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イベントのチケット販売サイト、イベントブライトが近くIPO



イベントブライト(ティッカーシンボル:EB)はイベントのチケットを販売するサイトです。講演会、コンサート、パーティーなどを企画する主催者が、イベントの企画からプロモーション、チケットのネット上での販売までをすべて流れ作業で管理できるプラットフォームを提供しています。

クリエイターはイベントブライトのウェブサイトでセルフサービスで口座を開設しイベントを作成します。つまり顧客獲得コストが低いわけです。

去年のリテンション率は97%でした。またリピート客は年々、より沢山のチケットを販売することに成功しています。

イベントブライトはクリエイター(主催者)に対して「チケット1枚に当り幾ら」という風にサービス・フィーを課金します。従ってイベントが盛況であればあるほど同社の売上高も増える仕組みになっています。これはクリエイターの利害とイベントブライトの利害が一致していると言えます。

2017年1年間を通じて同社は300万回のイベントで70万人のクリエイターのために2.03億枚のチケットを販売しました。チケットは世界170か国で購入されました。

2017年の売上高は2.02億ドルでした。ちなみに2016年は1.34億ドルでした。つまり2016年から2017年にかけて売上高成長率は+51.0%でした。

2018年上半期の売上高は1.42億ドルでした。ちなみに2017年の上半期は8820万ドルでした。つまり前年比+61.2%の売上高成長率でした。

2017年の修正EBITDAは420万ドルでした。2018年上半期は1000万ドルでした。2017年の営業キャッシュフローは2980万ドル、2018年上半期は4880万ドルでした。

同社に出資しているベンチャー・キャピタルはタイガー・グローバル(21.4%)、セコイア・キャピタル(20.5%)、Tロウ・プライス(6.8%)です。

幹事団はゴールドマン・サックス、JPモルガン、アレン&カンパニー、RBCキャピタル・マーケッツなどです。

今回売出し株数は1000万株、初値設定は19から21ドルです。



アマゾン中国の社員がカスタマーレビューを書き込みしたレビューアーのメアドを売っていたらしい

今日、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が急落しています。

ウォールストリート・ジャーナルによるとアマゾン中国の一部社員が同社の内規に違反して顧客のデータや個人情報をアマゾン・マーケットプレースに出店している独立系マーチャンツに情報ブローカーを経由してこっそり販売、私利を得ていた疑いが出ています。

最近、アマゾン中国では独立系マーチャンツの出店者が急増しており、またアマゾン中国の従業員はとても薄給なので、こっそり社内データを横流しすることで一件につき80ドルから2000ドルの報酬を得ていたそうです。

とくに憂慮すべきことはカスタマーレビューを書き込みしたレビューアーのメアドを出店者に売っていたらしい点です。

まだ調査は継続中、続報を待ちたいと思います。



なぜ預金のある人がわざわざお金を借りるの?

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彼がお金を借りようとしている事情について僕は何も知りません。

だからこれから書くことは一般論です。

「お金を借りることが出来る」というのは、ひとつの特権(privilege)です。

特権は権利(rights)とは違います

権利は「国民の権利」というように皆が平等に享受できるものです。

これに対し特権は「特権階級」という言葉からもわかるように不平等さを伴うものです。

平たい言い方をすれば、「住宅ローンがおりないので家が買えない」というのは特権を与えられることを拒否された例です。

日本では「お金を借りる」ということを毛嫌いする風潮がありますが、お金を借りることの本質は「先食い」に他なりません。

「今日、あの家を買ってそこへ住みたい。でもいまはポン!と全額払ってそれを現金で買うことはできない。だからローンを組む」これが住宅ローンです。

銀行から借入れ出来る人は湾岸のタワマンを購入するなどしてその「果実」を直ぐに享受することが出来るのです。

大学の授業料を今払うことはできないけど、卒業して就職してからコツコツ返せばいいのでスチューデント・ローンを組む……これも「タイミングを繰り上げる」別の例です。

これらの例からわかるように普通、ローンを組む動機は「先に利便性を享受し、後で払う」ことにあります。

次に貯金がある人がわざわざお金を借りるケースですが、これはおカネを借りて事業などを始める場合、その事業から得られるリターンがお金を借りるコストより大きい場合、「借りた方がトク」になります。

金利コスト3%でお金を借り、それでアパートを建てて大家さんとして7%の投資リターンが得られるのであれば、借金して大家さんになることは「正解」です。

ところで銀行はなにも慈悲の心から皆さんにお金を貸すのではありません。ビジネスとして、儲けるためにお金を貸します。だから皆さんに貸したお金は、銀行の帳簿上では資産(Asset)の項目に計上されます。資産とは「利益を生むもの」です。

貸付けが利益を生む目的で行われている以上、貸したお金が、ちゃんと利子も含めて戻ってくることが必要になります。だから銀行は借り手の信用を精査します。大きく分けて二つのアプローチがあると思います。ひとつは1) 本人に担保になるものがあるかどうか? そしてもうひとつは2) 事業から生まれるキャッシュフローが借金の返済に十分かどうか? です。

たとえばサラリーマンで未だ担保になる資産を持ってない人の場合、勤め先がしっかりしているか? なども考慮されると思います。

ここまでの話をまとめると借金できるということは権利ではなく特権であり、それは一部の人しか享受できないということ。そして借金はおもに「タイミングをズラす」つまり「今、綺麗なタワマンに住みたい」「今、大学に進学したい」など人生の選択肢を広げ、生活をよりフレキシブルに、そして豊かにするための方便だと思えば良いです。

だから融資を拒否されるということは、その人の人生の柔軟性が否定されることに他なりません。これは日本のような国では余り痛切に感じることは無いですが、たとえばインドのような発展途上国では深刻な問題です。銀行サービスを享受できないひとたちのことをunbanked、ないしはunderbankedと言います。

するとちょっとした商売をはじめるにあたっても「先立つものがないので、はじめられない」という壁にぶちあたります。

僕が若い頃(1980年代半ば)、バングラデシュのチッタゴンという町に赴任しました。肥料プラントを建設するためです。当時のバングラデシュは今よりももっとずっと貧困が蔓延していました。ちょうどその頃です。地元の新聞で「こんどグラミンバンクというマイクロ・レンディング事業が始まる」というのを読んだのは。

グラミンバンクは農村の女性たちがミシンや反物を購入する資金を用立てました。その融資で彼女たちは小さな事業を始めることが出来たのです。そして儲かった利益を事業に再投入することでだんだん縫製のビジネスを拡大してゆきました。

それまで農村の女性たちは労働意欲があっても良い働き口は無かったし、家庭内暴力の犠牲者とかも多かったです。だから「融資してもらえる」、「ローンが組める」ということはその本人の尊厳ある人生とか秘めたパワーの発揮にとって、とても重要なことなのです。

銀行のような貸付機関には、そういう小さな起業家たちをempowerする権力を持っていると言っても過言ではありません。

いま世界のバンカーの中で最も尊敬されている人物はJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOですが、彼が尊敬されている最大の理由は、融資という行為が持つempowermentの魔法を誰よりもよく理解し、その絶大な権力を正しく使ってゆくことにコミットしているからに他なりません。





日本の大学が世界ランキングで低位に甘んじている本当の理由

昨日「アメリカで就職に困らないブランド公立大学極秘リスト」という記事を書きました。そしたら読者の方々から「UW、UTオースチン、コロラド大学ボルダーが抜けている!」という指摘を受けました。

UWとはシアトルにあるユニバーシティー・オブ・ワシントン、UTオースチンはテキサス大学オースチン校の略です。

ご指摘の通り、これらの大学はとても良い大学であり、地域経済の好調と相まって、いま飛ぶ鳥を落とす勢いです。

だからリストに載せなかった理由は、ただ単に一般論としてこれらの大学は「ティア・スリー」、すなわち「パブリック・アイビー」と呼ばれる、アイビーリーグ級の公立大学でも「第一集団」、「第二集団」ではなく「第三集団」に属すると考えられているからです。

さて、そういうとなんだかヘンにランキングにこだわるようで、僕自身、そういう分類方法はナンセンスだと思うし、ランキングの情報を見る時は注意が必要だと思います。

今日は、ちょっとその話を書きます。

世界の大学ランキングを論じる時、よく日本人の間で話題となるのは「何でこのリストには日本の大学が入ってないの? これって欧米偏重主義じゃん?」ということです。

そういう話を振られるたびに僕は「いや、そうじゃない。それは評価尺度が違うからだ。彼らの尺度からすれば、実際、日本の大学は箸にも棒にもかからない」と答えることにしています。

それでは一体、「その評価尺度って、何?」ということですが、これはわかりやすく言えば学術論文の量と質です。欧米の、とりわけリサーチ・ユニバーシティーと呼ばれる大学は、学術論文の量と質を確保するために「最適化」されています

これに対し、たとえば日本の早稲田とか慶應は、いわゆるティーチング・ユニバーシティーとても言えるでしょう。つまりそこで重視しているのはインストラクション、すなわち「指導」、もっと平たく言えば講義そのものということです。

アメリカのリサーチ・ユニバーシティーの概念は、南北戦争の前に設立された歴史の古い大学、具体的にはハーバード、イェール、コロンビア(当時はキングス・カレッジと呼ばれていました)、プリンストン、ペンシルバニアの各大学と5つの公立大学、具体的にはミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ、イリノイ、そしてカリフォルニアがルーツとなっています。それに加えて歴史はそれらより僅かに短いけれど、設立当初からリサーチを徹底的にやる目的で作られたMIT、ジョンズ・ホプキンズ、スタンフォード、シカゴ、コーネルの各大学を含めた15の大学ならびに大学システム(=UCはいろいろ分校があるから)を総称して元祖リサーチ・ユニバーシティーと言います。

リサーチ・ユニバーシティーになるためには基礎研究を活動の柱とし、大学院が充実していることが必要ですが、それと同時に「外部収入(external income)」が占める割合が大きいという特徴があります。

この外部収入とは研究開発費を外部からひっぱってくるという意味です。たとえば医療の分野では大学での研究開発プログラムは大学そのものの予算から捻出される割合は低く、国立衛生研究所(NIH)からグラント(Grant=研究助成金)を獲得する必要があります。

だからリサーチ・ユニバーシティーではプログラム・ディレクターと呼ばれる役職の人が一番威張っています。プログラム・ディレクターはたとえば「超伝導」の研究なら、その研究プログラムの総責任者を指します。たんなるプロフェッサー(=博士)ではなく、外部から研究資金を引っ張ってくるファンドレイザー、つまり今風に言えばクラウド・ファンディングの発起人みたいな役回りです。そういう言い方でピンと来ないなら、営業本部長みたいな役目だと思えば良いでしょう。

プログラム・ディレクターは「なぜこれから我々がやろうとするこの研究に、あなたはスポンサーとしておカネを出すべきか?」ということを先ずレポートにします。NIHの予算はアメリカの連邦政府の予算から捻出される関係で、政府の予算カットなどの対象になります。するとプログラム・ディレクターは議会の予算委員会のメンバーの議員などに直接働きかけて、「この予算を削らないで下さい!」と説得することもしょっちゅうあります。

つまりプログラム・ディレクターは「レインメーカー(rain maker)」、すなわち天に祈り、雨乞いをすることで実際に雨を降らせ、乾いた土地を潤わせ、豊作にするrevenue responsibility(収入確保責任)を負っているのです。プログラム・ディレクターが外部から研究開発予算を引っ張って来なければ「無能!」のレッテルを貼られます。

もちろん、NIHのような公的な予算だけでなく実業界からもおカネを出してもらいます。たとえば物理学の研究はロッキード・マーチンなどの防衛産業からお金が出る場合がありますし、地質学なら石油会社がプログラムのファンディングを助けるといった具合です。

つまりリサーチ・ユニバーシティーはそういう民間企業にとって大いに利用価値があるR&Dだけど、今日・明日の新製品開発には直接カンケーない基礎研究をやるところなのです。それにカネを出している民間企業と大学のプログラム・ディレクターはもちろん太いパイプでつながっているし、プログラム・ディレクターの下で研究開発にいそしんでいる学生が就職先を探すときは「あんた、ロッキードに行きなさい!」と就職支援をするわけです。自分の教え子がロッキードに居れば、将来、プログラム・ディレクターの仕事は一層ラクになります。なぜなら恩を売ることになるから。

このようにリサーチ大学にはmover and shakerと呼ばれる、研究資金獲得のスーパースターたちが割拠しており、あたかも彼らの封土(fiefdom)のような「オレサマの世界」を構築しているのです。もっとざっくばらんに言えば、自分でカネを引っ張ってきて、そのカネで自分の好き放題研究するということ。

よくある「QS」とか「Times」とか「US and World News」とか「上海ランキング」などの大学ランキングは、程度の差こそあれ、学術論文の量と質、そしてそれらの論文が他の大学の研究者にどれだけ引用されているか? というような尺度を評価基準に盛り込んでいます。

これは基礎研究の強さを測る重要な指標なので、それを盛り込むのが「わざと欧米のランクが上がるように偏っている」と批判しにくいと思います。むしろいままでリサーチ・ユニバーシティーの育成に力を入れて来なかった日本の教育行政の大きな欠陥だと捉えるべきではないでしょうか?

これから経済のソフト化、ハイテク化、知識集約化はどんどん加速します。その場合、基礎研究を重視しない日本の教育界の風土が、日本という国の国際競争力に悪い影響を与えるのではないか? と思うと心が曇ります。

日本の大学の世界ランキングでの地位の低さは偶然とか欧米のひん曲がったご都合主義の尺度でそうなったのではありません。

日本のランキングが低いのは、日本の大学がショボいからです。

早く目を覚ませよ、いい加減!


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お問い合わせはhiroset@contextualinvest.comまで。

アメリカで就職に困らないブランド公立大学極秘リスト

たとえばハーバード大学やイェール大学などのアイビーリーグの有名校を卒業すれば、就職には困りません。

でもこれは「言うは易く行うは難し」、なかなかの無理ゲーです(笑)

そもそもハーバードの合格率は応募者の5%、イェールは6%です。

「体感速度」で言えばこれらのアイビーリーグの有名校に入るのは東大に入るより10倍くらい難しい。

あと私立だから授業料がバカ高いです。平均するとアイビーリーグは1年間に5万1千ドルくらいかかります。だから四年で2286万円かかるわけです。

(奨学金が出るんじゃないの?)

これを読んでいる読者のみなさんがそう感じるのなら、それは甘いです。

実際にアメリカで受験生を持つ親御さんは、奨学金が如何に獲得しにくいか痛感しているはず。

だから(奨学金をもらうことを前提として……)というのは受験ストラテジーとしては全く失格です。

もちろん、確率的にあなたの子息がアイビーリーグ有名校に合格し、しかも奨学金まで貰えるケースも無いとは言えません。しかしアメリカの大学攻略に際しては、もうすこし丁寧な準備が必要だと思います。

僕はしばしば(子供をアメリカの良い大学に進学させたい。そのために親子でアメリカに住みたい)という相談を受けます。

「どの州でもいいんですか?」ということを確かめた上で、先方に自由裁量があるならノースカロライナ州、ミシガン州、ウィスコンシン州を薦めます。

これはどうしてか? と言えばこれらの州には:

ノースカロライナ大学チャペルヒル校
ミシガン大学アンアーバー校
ウィスコンシン大学マディソン校


というブランド大学があるからです。これらはいずれも「パブリック・アイビー」、すなわち公立大学だけど、アイビーリーグと同じようなプレステージを持つ大学です。

これらの大学はいずれも喩えて言えば日本の京大みたいなトップ・ブランドなので就職の時、不利になることは絶対にありません。

ノースカロライナ大学チャペルヒル校の場合、州内在住の学生なら授業料は僅か年間8986ドルです。

このように州内在住は授業料が安いだけでなく、受験の際も他州や外国からの応募者よりも少し入りやすいと思います。

さらにノースカロライナ大学チャペルヒル校の合格率は約30%です。

すると「すべりどめ」戦略として大いに利用できるわけです。

これに対して例えばカリフォルニア州の場合、「パブリック・アイビー」に相当する学校はUCバークレーとかUCLAになります。

しかし問題点としてはカリフォルニア州は巨大州であり、州内在住の学生だけの競争と言っても、それは大変熾烈になるということです。

UCバークレーとUCLAは暗黙の「併願排除」協定みたいなのがあり、片方に合格した受験生は、どんなに優秀でも、もうひとつからは落とされます。

またUCLAの場合、毎年10万人もの受験者が居ます。つまりUCバークレーやUCLAは博打すぎて「すべりどめ」にならないのです。

一方、日本人が多く住んでいるニューヨーク州には「パブリック・アイビー」に相当するようなちゃんとした公立大学はありません。

このように住む州を選ぶという選択ひとつで、受験生に圧し掛かってくるプレッシャーには大きな差が出ます。

最近、アメリカの受験戦争はグローバルになっています。中国などの新興国からも「アメリカの大学に進学させたい」という親がアメリカに来ています。それらの親御さんは、今日ここに書いたようなストラテジーにだんだん気がつき始めています。

一般に「パブリック・アイビー」と呼ばれる公立大学のリスト
UCバークレー カリフォルニア州
UCLA カリフォルニア州
バージニア大学 バージニア州
ミシガン大学アンアーバー校 ミシガン州
ノースカロライナ大学チャペルヒル校 ノースカロライナ州
カレッジ・オブ・ウイリアム&メイ バージニア州
ジョージア工科大学 ジョージア州
UCサンタバーバラ カリフォルニア州
UCアーバイン カリフォルニア州
UCデービス カリフォルニア州
UCサンディエゴ カリフォルニア州
イリノイ大学 イリノイ州
ウィスコンシン大学マディソン校 ウィスコンシン州
フロリダ大学 フロリダ州
ペンシルバニア州立大学 ペンシルバニア州
オハイオ州立大学コロンバス オハイオ州



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