています。

若しイランでレジーム・チェンジがあれば間違いなく世界で最もエキサイティングなエマージング・マーケットになると思います。



タックス・ロス・セリングを利用したワンポイント・トレード

毎年、この時期になると米国の投資家は税金対策を考えます。

今年は相場が良かったのでかなり実現益を出してしまった投資家も多かったと思います。

その場合、税金でごっそりと持って行かれるのを避けるため、おおきくヤラレて塩漬けになっている株を年末までに思い切って処分し、実現損を出し、利益と相殺するという作業を行う投資家が多いです。

このためヤラレになっている銘柄は11月から12月にかけて一層、下げ足を速めるという傾向があります。

こうした売り物のことをアメリカでは「タックス・ロス・セリング」と呼びます。

タックス・ロス・セリングが最も顕著に出るのは小型株で、なおかつ今年IPOされた若い会社です。そこで今年のIPOの中から特に駄目だったディールを幾つか挙げたいと思います。なおパフォーマンスはアフター・マーケット、つまりIPO値決め後、商いが開始され、寄り付いた値段から起算して、どのくらい下がったかを示しています。


CDCソフトウエア(CDCS)-9.8%
チャイナ・リアルエステート(CRIC)-25.4%
ロゼッタ・ストーン(RST)-33%
ケムスペック(CPC)-36.7%

例年通りなら、上に挙げたような銘柄を今のタイミングで仕込んでおき、1月下旬くらいまで抱いておけばフラフラっと上昇する場合が多いです。






中国の銀行株は避けた方が良い

「証券報」によると中国銀行監督当局幹部の談話として「中国の銀行はあと732.5億ドル程度、資本増強をする必要がある」と伝えています。

中国や香港の株式市場は近年ずいぶんたくましく成長したので公募を消化する能力もUPしました。しかし、、、700億ドルというのはメチャクチャきつい数字です。

なぜ中国の銀行監督当局はこういう厳しい注文を銀行につきつけているのでしょうか?これには幾つかの理由があります。

先ず今年銀行融資がメチャクチャ伸びました。融資を伸ばせば、それに呼応して自己資本も充実させないと自己資本比率が低下します。事実、中国の銀行の自己資本比率は全ての銀行において今年低下しました。これは自己資本比率をどんどん引き上げている世界の流れとは逆です。

次にすでにあまねく報道されている通り、先週、BISが銀行の自己資本の在り方に関し討議しました。日本では厳格な基準の施行のタイミングをぼかしたことばかり報道されましたが、今回の決定で最も大事な事はコア・キャピタルに参入される資本金をPure、つまり混じりけの無いものにすべきだという点です。

もっと具体的に言えば劣後債はよろしくないという認識が高まったということです。

いま中国の銀行の自己資本比率をみると自己資本比率自体は世界の平均から比べても高いのですが、その内容は劣後債が多いです。しかもA銀行の劣後債をB銀行が保有し、B銀行の劣後債をC銀行が保有する、、、そういうシステミック・リスクが発生しやすい「引き受け合い」をやっているわけです。

これはBISの示している方向性とは真反対です。

中国の銀行監督当局は優秀で精鋭揃いなのでこのリスクは誰よりも痛感しています。だからアメリカのように綻びが出始めてから慌てて対応するのではなく、先回りして健全化への断固とした指導に着手しているのです。

シリコンバレーのリベンジ 2010年はホットIPOが続々登場する

カリックス来年はシリコンバレーの年になると思います。

僕がそう考える理由はIPO準備に入っている企業のクウォリティーが極めて高いからです。

巷ではFacebookとTwitterが2010年のある時点でIPOされると噂されています。なるほど、そうなのかも知れません。

でも仮にそれらのソーシャル・ウェブの企業がIPOしなくても、既に公開準備に入っている企業群の顔ぶれをみると選りすぐりの精鋭部隊となっています。

そのひとつの銘柄がカリックスです。

同社はイーサネットによるビデオなどの超大容量アクセス・ネットワークを構築するための機器ならびにソフトウエアを販売しています。

同社は僕の住んでいるとなり町、ぺタルマに本社があります。ぺタルマは知る人ぞ知る、通信技術の研究開発ではちょっとした実績を誇る町で、昔からアドバンスト・ファイバーなどの企業が拠点を構えていました。

話は脱線しますが、ぺタルマは農業でも有名で、「アメリカの乳製品の首都」というあだ名もついています。なだからな牧草地で牛が点々と草を食む、そういう光景が延々と続いている処。

そのぺタルマを一躍有名にしたのは光通信機器のセレントをシスコが買収したディールです。あのときは一夜にして億万長者がぞろぞろ輩出し、ぺタルマの町全体の不動産物件価格が一夜で10%以上も上昇したという逸話も残っています。

そのセレントのCEOを務め、後にシスコの光部門のヘッドを務めたカール・ルッソ(上のビデオの人)が満を持して放つのが今度IPOされるカリックスというわけです。

このディールはゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーという、往時のドットコム・バンキングの大御所が真正面からぶつかり合い、激しい主幹事獲得競争を繰り広げた案件です。当然、ホット・ディールになると思います。

なお、上のビデオの中でカールが言っていることは、「インターネット上でのビデオの消費量は等比級数的に伸びているけど、ビデオを配信することによって得られる売上高の伸び率はもっとずっとゆっくりしたペースであり、この需要爆発と売上成長率の低さがサービス・プロバイダーにとって苦しい状況を作り上げている。そこでビデオの需要爆発に対応しながら、設備投資額が雪だるま式に増えないような解決法を見つけないといけない。そのためにはイーサネットをスケールアップする方法しかない」ということです。
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