Market Hack

上海市場急落は不吉

今日、上海市場が4%以上も急落しました。

その原因は『上海証券報』に「不動産物件の投げ売りが始まった」という報道があったからです。その記事によると一部不動産開発業者は売れ残っている在庫の一部を一気に15%引きというディスカウントで特売キャンペーンに出ているとか。

小さな業者は兎も角、これまで大手業者は良く言えば「秩序ある」価格戦略で投資元本を回収しようとする場合が殆どで、こういう極端な価格戦略を敷くところはありませんでした。その意味ではパンドラの箱が開いたという風に考える事もできます。
続きを読む

バクダン抱えたままゴールラインに飛び込む英総選挙

ただでさえギリシャ問題で欧州は揺れていますが、いよいよ今夜投票をむかえる英国の総選挙も展開次第では悲惨な状態になる可能性があります。

先ず現在の有権者投票意向調査(調査会社6社合計)の集計ですが:

【支持率】
保守党(トーリー党) 35%
労働党 28%
自由民主党 27%
その他 10%

となっています。次にベットフェアの獲得議席予想では:

【獲得議席予想】
保守党(トーリー党) 319
労働党 217
自由民主党 85
その他 29

が予想されています。

今夜の総選挙で保守党が単純過半数である326議席以上を獲得した場合は保守党が単独で国政を掌握できます。

保守党の獲得議席数がこれに満たなかった場合、先ず保守党が考える事は「その他」のカテゴリーに入っている小さい政党を引き入れ連立政権を樹立することです。
続きを読む

ギリシャ危機は当然アメリカや中国にもマイナス

ギリシャ危機は当然アメリカや中国にとってもマイナスです。

先ずギリシャに対する懸念からこのところユーロが急落していますが、これはアメリカの輸出型企業の業績が今後悪化することを示唆しています。

このドル高→業績悪化シナリオは未だ殆どの米国の投資家が織り込んでいないため、今後、アメリカ株がプレッシャーを受ける一因となるでしょう。

次にユーロの急落は中国の輸出にとっても大打撃です。

余り理解されていないことですが、EU圏は中国にとって最大の輸出先です。アメリカよりも重要です。人民元は米ドルにペッグされていますからユーロ安は実質的な人民元高になったことを意味します。

これで人民元の切り上げは一層やりにくくなったと言っても良いと思います。

既に輸出不振→中国の工業セクターの減速というシナリオがアメリカの機関投資家の間では囁かれ始めています。

中国の不動産業界への締め付けは既に現地の株価に織り込まれていますが、工業セクターのスローダウンは未だ織り込みが足らないと思います。

引き続き注視してゆきたいと思います。

トルコ共和国における「無血内戦」

ウォール・ストリート・ジャーナルがトルコ共和国における「無血内戦」について詳細なレポートをしています。その詳細は背景がわからなければ読んでも理解しにくいと思うので、今日はなぜトルコでイスラム派と政教分離派(世俗派)のリーダーシップ争いが起きているかについて書きます。

トルコはむかし、オスマン帝国と呼ばれ一時はヨーロッパからシナイ半島まで勢力を誇っていました。

しかし第一次大戦の頃までには勢力が衰退し、「ヨーロッパの病人」と呼ばれていました。

そして1920年にはトラキアとエーゲ海諸島とイズミール地方をギリシャに、南アナドルとドデカネーズ諸島をイタリアに、キリキアと南クルデスタンをフランスに召し上げられた上、ボスポラス、ダーダネルス海峡を国際管理下へ置かれるという風にズタズタにされたのです。

そこにムスタファ・ケマルという指導者が現れ、ギリシャ軍、英軍、イタリア軍、フランス軍などを各個撃破し、トルコは1923年のローザンヌ条約により西欧と対等な独立国になったのです。

ムスタファ・ケマルは後にケマル・アタチュルク(建国の父)として国民からたたえられるわけですが、国民の大部分がイスラム教徒であり、てっきりイスラム国家を建国すると思われていたのが、意外や意外、国政からイスラム色を一掃し、政教分離の西欧的な新憲法を導入します。しかもアラビア文字すらも廃止してしまう徹底的な世俗化がすすめられました。

(蛇足ですがトルコはアジアの民としてはめずらしく、ちゃんとした立憲政治を目指し、そのお手本として日露戦争でロシアを破った日本という存在を常に強烈に意識してきました。ケマルの改革も日本をお手本にした面があります。だからトルコ人は大の日本ファンです。)
続きを読む

ファンドマネージャーの恥ずかしい瞬間

これは僕の個人的な考え方ですが、およそファンドマネージャーにとってマルチプル・コントラクションがおきているマーケットになんだかんだと屁理屈をつけて留まり続けることほどカッコ悪いことは無いと思います。

マルチプル・コントラクションというのはPERが下がることを指します。

PERは株価収益率の略で、株価をEPS(一株当たり利益)で割り算した数字です。

株価 = EPS × PEマルチプル

株価が下がる局面にはいろいろありますけど、そのひとつは言うまでも無く会社の業績が下がるときです。これは言いかえればEPSの数字が小さくなる時だと説明出来ます。

もうひとつ株価が下がる局面の例として、EPSは悪くないのに株価が上がらない場合があります。これは逆に言えばその株に対する市場参加者の評価がだんだん下がっていることに他なりません。

運用の役割分担ということを一般の読者の人に分かってもらうため、極端に単純化した説明をすれば、EPSの方向を予想するのはアナリストの仕事です。

その株に対する市場参加者の評価がどうなるかを予想するのはファンドマネージャーの仕事です。

マルチプル・コントラクションが起きているということは評価が剥げているわけだから、なぜ評価が剥げているのか?という原因を徹底的に究明しないのは、ファンドマネージャーがファンドマネージャーとしての仕事をまっとうしていないことに他なりません。

すくなくとも僕の美意識は、そういうことです。

アメリカのヘッジファンド・マネージャーの間にはマルチプル・コントラクションが起きている市場にぐずぐず拘泥することを恥とする気風があります。

年金や投信のマネージャーにはそういう考え方はありません。それはなぜかというと彼らは自分のベンチマーク(S&P500指数など)に比べてテキトーにやっておればよいという使命があるからです。

EPSが悪くなる時はアナリストが見込み違いをした事実は誰の目にも明らかです。なぜならEPSの数字そのものが小さくなってしまうからです。

これに対してマルチプル・コントラクションという「病(やまい)」を放置しているファンドマネージャーの失敗は一般の人には見えにくいです。でもプロが見れば「こいつはただ手をこまねいているだけだな」というのはイッパツでわかります。
続きを読む
MarketHackについて
Market Hackは世界経済ならびにビジネス・シーンに関するニュース・サイトです
月別アーカイブ
免責事項
なお運営上、ここに書かれる意見には諸々のバイアスがかかっています。投資情報は利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失を生じる場合がございます。投資対象や取引の仕組み及びリスクについてご理解の上、ご自身の判断と責任においてお取引いただきますようお願い申し上げます。
BLOGOS
カテゴリ別アーカイブ
  • ライブドアブログ