Market Hack

バーレーンの「大油田発見!」について

先週、バーレーン政府が「大油田を発見した!」と発表しました。記者会見では815億バレルの石油と3900億立方メートルの天然ガスが埋蔵されていると説明されていました。

2社の独立コンサルタント会社が査定し、この見積もりの妥当性を確認しています。バーレーン政府はハリバートン(ティッカーシンボル:HAL)を起用し、今年中にさらに二本の査定掘穿を行う予定です。そしてゆくゆくは1日当り20万バレルを生産したい考えです。

しかし今回発見された油田はいわゆる「タイト・オイル」で浸透性が低いです。したがってアメリカのシェール・オイルの生産に援用されるような高度なノウハウを必要とします。また採掘コストが高く、採算が取れないリスクもあります。したがって「815億バレル」という数字にはあまり信頼を置かない方が良いでしょう。また生産を開始できるまでには少なくとも10年の準備期間が必要だろうと言われています。

バーレーンはシーア派の住民が過半数を占めています。しかし国政を握っているアルハリファ家はスンニ派です。実はバーレーンのすぐ対岸にあるサウジアラビアの油田地帯の人口構成もシーア派が多く、両国の政治状況には共通点が多いです。

サウジアラビアはそのような状況に鑑み、バーレーンのシーア派が政府転覆を試みないようにアルカリファ家を経済的に支援しています。「アラブの春」がバーレーンにも吹き荒れた際には両国の間に架かるコーズウェーを通じて戦車などの支援を繰り出したことは記憶に新しいです。

バーレーンは周辺の湾岸諸国の多くがそうであるように高福祉、補助金体質の国家運営を行っており、政府はGDPの7%に上る財政赤字を垂れ流しています。


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Mt.Goxのマーク・カーペレス元CEOがRedditに降臨 ビットコインの売り圧力について語る

Mt.Goxのマーク・カーペレス元CEOがRedditに降臨し、次のように語りました(以下抄訳):

コミュニティのみなさん
皆さんは僕のことを覚えてますよね? このところのビットコインの下げをMt. Goxの破綻処理と関係付ける人が多いですけど、私がMt. Goxの経営に携わっていたのは2014年2月28日迄です。あれから4年の歳月が流れました。Mt. Goxは未だ倒産状態であり、私は逮捕され、服役した後保釈金を積んで出獄し今はMt. Goxの民事再生に向けて頑張っています。
当時Mt. Goxは世界最大の仮想通貨取引所であり、私もベストを尽くしてそれをなんとかちゃんと運営しようと思ったけど、いろいろ至らないところがあったし、過ちを犯しました。
それについては改めて深くお詫びします。
日本の破産法の特殊な事情を説明すると、債権者の資産返還請求が受理されると、倒産当日の日本円ベースの価値で返還請求が記入されます。(これは海外の多くの国でも同じです)
すると(訳者注:ビットコインが倒産当時より遥かに値上がりしているので…)債権者に資産の返還をすることは可能なのです。なぜなら債権者にお金を返還した後も未だ16万ビットコインものBTCがMt. Goxの財産として管財人のところに残っているからです。
さて、上で述べたように倒産当日の日本円ベースの価値で債権者への補償がなされた後、残った残額に関してはMt. Goxの株主に対して会社の清算手続きの一環としてBTCが持ち株比率に応じて分配されます。
これが現在可能な唯一な法の解釈なんです。
しかしこれを実際に行うと極悪きわまりない結果を招いてしまうと思うんです。なぜならMt. Goxの株主が、莫大なBTCを受け取ることが出来てしまうからです。
私自身は皆さんに迷惑をかけた経緯からして、そんな10億ドルを超える莫大なお金は欲しくありませんし、Mt. Goxが破綻し、皆さんに申し訳ないことをしてしまった瞬間から、自分が「焼け太り」しようなんてことは夢にも思いませんでした。
いま、たまたまBTCの価値が増大して、こういう状態になっているのは一種の突然変異みたいなことであり、そういう運命のいたずらで私が大儲けするということがあってはいけないと思います。だから、私はそういう事態が起こらないように頑張ります。
この事態を回避するひとつの方法は民事再生手続きによる再生をすることです。これは私だけの意見ではなく多くの債権者の方々にも賛同してもらえているように見受けられます。いま、私は民事再生に向けて努力していますし、上に述べたような運命のいたずらで金持ちになろうとはサラサラ考えていません。私は皆さんにお許しを乞うような立場にすらないわけですが、このこんがらがった問題を早く解決するために奮闘努力しています。そして一日も早くこのドラマの幕引きを見たいです。

私は生来エンジニア気質であり、何かを創りたいと考えています。そもそも私がMt. Goxに関わり合いを持ったのも、そういう流れでそうなったのであり、皆さんを巻き込んで大変遺憾に思います。

何か質問があればどうぞ。

(以下一部省略)

マーク・カープレス:Mt. Goxの管財人に対して私は何らコントロールすることはできません。でも管財人がビットコインを売ることで日本円にすることは、民事再生の合意が成立するまでは止めて欲しいと願います。

コードスタックス氏:Mt. Goxの管財人がビットコインの価格をメチャクチャに崩している。ビットコインで債権者への補償をすべきでは?

マーク・カーペレス:管財人は裁判所によって任命されました。私がどうこう言う立場にはありません。私の願いは、債権者がBTCで一日も早く補償を受けるということです。

(以下一部省略)

マーク・カーペレス:(民事再生手続きを経て)BTCが私のところに戻ってきた時点では、納税などの関係により私の手元に来るBTCはかなり減ってしまうと予想します。またそれを債権者に分配するとさらにコストが発生します。(中略)債権者の数は24750人でBTCを日本円に換金した詳細は管財人からは発表されていません。

(以下一部省略)

マーク・カーペレス:Mt. Goxの株主は、私(88%)とジェド・マッケイレブ(12%)です。

(以下省略)

ビットバンクトレード


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マネパWebセミナー2018「高金利通貨対策セミナー」開催のお知らせ

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マネーパートナーズ主催「高金利通貨対策セミナー」は次の要領で開催されます:

開催日:2018年4月12日(木)
時間:夜8時から9時
講師:広瀬隆雄
参加費用:無料
参加資格:マネーパートナーズに口座をお持ちのお客様限定とさせていただきます
口座開設:こちらのリンクからどうぞ
セミナーお申込み手順:各セミナーの「申し込みはこちら」ボタンから応募してください。申込締切後、受講用URLを記載したメールを配信いたします。

【講師からひとこと】
今回のセミナーではトルコリラ、メキシコペソ、南アランドなどの高金利通貨のトレードのしかたについて説明します。これらの国々は地政学的不安、貿易紛争、国内の政治の乱れなどで今、人気が離散しています。しかしそれぞれの国の政治や経済は好転する兆しを見せており、トレーディング・チャンスを提供しています。今回のセミナーではそれぞれの国で今後注意すべきポイントなどを中心にお話します。


YouTube銃撃犯はイラン系女性YouTuberだった 「検閲行為に抗議する」

昨日、南サンフランシスコのYouTube本社前で発砲した女性はナシム・アグダムという39歳のイラン系YouTuberと判明しました。

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彼女は南カリフォルニアに在住、これまでYouTuberとして活動してきましたが、ペルシャ文化、ヴィーガンのライフスタイル、動物保護、フィットネスなどに関する動画を作成してきました。

しかし最近、グーグルのコンテンツに対する規制が厳しくなり、その関係で閲覧数が下がったことを苦にしていたそうです。

そこでサンフランシスコ国際空港に近いサンブルーノにあるYouTubeの本社前で、昼休みに出てくる社員、男性ひとりと女性二人に対して発砲し、その後で自殺を図りました。YouTubeはグーグルの傘下でありアルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)の一部です。

WealthNavi



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ウォール街の「最後の砦」、IPO引受報酬のカルテルがスポティファイ上場で崩れる?

昨日、ミュージック・ストリーミングのスポティファイ(ティッカーシンボル:SPOT)がニューヨーク証券取引所に上場されました。165.9ドルで取引が開始された後、ほぼ一本調子で下げ、結局、大引けは149.01ドルでした。

(ふん、ざまあみろ!)


投資銀行関係者の間では、この軟調な引け味にほくそ笑み、溜飲を下げた者が多かったです。

スポティファイの成功を願わない投資銀行関係者が多い理由は、この新規上場が「掟(おきて)破り」だからです。

通常、小さなIPO(新規株式公開)では引受報酬は7%と米国では決まっています。調達金額が大きい「民営化」のような案件では「フィーはまけておけ!」というプレッシャーに投資銀行が屈することも多いですが、通常の案件では頑として7%を曲げません。この、投資銀行にとって美味しいフィーが、IPO引受業務を「花形の仕事」にしているひとつの理由です。

下はフロリダ大学のジェイ・リッター教授の調査の結果です。

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それによると調達金額1億ドル以下の「小ぶりな」IPOでは、今日でも実に96.6%のIPO案件が引受報酬(厳密にはグロス・スプレッドと言います)として7%を主幹事証券以下のシンジケート団を構成する各証券に支払っているのです。

なぜIPO引受報酬は7%と決まっているの?


あいにく、僕はこの素朴な疑問を抱いたことは自分のキャリアを通じて一度もありませんでした。

「とにかく、IPO引受報酬は7%と相場が決まっているのだし、だいいちそれ以外のフィーでは我々は働きません!」

発行体と話し合うときは、いつもそんな口調で、引受報酬のネゴには、そもそもとりあいませんでした。

ウォール街の、ありとあらゆる手数料が下がっているにもかかわらず、IPO引受報酬だけが7%のまま推移してきたのは、それがカルテル(価格協定)だからです。

なぜスポティファイに対してウォール街の投資銀行各社は「凄みを効かせる」ことができなかったのでしょうか?

これには二つの理由があると思います。

まずスポティファイはすでに沢山のユーザーを持ち、ブランドが浸透しています。「この会社は、何をやっている会社?」ということを、いまさらいちいち解説する必要が無いわけです。

IPOのとき、主幹事証券がロードショーを行う理由は、通常、新規上場される企業は社会、あるいは投資家全般への知名度が低く、まずその企業の「エクイティー・ストーリー」を投資家に理解してもらう必要があるからです。

スポティファイが通常のIPOをスキップし、ダイレクト・リスティングしたもうひとつの理由は、今回は新規資金の調達を全くせず、既存株主の持ち株をニューヨーク証券取引所で取引できるようにしただけだからです。

新株を出し、資金調達する際は、米国証券取引委員会(SEC)は厳しいルールを当てはめます。しかしダイレクト・リスティングではルールは緩いです。(その緩いルールにもかかわらず、スポティファイはちゃんとF-1と呼ばれる開示書類を提出し、きちんとした開示を行いました)

つまり「新株をだしませんから」と言えば、掟破りをにがにがしい目で見る投資銀行も、なにも言えなくなってしまうのです。

大部分のIPO企業は株式公開の際、新規資金を調達する必要があるので、スポティファイのケースは例外と言えるでしょう。またスポティファイほど知名度のある企業は、そうそう存在しません。

これらのことから、今回、スポティファイがまんまとダイレクト・リスティングを成功させたということは、どちらかといえば「例外」に近く、今後、これが常識化するとは思えません。

それを断った上で、今回ほどあからさまに「7%」というカルテルをイシュアー(=発行体)が批判したことは前例が無く、今後、経営者は(なぜ7%じゃなければいけないの?)ということを疑問に思うでしょう。


マネックス証券


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