Market Hack

ヘッジファンドに関するウンチク グローバル・マクロその1.

近く公開される映画『ウォール・ストリート2 マネー・ネバー・スリープス』で再びヘッジファンドという存在が一般の人々から注目を浴びると予想されます。

そこで材料が少ない日を選んで、ヘッジファンドに関する豆知識を紹介してゆきたいと思います。

先日、インヴァスト証券のウェブセミナーでグローバル・マクロ・ヘッジファンドの生態についてお話させて頂きました。

ギリシャ問題のような危機が起こると俄然、このグローバル・マクロというトレード・ストラテジーへの注目度がUPします。それで(タイムリーな話題かな?)と思ったわけです。

「グローバル・マクロ」とはヘッジファンドを分類するときのカテゴリーのひとつです。

つまりヘッジファンドのいち投資ストラテジーだと申し上げても良いでしょう。

その特徴はマクロ経済のうごきの中に不均衡を探す点にあります。

マクロ経済というのは国の財政収支や貿易収支やGDPなど経済の巨視的な捉え方のことを指します。(マクロ経済に対する概念はミクロ経済です。)

マクロ経済になにか不均衡があるとその不均衡が原因でストレスがたまります。

そのストレスはある時点に堪え切れなくなって大きな訂正の局面を迎えます。

このような激しい価格訂正の機会を捉えてFXや商品や株をトレードするのがグローバル・マクロ・ヘッジファンドの投資戦略というわけです。

彼らのもうひとつの特徴はそういうトレードをする際、レバレッジを使うという点です。

また株なら株の専門家、FXならFXだけ、と言う風に自分の使う投資対象を限定せず、儲かると思えば何にでも手を出すのがグローバル・マクロの特徴です。

グローバル・マクロ・ストラテジーでいちばん有名なヘッジファンド・マネージャーはたぶんジョージ・ソロスだと思います。
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ドットコム・バブルに踊った98年当時のノリです

最近ウェブセミナーなどで「で、結局のところ広瀬サンはどのへんの銘柄をいじっているのですか?」という質問を受けることが多いです。

僕はNomadic(遊牧民族的)にどんどん場所を変えるのが好きなので、(なんとなく最近、このアイデアでは儲からなくなってきたよね)と感じるとすぐ河岸をかえてしまいます。

BRICsも(今日言及する1銘柄を除いて)ここ半年「全売り」し、一切弄っていません。

去年の12月にブラジルや中国にネガティブに転じた当時、結構、世間の風当たりが強く、批判的な事を書かれました。それらを読むにつけ(自分の判断は正しかったな)とすぐに手ごたえを感じました。

ムキになって怒る人が多い(=これをウォール街ではpush backといいます)ということは、そういうシナリオになると困る人が沢山居ることを示唆しています。

大体、相場というのは皆が行って欲しくない方向へ行くものです。

さて、今、僕は割合と地元の会社などに投資しています。つまりシリコンバレーの会社などが多いです。

その意味ではドットコム・バブルに踊った、1998年頃のノリです。

最初の銘柄は僕の知り合いが投資したというニュースを受けて、取るものもとりあえず、ソッコーで駆けつけ、提灯を付けに行った銘柄です。(これだけは中国株です)

スプレッドトラム(SPRD)という会社です。

SPRD


それからクラウドがブームになっているけど、データセンターに備え付けられる各種デバイス(例:F5ネットワークスのロード・バランサー)に組み込まれる半導体を作っているカヴィウム・ネットワークス(CAVM)にも注目しています。
CAVM
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FTの論調 - Porco

ゲストブロガー:Porco

rennyPorco Rosso Financial Weblog」というサイトを運営。
内外大手証券、株式部門ヘッドを歴任。ヘッジファンド運営、NY駐在が長かった。現在は東京拠点にアドバイザーやコンサルタント。

■おすすめエントリー
元記事 公開日時:2010年5月27日 23:13

今日は為替が反発、株式市場もひと息ついたかのように見えます。

日経平均週足とMACD


ここのところのFinanacial Timesの一連の記事は以前からPIMCOやロゴフの言ってきたようなシナリオを追いかけています。

その内容を簡単に言ってしまうと、ギリシャはしばらくすれば債務のリスケに至る、そしていつかは破たん処理を迫られる。続きを読む

中国から欧州連合へ告ぐ 「ユーロ安はお断りです」

一昨日フィナンシャル・タイムズに「中国がユーロ建てで外貨保有することを減らす方向で検討に入った」という憶測の記事が載りました。

これに対し中国人民銀行やCIC(中国のソブリン・ウエルス・ファンド)などが一斉に「そんなことは検討してない。いい加減なことを書くのはやめろ!」と正式に反論しました。これは極めて異例です。

  ■   ■   ■

フィナンシャル・タイムズの記者の感覚からすると(中国が外貨準備をユーロで保有していると、ユーロ安でそれが目減りするので困るだろう)と考えたのかも知れません。

でもこれは物事をひとつの方向からしか捉えられない、FTとは思えない稚拙な考え方です。

ハッキリ言って、中国は今、「ユーロ買い介入」したいほど困っています。

また、ユーロが高くなるよう心から願っています。

だからわざとユーロを崩すような真似をするわけがありません。

過去4カ月の間にユーロは対ドルで15%程度下落しました。人民元はドルにペグされていますからこれは実質的な人民元の切り上げがユーロ圏で起きてしまったのと同じ効果を持つのです。

そのため中国の輸出業者はたいへん苦しい立場に追い込まれています。

中国にとって世界で最も大きなお客さんはアメリカではありません。欧州なのです。(中国の輸出の約2割)

だからユーロ安はとても困るのです。

  ■   ■   ■

市場参加者は昨日の中国のヒステリックな反論を見て(ちょっと待てよ?)と考えを改め始めています。

弱気一色に染まっていた欧州株に空売りの買い戻しが入ったのはそのためです。

下のチャートはフランスのCAC40指数ですが、このところの下降トレンドを脱することができれば、チョッと味付けでロング出来そうなチャートになりつつあります。
CAC40
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ユーロ危機 これまでの通貨危機との相違点 その3.

【今回の相違点】
さて、ギリシャの場合、既に共通通貨ユーロを使用していましたから自国の通貨を防衛する必要はもとよりありませんでした。

国際資本市場におけるギリシャを巡る攻防は従ってトレードできるものに限られていました。具体的にはギリシャ国債やそのデフォルト保険ということになります。

ギリシャ問題が深刻化する過程で、確かにギリシャは国債の発行がままならなくなり、高い金利を支払う羽目に陥りました。

しかしその金利にしても、自国通貨を防衛するときに必要となるような、べらぼうな金利高というほどのことではありません。

つまりギリシャの不景気は主に欧州全体の景気が悪いということに加えて財政支出を絞り込むなどの、公的部門の縮小によるところが大きいわけです。

【マイルドな調整】
アテネでのデモの様子などを見るとずいぶん荒れているので、その感覚からすると容易に受け入れにくい概念かも知れませんが、或る意味、今回のギリシャ危機に対するギリシャ政府の処方はこのように比較的マイルドなものでした

だから確かに欧州救済基金から支援を仰ぎ、独自で借りるよりかなり低利で資金の融通を受けることになっても、それでギリシャ経済が鋭角的に切り返すということは望めないと思われます。

そのもうひとつの理由は為替レートです。

そもそもギリシャは共通通貨ユーロを使い続けるわけですから、デフォルトの際に起こる、ドラマチックな為替水準の訂正というものは存在しません。だから輸出競争力の問題は依然として何ら解決していないのです。

本当の意味でギリシャが輸出競争力を取り戻そうと思えば、それは国内の賃金のかなり大幅な賃下げがなければ駄目でしょう。この過程をinternal devaluationといいます。しかしそのようなシナリオは現実には起こりにくいと思います。続きを読む
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