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2010年の投資戦略 ②

ユーロという通貨は喩えて言えばキャデラックみたいな乗り心地です。つまりフニャフニャして加速も遅ければブレーキが効くのも遅いのです。

 

なぜユーロはそうなってしまうのでしょうか?これは欧州連合という政治システムの構造上の問題が関係しています。つまりEUは寄せ集め軍団なので、いちばんモタモタしている国に調子を合せなければいけないということです。妥協につぐ妥協で金融政策のかじ取りが切れ味にかけるものになってしまうのです。

 

ユーロ圏は全部で27カ国から成っています。その中には利害の異なる国々が共通の経済的便宜を享受するために一緒になったという事情があります。景気が良いときはそういう便宜優先の共同生活はOKですけど、お金のトラブルが起きると愛の無い同居生活はトラブルつづきになります。今のユーロはまさしくそういう状態であり、だからこのところユーロが売られているのです。

 

ヨーロッパの低成長国の問題は昔からありました。でもなぜそれが最近になって急に注目されるようになったのでしょうか?

 

ある事件がきっかけになって経済同盟の見直しが促されることになったのです。

 

その事件とは中東のドバイの政府系企業、ドバイ・ワールドが債務履行猶予の要請を債権者に申し入れたことです。

 

ドバイ・ワールドは不動産開発などを進めている企業でパームツリーのかたちをした人工島、ザ・パームなどを開発している企業です。ドバイ・ワールドは私企業ですが、ドバイ政府がその株主であることから若し何かあればドバイ政府が尻拭いするだろうという思い込みが投資家の側でありました。

 

でもドバイ政府はドバイ・ワールド社の救済をしないと発表しました。

 

またドバイ政府にお金が無い場合でもその上部組織であるアラブ首長国連合、つまりUAEが尻拭いするというのが投資家の思い込みでした。

 

そのUAEも当初関知しないと発表し、投資家をおどろかせたわけです。

 

因みにドバイは観光、商業、交通、金融、港湾サービスなどでもっている町で、石油は出ません。莫大な石油収入があるのは隣町のアブダビです。

 

アブダビとドバイはともにアメリカで言えば州のような存在で、言うならばカリフォルニア州とテキサス州のような関係です。今回は世界の投資家が慌てたので、最後の最後になってアブダビ政府が当座の資金を用立てするということを発表し、事なきをえました。

 

翻ってEU、つまり欧州連合を見た場合、UAEの構造と似ていて個々の国の寄せ集めになっているのです。ギリシャに若しものことがあったら、EUが救うだろうと投資家は考えていたのですが、ドバイ事件が起こった直後にドイツのメルケル首相はEUはギリシャの尻拭いはしないと明言しました。これが不安が走る原因になったのです。

 

EUはもともと石炭と鉄鋼の生産調整をする機関として発足しました。当初メンバーはベルギー、西ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダです。その後、5回の拡大を経て現在の27ヶ国に拡大します。

 

第一回目の拡大は1973年でした。このときはデンマーク、アイルランド、英国が加わりました。

 

そして81年にギリシャが86年にポルトガル、スペインが95年にオーストリア、フィンランド、スウェーデンが加わります。そして最近の拡大では12カ国が加わり、全部で27ヶ国となったのです。そのうちユーロを使っているのは16ヶ国です。英国やデンマークはユーロを使っていません。

2010年の投資戦略 ①

最初に結論を述べます。

 結論


ユーロは今年1年を通じて軟調な展開を予想しています。それは裏返せばドルが強いことを意味するので、ドルと逆相関にあるゴールドや石油は冴えないと考えています。

 

コモディティーがダメなときはBRICsなどの新興国株式も冴えないと思います。

だから米国株や欧州株や日本株の方が面白いと感じます。とりわけユーロ安は欧州の輸出企業を大いに助けると思います。ですからニュースとしてはヨーロッパから聞こえてくるニュースは悪くなるけど、株式市場のパフォーマンスはこれと裏腹に欧州株式市場はOK、そういう展開を想定しています。

 

なぜ私がそう考えるか説明します。

 

負債


2003年から始まった景気拡大局面では世界の企業や個人が沢山の負債を抱え込みました。この傾向は2008年まで続きました。

 

しかし、サブプライム問題に端を発した金融恐慌で政府が銀行を支援したり公共部門の支出をドカンを増やすなど、景気下支えの役目を果たさざるを得なくなりました。

 

各国政府の積極的な関与で1930年型の大恐慌は防ぐことが出来ました。

 

しかし去年の12月くらいから新しい問題が生じ始めました。それはそろそろ政府が借金を背負い込むことも限界に近付きつつあるという認識が投資家に芽生えたということです。

 

政府の負債をどう圧縮してゆくのか?これが2010年の各国の直面する課題です。

 

とりわけ政府の中で、強い国と弱い国との格差が顕著になっています。ここで興味深い点は、昔は政府の信用が問題になるときは新興国から綻びが生ずることが常でした。

 

ところが今回は先進国のなかで、とりわけ慢性的に経済が停滞している国がだいぶ危ない状態になっているということです。つまりこれまでの先入観とはかなり違う、立場の逆転がおこっているのです。

 

いま経済成長と財政の健全さという尺度できわめて大雑把な分類をしてやると新興国の方が先進国より高い経済成長を遂げています。経常収支もプラスになっている新興国が多いです。また財政的にも新興国の方が先進国より保守的な財政政策をとっています。だからここは2010年のトラブルの震源地にはならないのです。

 

成長と財政のマトリクス


一方、アメリカは物凄い勢いで財政出動した関係で財政赤字はGDPの13%程度まで膨らみました。きわめて醜悪な内容です。しかし危機が襲ってきたとき、まっしぐらに金融を緩和し、ドカンと政府部門の支出を増やしたので、メリハリの利いた経済の誘導が出来ました。その関係で2011年には先進国の中では最も高いGDP成長率に躍り出る可能性が強いです。

 

この反面、去年の不況の際も欧州中央銀行は量的緩和政策などの思い切った処方はなるべく控え、節度のある政策に終始しました。その結果、2011年にかけてのリカバリーという点では米国には劣ると思います。

 

また十分に緩和策をとってギリシャやスペインを救わなかったことで、今になってこれらの落ちこぼれの国とドイツやフランスなどのEU内での優等生の国との格差が物凄く広がりつつあります。

 

具体的には欧州の中でもポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインといった国々の財政事情が世界の投資家から心配されています。これらの国に共通するのはいずれも成熟国であり、経済成長のシナリオが描きにくいという点です。

 

JPモルガン(JPM)第4四半期決算発表

JPモルガン(ティッカー:JPM)が第4四半期の決算を発表しています。

EPS: 予想61¢、実績74¢

今期の決算は見かけ上はアナリスト予想を上回っていますが、中身は貧弱でした。

先ずボトムラインは税金面で下駄を履いているという指摘があります。

またコンシュマー部門の貸倒引当金を19億ドル積み増しており、年末の時点での貸倒引当金比率は5.51%でした。これは去年の年末の3.62%よりかなり増えています。

焦付きローンと引当金の推移を示すと下のグラフのようになります。

JPモルガンの焦付き

JPモルガンは業界平均より多めに貸倒引当金を取る傾向があるとは言え、これは他行にとっても環境が厳しいことを示唆しています。

今期の業績が冴えなかった一因は債券部のパフォーマンスが悪かった事によります。ただ1月に入ってからは債券部のビジネスは持ち直しているそうです。

トレーディング部門のVaR(バリュー・アット・リスク=どれだけリスクをとっているかの尺度のひとつ)が2期連続で下がっていることについては特段、意図的にやっていることではないと説明されました。

投資銀行部門の賞与は93億ドルで、その大半は株式による支給です。ストック・オプションの付与はなるべく今期は低くおさえられており、後に行くほど多くなっています。これは現在、ウォール街に対して社会的批判が高まっているのをかわす意図からなされたものだと思われますが、結果として当期人件費の過小計上につながっており、収益が嵩上げされていると指摘する声もあります。

バーゼルⅢに関してはずっと先の事なので今心配するには及ばないけれど、新しい自己資本規制は極めて厳格であり、JPモルガンといえども膨大な自己資本が今後必要とされることが説明されました。

マーケット・ハックに参加しよう!

【マーケット・ハックとは?】
マーケット・ハックはブログとTwitterを活用した新しいタイプの参加型投資ブログメディアです。


【マーケット・ハックの生まれた背景】
近年、ネット証券、FX、CFDなどインターネットを通じた金融サービスが次々に登場しています。それらのサービスは個人投資家のセルフ・サービスによる投資の機会を増やしました。

しかしそれらのインターネットを通じたサービスを補完する投資情報の進化は変化の速さについて行けていないのが実情です。

経済新聞や投資雑誌などの既存メディアは編集に対する考え方が古いです。それらはITに弱い中高年を読者として想定しています。

その一方でネット証券、FX、CFDなどのサービスを積極的に利用しているのは30代を中心とする比較的若い投資家層です。彼らはTwitterに代表される新しいメディアを縦横に使いこなしています。

マーケット・ハックはそのようなITリテラシーの高い個人投資家層に向けて個人投資家同士が情報発信し合う「場」を提供することを目指しているのです。


【帰宅後トレーダーのニーズに合ったコミュニティー】
それでは帰宅後トレーダーの皆さんが必要としているコミュニティーとは何でしょうか?

私の考えは次のようなものです:

①テキパキ情報が伝達できること
②教え合うことで何が重要な情報かを即断し、どうでもいい情報は受け流すこと

Twitterを利用すれば自分が大事と感じたニュースをすぐに仲間に伝達することが出来ます。つまり情報のヴェロシティ(velocity=流通速度)が高いのです。

もちろん既存のメディアからでもニュースはふんだんに取得できます。問題はその場合、相場にとって重要なニュースと、どうでもいいニュースを区別するのがむずかしいということです。

その点、TwitterにはRT(リ・ツイート)という機能があり、みんなが興味を持った情報は何度でも繰り返し画面に現れます。このように人々が関心を持つ話題が何度も繰り返されることをパーシスタンス(persistence粘り)と言います。つまりTwitterを眺めていれば自ずと重要なニュースがわかるのです。

さらにTwitterでは或るニュースに対するみんなの反応が寄せられます。すると他の人がそのニュースをどう受け止めているかが把握できます。中には貴重な意見や役に立つものの見方も含まれている可能性があります。そのような価値判断を含んだ意見をインサイト(insight看破力)と言います。

もちろん、人々は色んな意見や相場観を持っていますから、必ずしも自分の意見と相手の意見が合うとは限りません。仮に意見が合わなかった場合でも自分とは反対の意見を持っている人の主張を聞くことは物事を多角的に見る練習になります。つまり自分と意見が違う人との間でもコラボレーション(collaboration共同作業)する余地はあるのです。


【二段構えのコミュニティー構成】
マーケット・ハックはTwitterとブログという、二段構えのコミュニティー構成になっています。

Twitterの利点は即時性にあります。しかしTwitterは140文字という制約がありますから、込み入った考えを伝えるのには向きません。ブログを併用するのはそのためです。


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安心してネットを使えるという事は世界共通の権利だ

たとえ話で説明します。

若し貴女が慶応大学の学生でgooかなにかの電子メール・アカウントを持っていたとします。

何者かがその電子メール・アカウントをハッキングし、貴女のメールを読むだけでなく、貴女のノート・パソコンのワード・ファイルとかのドキュメントを盗み出し、そのハードコピーを外国で蓄積していたとすれば、どう感じますか?

若しこれが企業からの個人情報の流出なら、黙って無いでしょう?それを許した企業はボコボコに批判されると思うんです。

さて、今回グーグルに対するサイバー・アタックがおきた事件は、大筋として上に書いたような事が実際に起こったのです。

固有名詞を慶応大学からスタンフォード大学へ、場所を三田からパロアルトへ、会社をgooからグーグルへ替えたら、全く今回の事件と同じ状況設定になります。

中国におけるインターネット事情が特殊だ云々ということは僕だって当然知っているし、治安維持などの、背に腹は代えられない事情は察します。でも今回の事件は「ドット・シー・エヌ」の世界で起こったのではなく、「ドット・コム」の世界で起こったのです。ということは放置しておけば「ドット・ジェイ・ピー」でも同じ犯罪が起こる可能性があります。

今回のサイバー・アタックに関して、「これは犯罪であり、プライバシーの侵害だ」という認識が極めて低いのはニュースの受け手のテクノロジー・リテラシーが低いからです。

或る国が隠遁的に閉じたネット世界を作ることはその国の自由であり、僕の考えでは外国がそれをとやかく言う筋合いの事ではありません。

でも別の国まで出て行ってこういう狼藉を働くのは主権の侵害ではないでしょうか?

「安心してネットを使えるということは世界共通の権利だ」というのはグーグルから事情説明を受けたオバマ大統領の発言です。

ごく当たり前のことだけど、とても壊れやすい、普段我々が気付くこと無く享受している自由が脅威にさらされているのです。

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