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建設アレルギー 4兆人民元の景気刺激策とは別の切り口の現状打開策を必要とする中国

ドバイ・ワールドの債務リスケジュールとベトナムのドン危機が我々に残した教訓は:

 

ただ闇雲にコンドミニアムを建設すれば経済は万事OKという考え方には限界がある

 

ということでしょう。

株式市場は一転してOver building(過剰建設)にピリピリしはじめています。中国の場合、アインホーン風に言えば「もうルビコン川を渡ってしまったのかもしれない」ですね。

 

確かに見かけ上、中国の銀行各行の自己資本比率は十分なクッションがあるように見えるし、焦付きも異常な水準ではありません。しかし中国の場合、何を持ってnon-performing(遅延)ローンと呼ぶかの定義は曖昧で、会計基準の援用は杜撰です。

 

もちろん、中国の銀行監督当局はそういう問題を毎日ひしひしと感じています。だからこそ、今、大型増資を銀行各行に強要したり、バランスシートの改善に取り組まない銀行に対しては日常業務を大幅に制限する、決死の覚悟の行政指導を始めているのです。これは英断。手遅れになる前に断固とした措置を繰り出した中国の銀行監督当局はどこかの国のお役所とは違い、高く評価されるべきだと思いました。

 

しかし、建設しまくることで不景気を克服しようとしてきた中国のこれまでのアプローチはここへきて輝きを失い、色褪せた手法のように感じられはじめています。

 

中国の次の一手に期待したいと思います。

ドバイは再起できる

ドバイの政府系不動産持ち株会社、ドバイ・ワールドが債務履行モラトリアムを宣言したことで欧州の金融市場を中心にショックが走っています。

 

ドバイのバブルのクレイジーさを指摘し、それを糾弾することは簡単です。しかしドバイになぜこんなに資金があつまり、世界中から人が集まってきたのかについては通り一遍の理解しかされていないと思います。そこでドバイがなぜ今日のような姿になったのかについて書きます。

 

先ずドバイはアラブ首長国連合(UAE)の「都市国家」のひとつです。UAEは全部で7つの首長国から成り立っています。でもその中で規模が大きいのはドバイとアブダビだけです。

 

昔からドバイとアブダビはお互いに競争心を燃やしあうライバルでした。

 

確か最初に石油が発見されたのはドバイの方が早かったと記憶しています。でもドバイから出る石油や天然ガスは僅かの量で、すぐにアブダビに追い越されてしまいました。現在でもUAEの化石燃料の大半はアブダビから出ます。

 

さて、ドバイは既に1970年代頃から石油の枯渇の運命を悟っていました。そこで商業やサービス業に自らの活路を見出そうとしたのです。幸い、昔からドバイはインドから現在のイラクに至る貿易航路の中継地になっていました。またペルシャ(今のイラン)からも目と鼻の先であり、古くからペルシャ人との交流もありました。このため早くから国際的で異邦人に寛容な土地柄を形成していたのです。

 

ドバイは運送会社や輸入業者の為に無税倉庫を運営し、港湾の役務サービスを充実させアラビア湾における輸入品の集積地を目指しました。

 

また昔、未だ旅客機の航続距離が短かった時代は、所謂、南回り欧州線やアフリカ大陸へ向かう便のレイオーバーの空港としてハブの役目を果たしました。夜中の2時に極東からの便で到着した旅行者が数時間の間、旅の疲れを癒すためにチョッとホテルにチェックインするというような需要も出てきたのです。ドバイの出入国手続きが比較的スムーズなのはこのような歴史的な理由によるところが大きいです。

 

こうして気がついたときにはドバイはサービス立国を目指す国になっていたのです。

 

石油が無くて貧乏になるのが目に見えていたはずのドバイに対してアブダビが敵愾心を燃やしたのは当然です。でもドバイは商売上手だし、垢ぬけているし、国際的になりました。その一方でアブダビは田舎っぺで垢ぬけがせず、愚鈍だと揶揄されたのです。

 

今回、アブダビがドバイを助けなかったのは、だから当然です。

 

でも債務のリスケジュールによって時間さえ稼げれば、アラブ諸国のお金持ちはドバイに投資を再開すると思います。また町の活気も戻って来るでしょう。それはドバイという町がちょうどニューヨークのブロードウェイのステージのように多くの人々にとって活躍の檜舞台だからです。

 

ドバイはもともとベドウィン(遊牧民)などが住んでいた土地ですから、サービス業を営むあらゆるノウハウが最初はありませんでした。そこで航空会社のパイロットや客室乗務員、レストランのコックや通関の事務員、ホテルの従業員などあらゆる面で外国人の労働力に依存せねばなりませんでした。

 

「ひとつ自分で航空会社を興してやろう」と考える野心家の欧米人が航空会社を旗揚げするのもドバイなら、ホテルの支配人になりたいという立身出世の夢を抱いてインド人が渡って来るのもドバイなのです。高学歴の若い女性の働き口が少ないエジプトからは独身の女性が客室乗務員として働きに来ます。このようにインド亜大陸、北アフリカ、欧州などの野心的な若者がキャリア・アップを狙って集まって来る町がドバイなのです。

 

その一方でイランやサウジアラビアの国民もドバイにチョッと息抜きにやってきます。その理由はドバイには自由な空気があり宗教や政治や人種に寛容だからです。スンニ派の人も、シーア派のひとも、ドバイに来たら争いごとは控えます。テロリストもドバイをターゲットにはしません。なぜならドバイはスイスのように中立を守り、誰でもが憩える場所だからです。

 

レバノンやイラクから来たビジネスマンはドバイに高層ビルを建て、投資しました。本当は彼らは自分の出身地であるベイルートやバクダッドの再開発をしたいのです。でも戦争などの理由で自分の国では夢が実現できないのです。「祖国に平和が訪れるまで、とりあえずドバイに投資しよう。そして祖国が平和になったときはドバイで蓄えた富で故郷を再興するのだ」中東の実業家は誰もがこのような考え方をするのです。

 

去年の金融危機以降、原油価格が下落したのでバブルは弾けてしまいました。でも原油価格は70ドル台まで戻してきています。この程度の原油価格が維持できれば、中東産油国が富の再構築をするのは不可能ではありません。実際、さんざん馬鹿にされたドバイの対岸のカタールで建設されたロイヤルダッチ・シェルのGTL施設は大方の懸念や嘲笑に反して、いま巨大なキャッシュフローを生み始めているのです。

 

中東の富はまだまだこれからも積み上がるし、アラビア湾沿岸地方が潤えば中東の人々は必ずドバイに投資します。それはどんなに浮き沈みがあってもパリやロンドンやマンハッタンの不動産には一定の需要があるのと同じ理由です

 

なぜ4兆人民元の景気刺激策のような人工的な需要創造に依存し続けることはできないか?

ベトナムが11月25日にドンを5.2%切り下げて1ドル=17961ドンとしました。同時に1%の利上げをして金利を8%としました。なぜベトナムはドンの切り下げに踏み切ったのでしょうか?

 

それは人民元が原因です。

 

中国の人民元は米ドルにリンクされています。このところドル安が続いているわけですから、これはとりもなおさず人民元安になっていたことを意味します。このため韓国やベトナムなど、中国と輸出で競争している国々はとても苦しい戦いを強いられてきました。

 

実際、ベトナムが今回ドンを切り下げたのは10月の貿易収支が赤字の19億ドルと去年の5月のレベルに達し、投資家が不安になり、お金を自国にリパトリエーションしようとしたことから引き起こされたのです。外貨準備は165億ドルしか残っていません。

 

自国の通貨を切り下げると輸入品の価格が上昇するので普通インフレになります。折からベトナムでは食品を中心にインフレ懸念が出ていました。11月の消費者物価指数は4.35%増加しました。そこで今回、ドンの切り下げとともに1%の利上げが発表されたのです。

 

もう一つ悪いことにベトナムは去年の金融危機以降、中国を真似て積極的な景気刺激策をしてきました。

 

ベトナム政府は高金利で借り入れをしてしまった企業を助けるために金利補助金制度により低利の貸し出しを実施しました。これは去年、物価が沈静化したとき企業の金利負担だけが高止まりしていたので資金繰り困難に陥るところが出たからです。

 

この低利借換えを促進する融資は政府系金融機関経由で貸し出されました。加えてベトナム政府はGDP83%に上る景気刺激予算を組みました。これは中国、マレーシアに次いで大きい予算です。

 

さて、ベトナムの積極的な融資は不動産市場にお金が向かってしまい、不動産バブルを誘発しました。今回、利上げに踏み切るひとつの理由はバブル潰しです。ベトナムの場合GDPの8.3%でバブルが起きてしまったのですが、中国の場合、GDPの12%の景気刺激予算を組んであります。すると心配になるのは、中国の不動産バブルもコントロールがきかなくなるのではないか?ということです。

 

中国の銀行監督当局はこのことをとても心配しています。銀行監督当局は5大銀行に長期資本計画の提出を求めました。また増資計画案の提出を要求しました。なぜなら今、増資しておかないと後で焦付きが増えた時、困るからです。この一連の指示の中で銀行監督当局は過小資本の銀行については①新規ビジネスの許可をしない、②海外進出を許さない、③新規支店出店の制限、④その他業務拡張を制限するなどの方針を打ち出しました。

 

これは何を意味するかというと、中国の銀行融資は先ず相次ぐ大型増資で体力をつけてからしか融資は増やせないことを意味します。若し大型増資をしない場合は融資自体をぐっと絞り込む必要があります。これはどっちにしても株式市場にとってはマイナスです。

 

さて、金融危機以降、アメリカや中国は財政出動や緩和的な金融政策によって不況に立ち向かってきました。

 

これに対してブラジルの危機対策は極めて対照的でした。

 

つまり財政出動は金額的にもごく僅かでしたし、危機対応の財政出動は現在までにほぼ終了しています。また超緩和的な金利政策も採用しませんでした。

 

つまり政府が人工的にブラジル経済を引っ張り上げなくても、ブラジル経済は自力で復活したのです。

 

金融危機に際してもブラジルがびくともしなかった理由は幾つか挙げることができます。

ひとつは去年、米国で金融危機が発生したとき、既にブラジルのファンダメンタルズは絶好調だったことが先ず指摘できます。

 

政府の公的債務がGDPに占める比率は2003年の54%から38%程度にまで下がっていました。また去年の8月の時点で外貨準備が2050億ドルあったので、純債務はほぼゼロだったのです。

 

問題としては「レアルが強すぎる」ということがありました。

 

去年の夏の時点で国内信用の約19%が海外の金融機関から提供されていました。もっと簡単な言い方をすればアメリカをはじめとする外銀が融資をしていたわけです。

 

ところが金融危機が来るとアメリカや欧州の銀行はお金を引き揚げようとしました。

するとそれまでクラウディング・アウト(はじき出されること)されてきたブラジル国内の銀行は外銀が出て行った後でその空白を埋めました。

 

ブラジルの大企業は外銀からの借り入れを返済し、国内金融機関から借り換えしました。ブラジルの大企業が外銀へ借金を返済する支払いでレアルは急落し、これが「レアルが強すぎる」問題を自然に解消しました。

 

ブラジル中銀は危機の前からリザーブ(中央銀行への積立金)を引き上げるなど、予防的な措置を講じていたので、危機がおきたとき、国内金融機関は余裕でブラジル企業にお金を貸すことができたのです。

 

ブラジルの銀行の自己資本比率はバーゼルⅡに基づくと17%あり、BIS基準の8%を大幅に上回っています。つまり自己資本のクッションが十分にあるわけです。

 

現在のブラジル経済の好調は中国のように4兆人民元の景気刺激策だけに依存するいびつなものではありません。

 

先ずブラジル経済は2003年以来、去年までに870万人分の新規雇用を創造してきました。確かに去年、金融危機が発生した後は80万人分の雇用が失われたのですが、2月以降は再び新規雇用が増え、100万人分の新しい雇用が創出されました。つまり既に金融危機で失った雇用の全てを回復したのです。

 

また実質ペイロールも着実に上がっています。2006年には97だった実質ペイロールは現在は117になっています。つまり賃金労働者のベースは拡大しているのです。

 

このことはスーパーマーケットの売上高(インフレ調整後)指数を見てもきちんと反映されています。2006年には100だったスーパーの売上は現在、119になっています。

 

ブラジル中銀が分類するところの中流(ミドルクラス)が国民全体に占める比率は2002年の42.4%が2009年6月には53.2%にまで拡大しました。また貧困層は同時期に29.2%から18.3%へと減少しています。

 

こうした安定した雇用環境を反映し、消費者信頼感指数も現在115と過去最高の水準にあります。

 

これらのことは何を意味するか?と言えば、不自然な内需振興策などにより人工的な需要をでっちあげなくても自然体のままで消費は絶好調だということです。

 

また作為的な低金利も無いためにバブルがおこるリスクも低いです。

ノマド型投資でフロンティア・マーケットに挑戦 ⑥

iStock_000008207582Medium【通貨は健全か】

新興国に投資する場合、普通にマーケット環境が良い時には割合ラクに儲けることができます。ところが環境が変わると株安と新興国通貨の急落でダブルパンチを受け、短期間に大きな損が出ます。従って、通貨の健全性を日頃からチェックしておくことが極めて重要になるのです。

 

現在のように新興国の成長見通しの方が先進国のそれよりも良い場合は、より高い成長やより有利な金利を求めて先進国の資金が新興国へなだれ込みます。それは新興国の通貨を押し上げることになります。

 

新興国の通貨が強くなると株式投資の投資成果は①株価そのものの上昇で儲かることに加え、②通貨高でも儲かるわけですから、これほど結構なことはありません。しかしそこに落とし穴が控えているのです。新興国の通貨が高くなるとそれは輸出競争力の減退を招きます。輸出の不振は景気の悪化を招き、それは新興国からの投資資金の離散の原因になるのです。

 

従って、或る新興国の通貨が健全であるかどうかをチェックする出発点は先ず輸出に注目することです。現在の輸出額が直近のピークより5%以上、金額ベースで落ち込んだ時は要注意です。

 

次に経常収支に注目して下さい。経常収支は貿易収支に国際間の資本の移動を加味した数字と理解することが出来ますが、この経常収支が赤字になり、しかも通常の赤字幅よりもだんだん赤字が拡大しているときはとりわけ注意が必要です。

 

そして通貨不安の出る国は大体、外貨準備が減り始めます。これが出たら赤信号です。なぜなら外貨準備が減っているということはその国の中央銀行が外貨準備を使って自国通貨を買い支えていることに他ならないからです。

 ロシアの外貨準備

残念ながら、どんなに経済の基礎要件が健全な国でも通貨の売り崩しのターゲットにされるときがあります。それは去年の金融危機のような状況で、投資家のリスク許容度が大幅に下がってしまった場合、内容が良かろうが、悪かろうが、兎に角、すべての投資を一旦引き払うというケースです。外貨準備が急減した例として上にロシアのチャートを示します。去年の9月頃を境に外貨準備が急減していることがわかると思います。このような現象を目撃した場合、早く処分の行動に出た方が勝ちです。

 直前ペソ危機

さて、通貨危機が起こるとその国の経済はどうなるのでしょうか?それを実際の過去の事例で見ることにします。メキシコは1980年代の終わりにカルロス・サリナス大統領が登場し、経済改革に乗り出しました。これがNAFTA、つまり北米自由貿易協定へとつながり、ラテン・アメリカの投資ブームが起こったのです。1990年代前半には数々のメキシコの株がアメリカに上場され、国際機関投資家の資金が流れ込みました。しかしそのような投資ブームは地方の貧しいメキシコ人には恩恵をもたらすことなく、格差は拡大しました。沢山の資金が限られた投資機会を追いかけた関係で投資リターンは漸減しました。そのような投資家が不安になりかかっているときにメキシコ南部のチアパス州で蜂起が起こり、政情不安が襲ったのです。メキシコ中央銀行はペソを支えようとしました。このような場合の常套手段は先ず金利を引き上げることです。それが上のグラフです。

 直後ペソ危機

上のグラフは同国の外貨準備の推移を示したものです。94年を通じて外貨準備が減っていることがわかります。最後の12月にはとうとう準備が底を付いて、これ以上、ペソを買い支えるお金が無くなってしまいました。

 切り下げ直前直後

このようにメキシコは防戦むなしく1994年12月20日にペソを支えきれなくなり、通貨の切り下げを容認します。私は当時のことをよく覚えているのですが、切り下げが発表された直後メキシコの株式市場は急騰(上の日足チャート)しました。

 ボルサ

その後、もう一度売り物に押され、翌年の3月に安値をつけるのですが、そこからは逆にかなりの強気相場(上)が始まったのです。これはどうしてでしょうか?

先ず通貨が安くなってしまえば輸出は息を吹き返します。またもうペソを支えないわけですから金利を吊り上げたり貨幣供給を絞り込んだりする必要は無いのです。それらのことは全て国内の景気にとってはプラス要因です。

 GDPメキシコ

実際、メキシコのGDP(上)を見ると通貨切り下げ後、鋭角的に景気が戻しているのがわかります。

 

ノマド型投資でフロンティア・マーケットに挑戦 ⑤

iStock_000008207582Medium【金利環境の把握】 

ある投資対象への投資の是非を考える上でおそらく機関投資家と個人投資家の間で最も差が出るのが、金利環境の吟味です。

個人投資家は新興国などのGDP成長率へは高い関心を持ちますが、金利の動向には注意を払いません。

しかし株式投資を成功させる上で金利環境の把握は極めて重要です。これはどうしてかというと株式は通常、預金や債券などの確定利付き商品と競争関係にある
からです。

投資理論の世界ではそれらの確定利付き商品を「無リスク証券」と定義する場合があります。本来、預金や債券でも銀行が倒産したり債券の発行体が倒産することがあるため、「無リスク」ではないのですが、そういう特別な場合を除けばこれらの投資先は元本が保証されている上に利息がつきます。

いまそういう「堅い」投資機会がリーズナブルな投資リターンを提供しているのなら、リスクを冒してまで株式を買うのは気が引けます。金利は低ければ低いほど「株式との競争は、激しくない」と言う風に理解されます。つまり有利な投資先の選定にあたって、金利が低い、ないしは金利の低下が見込める市場というのは重要な要因なのです。

BRICs諸国のインフレ率

 

歴史的には新興国の金利は先進国のそれよりもずっと高かったです。たとえばルーブル危機のあった1998年のピークでは新興国債券指数と先進国債券指数の利回りスプレッドは15%もありました。現在は3%を切っています。この利回り格差は長期に渡ってなだからな右肩下がりを描きながら縮小しています。

いま、信用力の高い借り手ほど、安い金利で借金することが出来ると仮定するならば、ここに述べたような新興国の、先進国と比べた金利プレミアムの縮小は新興国の信用度が上がっているという風に解釈することも出来るのです。

なお、去年の世界的な金融不安の局面では新興国と先進国の利回りスプレッドは拡大します。その理由はより安全な資産を求めて投資家が退避行動を取るからです。そのような避難のための資金引き揚げをリパトリエーション
と呼びます。去年の十一月はこの影響で利回り格差が一時的に急拡大しました。

このような突発的な環境を別とすれば、新興国の金利は主にその国のインフレの状況に左右されます。一般にインフレは経済の関数であると理解されています。つまり景気が強すぎるとインフレを誘発するし、不景気だとインフレは起こりにくいというわけです。

この他にインフレになるシナリオとしては、その国の中央銀行がマネーの供給をじゃんじゃん増やした場合、インフレになる恐れがあります。また新興国でよくみられる例としては自国の通貨が弱含んだ場合
、輸入品の価格が高騰してインフレを引き起こすケースがあります。

いずれの場合もインフレは株式や債券などのペーパー・マネーの価値をぶち壊す危険がありますから、注意が必要です。上
グラフはIMFによる新興国のインフレ率を示したものですが、2007年から2008年前半にかけては好景気からインフレのプレッシャーが存在したことがわかります。このグラフには出ていませんが高水準のインフレに悩んだベトナムが金利をぐんぐん引き上げ、株式市場の急落を招いたのは記憶に新しいところです。

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