Market Hack

いよいよヤバイことになってきた欧州 その5

僕はいまの欧州連合(EU)には「どんなに辛くても、一丸となってユーロを守ろう!」という強い意志というか、コンセンサスがぜんぜん無いと思います。

これを説明すると長くなるけど、たぶん今ほどこのことをちゃんと知っておく必要のある局面は無いと思うので、冗長になるけどすべてを語ります(笑)。

欧州の経済成長率は1960年代後半あたりから陰りを見せ始めます。

これにはいろいろな理由があります。

先ず安い労働力の供給が終わった事、技術導入が一巡したこと、重複するムダな投資でリターンが下がった事、産業政策の硬直化、賃金格差の減少で熟練工を目指す若者が減った事、高額所得者に対する重い課税で起業やリスク・テーキングの気風を削いだことなどが指摘出来ます。
続きを読む

いよいよヤバイことになってきた欧州 その4

若し欧州先進国の国債金利が横並びでなくなり、ソブリン格付けも横並びで無くなれば、それは単純に言えば「実力相応の評価がつく」ことになることを意味します。

するとヤバイ国はヤバイなりの高金利が付く、、、

これは債券ファンドなどの投資家からすればウレシイことです。

だから逆説的な意味で、数年後には外債投信ブームが来る事もありえないシナリオではないです。

実際、1980年代のラテン・アメリカの債務危機の後では、「ブレディー・ボンド」というカテゴリーが出現しました。(いまはその役割は終わりましたが。)
続きを読む

いよいよヤバイことになってきた欧州 その3

ユーロ脱退は脱退国の通貨の切り下げを意味し、財産を守ろうとする国民の貯蓄が海外へ怒涛のように逃避することを意味します。

また通貨が切り下がった場合、輸入品の価格が暴騰しますので労働者は生活できなくなります。そこで労働者は賃上げを要求するようになります。

また脱退国の国債は暴落し、金利負担は急増します。

これらが「脱退→デフォルト」シナリオで通常、予想される展開です。しかし、わるいことばかりではありません。

通貨を切り下げることができるというのは、その国の輸出競争力を蘇らせるという意味ではプラスです。

また究極的には労働者の実質賃金は競争力が維持できる適正な水準に落ち着くと見られますので、それが起きてしまえば、またコツコツと経済の立て直しに着手できます。
続きを読む

いよいよヤバイことになってきた欧州 その2

今後のシナリオですが、僕は大きく分けて2つの大きなシナリオに分類できると思っています。
どう乗り切る?ユーロ存亡の危機1

ひとつは救済が実を結ぶというシナリオ。

もうひとつはギリシャなどの問題国がEUを脱退し、デフォルトするというシナリオです。

ギリシャを救うことで市場の不安が収まらなければ、ポルトガルやスペインも同様の救済を必要とします。

その場合、ドイツが負担できる負債には限りがあります。全部を今の負担比率でドイツが背負い込むわけにはいきません。
続きを読む

いよいよヤバイことになってきた欧州 その1

ギリシャ問題に関して欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が「お金を出す!」と言っているのに、市場は反応していません。

下のチャートはユーロ・ドルです。
ユーロドル

(チャート出典:ザイFX
滝のようになっていますね。

このほか、今日はFXだけでなく株式にも「折れ」が来ており、南欧やアイルランドの銀行株が軒並み最近の下値支持線を割り込んでいます。

ナショナル・バンク・オブ・グリース(NBG)-9.37%
バンコ・サンタンデール(STD)-7.86%
バンコ・ビルバオ・ビスカヤ(BBVA)-7.94%
バンク・オブ・アイルランド(IRE)-5.49%

などです。

投資家は救済の話は聞き飽きたという気持ちになっており、EUとIMFはオオカミ少年状態になっているわけです。

Show me the money.(現ナマをあらためさせて貰おうか?)

といったところです。
続きを読む
MarketHackについて
Market Hackは世界経済ならびにビジネス・シーンに関するニュース・サイトです
月別アーカイブ
免責事項
なお運営上、ここに書かれる意見には諸々のバイアスがかかっています。投資情報は利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失を生じる場合がございます。投資対象や取引の仕組み及びリスクについてご理解の上、ご自身の判断と責任においてお取引いただきますようお願い申し上げます。
BLOGOS
カテゴリ別アーカイブ
  • ライブドアブログ