Market Hack

なぜNY市場はザラバ-9%という暴落を演じたか?

昨夜のニューヨーク市場は強烈なボラティリティに翻弄されました。

普通、「MarketHack」では場況解説的な記事は書きませんが、昨日は特別な日だったので、僕の印象を書きます。

【あきらめ】
これまでアメリカの機関投資家はギリシャ問題に対する欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)の危機対応に対して「まあ何か打ち出してくるだろう」という甘い期待を持っていました。

しかし今日は(こいつら本当にノー・アイデアなんだな)という認識がずしんと感じられました。

有効な解決策が無いということは救済をするだけでなく、現在、ギリシャ債を持っている投資家は或る程度のヘアカット(=つまり国債の額面の金額を100%取り戻す事はできないこと)を受け入れる必要が出たということを意味します。

これを受けてニューヨークで取引されている欧州の銀行株ADRはかなりこっぴどく売り叩かれていました。加えてLIBORが上昇しているということは若しヘアカットが必要になったとき、欧州の銀行同士が疑心暗鬼になり、お互いに短期の資金を融通したくないと考え始めていることを示唆しています。

いま欧州の主要株価指数と米国のそれを比べた場合、欧州の株価指数はひと足先に崩れていました。例えば英国FTSE100指数はかなり前から崩れています。
FTSE
続きを読む

ボルカー・ルールに対するJPモルガンのジェス・ステーリーの考え方


ブルームバーグ主催のヘッジファンド・カンファレンスでJPモルガンのジェス・ステーリーがインタビューに応えています。

ジェスはJPモルガンの現在のCEO、ジェイミー・ダイモンが実質的に次期CEOとして名指しにしている人物です。

このビデオは25分と長いですがこれを見ればジェス・ステーリーが極めて思慮に富んだ思考のできる人間であることは明らかです。

以下抄訳しておきました:

【ジェス・ステーリー】

金融界が内省的になり、過去のおこないの是非について考え直してみるということは健全な行為だ。公の場で銀行業が社会に対して果たすべき役割をみんなでディスカッションするというのは良い事だと思う。

およそ金融機関の関係者なら誰もが気付いていると思うが、金融機関にとって最もたいせつなものは評判だ。

私が夜、寝つきが悪くなるのはバランスシートの問題ではなく、評判をどう維持するか?という問題である。

ワシントンでおこなわれている金融規制法案に関する討議は避けて通れないものであり、いろいろな建設的な意見も出ている。新しい法体系が2008年の金融危機みたいなことを繰り返さないためのフレームワークになれば良いと思っている。

金融というのは商取引にとって酸素のようなものであり、世界の商業はお互いに密接につながっているのだから金融業もそれに資することができるような体制になってないといけない。

今日のカンファレンスでの欧州の首脳のコメントで私が我が意を得たりと思ったのは「欧州が現在の難局を乗り切ろうと思うと、経済成長をする以外にない」という発言だ。

経済成長を実現するには商取引の活発化が不可欠だし、円滑な商取引を保証しようと思えば金融業がしっかりしていないと駄目だ。
続きを読む

ギリシャ問題と日本国債 JGBは「石器時代の家」か?

ギリシャ危機をまのあたりにして「そら見たことか。外国人に借金を作るから、こういう悲惨なことになる。その点、日本は外国人投資家に依存していないから、大丈夫」という意見を言う人が多いです。

それは確かにそういう面もあります。

でも逆の見方も出来るのです。

ギリシャ国債は沢山の海外の金融機関に持たれていただけに「簡単にデフォルトさせるわけにはいかない」という事で欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)も一生懸命対策を考えています。

どんなに過酷な条件を付けられようが、救済してくれるだけマシということです。

日本国債の場合、その大半は日本国内で消化されています。これは「外国人に頼っていない」という見方も出来ますが、有り体に言えば「外国人はアホくさくて、誰も日本国債なんか買わない」ということなのです。

つまり国内勢の「一手買い」だということ。

およそ投資の世界では株だろうが不動産だろうが絵画だろうが、一握りの買い手だけにしかアピールしない投資対象ほど脆いものはありません。それがどんなに人気になっていても、「手替わり」、つまり投資主体が変わらざるを得ないことが起こるといっぺんに化けの皮が剥げるからです。

例えば僕が駆け出しの証券マンだった頃、日本株はバブルの絶頂でした。僕は当時、キャピタル・ガーディアンとか、アライアンスとか錚々たるアメリカの機関投資家を担当させられていました。

ところが全然、手数料が上がらず、常に国際営業部の中でビリの成績でした。

なぜか?

それはもちろん、僕の営業が下手だったということも関係していますが、そもそも当時アメリカの機関投資家は「日本株のPERが80倍なんてクレージーだ!」と主張して、一切、日本株には手を出さなかったからです。

そういう意味では日本株バブルは「日本人の、日本人投資家による、日本人投資家のための」バブルだったのです。

それ自体は別に批判すべきことではないかも知れないけど、ひとたび買いの本尊が何かの理由で買い支えられなくなったら、すぐに他の国の投資家がステップインして、買い支えて呉れないということを肝に命ずるべきです。

シリコンバレーに「フリントストーンの家」というあだ名がついた住宅があります。これはアメリカのマンガ、「原始家族フリントストーン」に出てくる石器時代の家みたいな外観なのでそういうあだ名がついたのです。
Fredflintstone

(出典:ウィキペディア)続きを読む

CDS市場 The Treasury Borrowing Advisory Committe - Porco

ゲストブロガー:Porco

rennyPorco Rosso Financial Weblog」というサイトを運営。
内外大手証券、株式部門ヘッドを歴任。ヘッジファンド運営、NY駐在が長かった。現在は東京拠点にアドバイザーやコンサルタント。

■おすすめエントリー
元記事 公開日時:2010年5月6日 10:39

ギリシャを筆頭にユーロでソブリン債(国債等政府機関系債券)問題が燃え盛る中、5月4日に米国で 財務省借入諮問委員会(The Treasury Borrowing Advisory Committe)が開催され、米国政府債務の今後の見通しを始め、CDSの存在意義等について議論がなされています。 この委員会にはGS,JPM、ソロス、ムーア、ドイチェ、PIMCO、RBS、チューダー、バンカメ、ブラックロック、アライアンス・バーンスタイン等々が参加しています。この委員会で使用されたプレゼン資料がネットで見れます。続きを読む

GW,お天気抜群、世界は大荒れ - 沢利之

ゲストブロガー:沢利之

sawa金融そして時々山」というサイトを運営。 "@sawanoshijin"
山登りを中心とするアウトドアライフを愛する元銀行役員。先入観にとらわれずに、金融・経済の地下水脈を探って行きたいと考えています。


■おすすめエントリー
元記事 公開日時:2010年5月6日 10:42

今年のGWは晴天続きだった。太平洋側から大きな高気圧が日本列島に張り出していたためだ。このような晴天続きは20数年ぶりのことらしい。私も長年GWには山に行っているがこれだけ晴天が続いた記憶はない。ところがGWの季節、欧州ではソブリン債務の問題から市場は荒れに荒れた。

ギリシアでは暴動騒ぎの中、火災でマルフィン銀行の職員3名が死亡するという事件が起きた。続きを読む
MarketHackについて
Market Hackは世界経済ならびにビジネス・シーンに関するニュース・サイトです
月別アーカイブ
免責事項
なお運営上、ここに書かれる意見には諸々のバイアスがかかっています。投資情報は利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失を生じる場合がございます。投資対象や取引の仕組み及びリスクについてご理解の上、ご自身の判断と責任においてお取引いただきますようお願い申し上げます。
BLOGOS
カテゴリ別アーカイブ
  • ライブドアブログ