Market Hack

相場が荒れた時の対処法

このところ荒っぽい展開になっています。
「MarketHack」の読者は所謂、ロング・オンリー(買いから入る、伝統的な投資家)だけでなく、いろいろな方法で下げ相場でも儲けられる、ないしは損失を或る程度喰いとめられる投資対象を日頃から視野に入れている方が多いと察します。

下げ局面でヘッジの役割を果たしてくれる投資対象の例としては:

1. 株価指数CFDを売り建てる
2. VIX(恐怖)指数CFDを買い建てる

などのやり方があります。

なお、既にマーケットが壊れてしまった後である今日の時点では、上に書いたようなヘッジ・ツールをいまさら慌てて繰り出す意味はありません。

CFDで取引するなら、次のようなことを心がけて下さい。

1. このところボラティリティ(相場の荒れのこと)が低いマーケットがずっと続いてきたので、デイトレではなく、スイング・トレードなどのようにトレード期間が長めになっている人が多いと思います。そういう人はデイトレに切り換えて下さい。
2. オーバーナイトのポジションはギャップ・オープンのリスクがあるので極力避けて下さい。
3. 現在はボラは十分にあるので、デイトレで値幅は取れます。
4. 損切りの逆指値は常に用いる事。

【方向感】
ここからは僕の個人的な相場観になりますが、世界全体として相場は下というよりむしろ上をみています。ただ高いところからテニスボールを落としたときにテニスボールが自然に跳ね返るように、相場は高いところから急落した関係で何度も上下を繰り返すと考えられます。しかも振幅の幅は漸減すると考えるのが自然でしょう。だからひとつの強気、弱気に凝り固まらない方が良い気がします。
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マル! ナスダックとNYSEの約定取り消し措置は正しい

ナスダックとNYSEが昨夜大荒れになった株式取引のうち午後2時40分から3時までの間に約定した一部のトレードをキャンセルすると発表しました。

「マル!」というのは証券界の言葉でキャンセルという意味です。

この決断は正しいし、そうあるべきです。

なぜか?

それは昨夜のニューヨーク市場の大荒れの原因が何であれ(誤発注という情報が多いですけど、僕が見ていた限りではそういう気配はなかったです)実態に即さない異常な株価が付いてしまったら、それは取り消すというのがアメリカの考え方だからです。

約定を取り消すか、取り消さないか?という議論を聞くと、日本で何年か前に起こった誤発注事件が思い出されます。
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なぜNY市場はザラバ-9%という暴落を演じたか?

昨夜のニューヨーク市場は強烈なボラティリティに翻弄されました。

普通、「MarketHack」では場況解説的な記事は書きませんが、昨日は特別な日だったので、僕の印象を書きます。

【あきらめ】
これまでアメリカの機関投資家はギリシャ問題に対する欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)の危機対応に対して「まあ何か打ち出してくるだろう」という甘い期待を持っていました。

しかし今日は(こいつら本当にノー・アイデアなんだな)という認識がずしんと感じられました。

有効な解決策が無いということは救済をするだけでなく、現在、ギリシャ債を持っている投資家は或る程度のヘアカット(=つまり国債の額面の金額を100%取り戻す事はできないこと)を受け入れる必要が出たということを意味します。

これを受けてニューヨークで取引されている欧州の銀行株ADRはかなりこっぴどく売り叩かれていました。加えてLIBORが上昇しているということは若しヘアカットが必要になったとき、欧州の銀行同士が疑心暗鬼になり、お互いに短期の資金を融通したくないと考え始めていることを示唆しています。

いま欧州の主要株価指数と米国のそれを比べた場合、欧州の株価指数はひと足先に崩れていました。例えば英国FTSE100指数はかなり前から崩れています。
FTSE
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ボルカー・ルールに対するJPモルガンのジェス・ステーリーの考え方


ブルームバーグ主催のヘッジファンド・カンファレンスでJPモルガンのジェス・ステーリーがインタビューに応えています。

ジェスはJPモルガンの現在のCEO、ジェイミー・ダイモンが実質的に次期CEOとして名指しにしている人物です。

このビデオは25分と長いですがこれを見ればジェス・ステーリーが極めて思慮に富んだ思考のできる人間であることは明らかです。

以下抄訳しておきました:

【ジェス・ステーリー】

金融界が内省的になり、過去のおこないの是非について考え直してみるということは健全な行為だ。公の場で銀行業が社会に対して果たすべき役割をみんなでディスカッションするというのは良い事だと思う。

およそ金融機関の関係者なら誰もが気付いていると思うが、金融機関にとって最もたいせつなものは評判だ。

私が夜、寝つきが悪くなるのはバランスシートの問題ではなく、評判をどう維持するか?という問題である。

ワシントンでおこなわれている金融規制法案に関する討議は避けて通れないものであり、いろいろな建設的な意見も出ている。新しい法体系が2008年の金融危機みたいなことを繰り返さないためのフレームワークになれば良いと思っている。

金融というのは商取引にとって酸素のようなものであり、世界の商業はお互いに密接につながっているのだから金融業もそれに資することができるような体制になってないといけない。

今日のカンファレンスでの欧州の首脳のコメントで私が我が意を得たりと思ったのは「欧州が現在の難局を乗り切ろうと思うと、経済成長をする以外にない」という発言だ。

経済成長を実現するには商取引の活発化が不可欠だし、円滑な商取引を保証しようと思えば金融業がしっかりしていないと駄目だ。
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ギリシャ問題と日本国債 JGBは「石器時代の家」か?

ギリシャ危機をまのあたりにして「そら見たことか。外国人に借金を作るから、こういう悲惨なことになる。その点、日本は外国人投資家に依存していないから、大丈夫」という意見を言う人が多いです。

それは確かにそういう面もあります。

でも逆の見方も出来るのです。

ギリシャ国債は沢山の海外の金融機関に持たれていただけに「簡単にデフォルトさせるわけにはいかない」という事で欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)も一生懸命対策を考えています。

どんなに過酷な条件を付けられようが、救済してくれるだけマシということです。

日本国債の場合、その大半は日本国内で消化されています。これは「外国人に頼っていない」という見方も出来ますが、有り体に言えば「外国人はアホくさくて、誰も日本国債なんか買わない」ということなのです。

つまり国内勢の「一手買い」だということ。

およそ投資の世界では株だろうが不動産だろうが絵画だろうが、一握りの買い手だけにしかアピールしない投資対象ほど脆いものはありません。それがどんなに人気になっていても、「手替わり」、つまり投資主体が変わらざるを得ないことが起こるといっぺんに化けの皮が剥げるからです。

例えば僕が駆け出しの証券マンだった頃、日本株はバブルの絶頂でした。僕は当時、キャピタル・ガーディアンとか、アライアンスとか錚々たるアメリカの機関投資家を担当させられていました。

ところが全然、手数料が上がらず、常に国際営業部の中でビリの成績でした。

なぜか?

それはもちろん、僕の営業が下手だったということも関係していますが、そもそも当時アメリカの機関投資家は「日本株のPERが80倍なんてクレージーだ!」と主張して、一切、日本株には手を出さなかったからです。

そういう意味では日本株バブルは「日本人の、日本人投資家による、日本人投資家のための」バブルだったのです。

それ自体は別に批判すべきことではないかも知れないけど、ひとたび買いの本尊が何かの理由で買い支えられなくなったら、すぐに他の国の投資家がステップインして、買い支えて呉れないということを肝に命ずるべきです。

シリコンバレーに「フリントストーンの家」というあだ名がついた住宅があります。これはアメリカのマンガ、「原始家族フリントストーン」に出てくる石器時代の家みたいな外観なのでそういうあだ名がついたのです。
Fredflintstone

(出典:ウィキペディア)続きを読む
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