Market Hack

いよいよ決算発表シーズンに突入

今週から2016年第4四半期の決算発表シーズンが始まります。目先の主な決算発表は次の通りです。

1月13日(金)
寄付き前:バンク・オブ・アメリカ(BAC) 38¢ 210.3億ドル
寄付き前:JPモルガン・チェース(JPM) $1.43 235.8億ドル

1月17日(火)
寄付き前:モルガン・スタンレー(MS) 65¢ 85.3億ドル

1月18日(水)
寄付き前:ゴールドマン・サックス(GS) $4.79 77.8億ドル
引け後:ネットフリックス(NFLX) 13¢ 24.7億ドル

1月19日(木)
引け後:アメリカン・エキスプレス(AXP) $1.00 79.6億ドル
引け後:IBM(IBM) $4.89 217.5億ドル

1月20日(金)
寄付き前:ゼネラル・エレクトリック(GE) 46¢ 335.8億ドル


このうちバンク・オブ・アメリカとJPモルガン・チェースは11月8日の大統領選挙でドナルド・トランプが勝利して以来、長期金利の上昇を見込んで、かなり買い進まれてきました。つまり市場の期待は高いということです。それだけに今回の決算では債券トレーディングを中心に、しっかりとした業績が出る必要があります。

BAC

今夜「北野誠のFXやったるで!」にゲスト出演します!

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今夜「北野誠のFXやったるで!」にゲスト出演します。10時半からです。

聞き方ですが:

ラジオNIKKEI「北野誠のFXやったるで!」

もしくは

USTREAM 「北野誠のFXやったるで!」

からどうぞ。

ウラン価格急騰の背景にカザフスタン政府系ウラン企業の減産決定あり

昨日、スポットのウラン価格が10%近く上昇しました。その理由はカザフスタンの政府系ウラン企業、カズアトムプロムが減産すると発表したからです。

同社の減産幅は去年の生産高の10%前後、世界の供給量にして3%に相当します。

ウランのスポット価格は日本での原子炉の相次ぐ休止にともない供給過剰となり、2016年初頭の35ドルから年末には18ドル付近まで下がっていました。しかし現在は24ドルまで反発しています。

ウランの大部分はスポット取引ではなく長期契約で購入されます。その意味ではスポット市場の値動きは、あまり関係ないとも言えます。

ただスポット価格の上昇は心理的にカメコ(ティッカーシンボル:CCJ)などの関連銘柄にとってプラスに働きます。

現在、世界には450基の原子炉があります。日本のように原子炉を休止する国もありますが、これから新しく原子炉を作る国もあります。原子炉は計画してから建設、稼働まで、何年もかかるため、将来、どれだけ原子炉が建設されるか? の需要予想は比較的立てやすいです。炉数は2025年にかけて497基に増えると見られています。

CCJ

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カメコは世界最大のウラン生産会社

「中国からの輸入品に45%の関税をかけろ!」というトランプの主張は魔教的

ドナルド・トランプは大統領選挙戦を通じて「中国からの輸入品に45%の関税をかけろ!」ということを主張してきました。大統領に当選した後も、ツイッターで保護貿易主義の主張を繰り返しています。

ウォール街関係者は「あれは無知な有権者の歓心を買うためのポーズであり、いずれ矛先を収めるだろう」と信じています。しかしトランプがトーンダウンする様子を見せないので、だんだん居心地が悪くなり始めています。

中国からの輸入品に高い関税をかけたところで、アメリカの製造業ならびにそこに雇われている労働者の境遇は良くならないと思います。

なぜなら、過去にそれは実地で試され、大失敗しているからです。それは1930年6月に成立したスムート・ホーレー関税法です。

同法案は当時上院財政委員長を務めていたリード・スムートと下院歳入委員長を務めていたウイリス・ホーレーが起草した法律で、一部の輸入品に59.1%の関税をかけました。

この法案が成立した直後は「これで外国からの競争が減る」と思った経営者が雇用を増やし、増産したので、ほんの束の間、経済指標は上向きました。

しかし諸外国は「アメリカが我々の製品に関税をかけるのなら、我々もアメリカの輸出品に関税をかける」という報復措置を行い、たちまち世界の貿易はストップしてしまいました。この結果、1929年から1934年にかけて世界の貿易は-66%も減少しました。

フランクリンD.ルーズベルト大統領は4年後に民主党が中心となって策定した互恵貿易協定法に署名し、スムート・ホーレー関税法を葬り去りました。

今回のトランプの関税提言に関し、ピーターソン国際経済研究所は「もし保護貿易主義が実施されれば、米国はリセッションに陥り、新たに480万人の失業者が出る」と試算しています。

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とくに打撃を受ける産業として、建設機械、鉄鋼、半導体製造装置、ポンプ、タービン、トラック、コンプレッサー、アルミニューム、トランスミッションを挙げています。

また州別ではシアトルのあるワシントン州、カリフォルニア州、コネチカット州が最も悪影響を受けるとしています。

2

アメリカの産業はインターネットやバイオテクノロジーの例を出すまでもなく、どんどん知識集約的な分野への傾斜を強めています。その過程において昔風の教育やトレーニングを受けた人間は「使い物にならない(unemployable)」という問題が起きています。

この人材のミスマッチは確かに存在するし、簡単には是正することが出来ない深刻な問題です。

しかし輸入品に関税をかけることで「時計を止めて」、わざわざ競争力に欠ける米国国内の産業や労働者を保護しようとするのは空しい試みでしょう。

スキルの問題に関し、ミルトン・フリードマンは次のような例で説明しています。

いまかりにある弁護士が自分の秘書より二倍も速くタイプを打つことが出来るとしよう。この弁護士は秘書をクビにして自分でタイプを打つべきだろうか?

そうではない。

その弁護士が秘書よりも、タイピストとしては二倍しか早くないが、弁護士としては5倍も有能だというのであれば、弁護士はその職業に集中し、秘書には手紙をタイプさせたほうが、どちらもより利益を得ることになる。

(出典:『選択の自由』、M&Rフリードマン)

つまりアメリカは国際的な役割分担の中で最も付加価値を生むことができる仕事に集中すべきであり、それによって国内に「敗者」が生じた場合は、時間と労力がかかっても再教育と新しいスキルのトレーニングを施すべきなのであり、時計を止めることが解決法ではないのです。


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株式市場とドナルド・トランプの「ハネムーン期間」は終わる やらなければいけない事は山積みだ

現在の考えを整理しておきます。

まず株式市場とドナルド・トランプの「ハネムーン期間」は終わると考えています。

市場参加者は「トランプも選挙戦では過激なことを言っていたが、大統領になれば、少しはマトモになるだろう」と期待していました。

しかし彼のツイートを見る限り、挑発はトーン・ダウンされるどころか、さらに勢いづいている印象さえあります。とりわけ貿易や関税に関するツイートは、ハラハラさせるものが多いです。

それでもウォール街がトランプに期待している理由は、30年ぶりの税制改革という大材料がぶら下がっているからです。

株式の投資家は減税という材料が大好きです。

しかも今回は5兆ドルにものぼる大型減税になると言われています。

1月20日の大統領就任式の後、下院はすぐに税制改革に着手して欲しい……投資家は、そう願っています。

株式市場にとって最も居心地の良いシナリオは、議会における税制改革論議が、他の議案をクラウディングアウトし、相場にとって都合の悪い材料がシャットアウトされるシナリオです。

ただトランプの政策は、大統領令(EO)というカタチで実行に移される可能性もあるので、大統領就任式の直後にこれが連発されるかどうかに注目したいと思います。

また1年近くも空席になっている最高裁判事任命問題も、放置し続けることは出来ません。

ジャネット・イエレンFRB議長の仕事ぶりに関しては、ドナルド・トランプは不満を持っています。だから2018年早々に彼女の任期が満了したら「再任はしない」と公言しています。イエレン議長のレームダック化が起こる可能性もあります。

減税は景気を刺激しますし税収の目減りは国債の増発で補わなければいけないため、基調として長期金利は上昇するでしょう。

ドルに関しては2017年を通じて+7%程度の上昇を見込んでいます。

S&P500採用銘柄の売上高の3割は海外です。するとドル高はS&P500のEPSにとってマイナス要因です。このことから1月下旬から始まる第4四半期決算発表シーズンでは、各社の2017年ガイダンスが下がることを予想しています。

米国株のバリュエーションはリーマンショック直後の不況でEPSが蒸発した結果、PERがバカ高くなった一瞬を除けば、今が最も割高となっています。

保護貿易主義、長期金利上昇、ドル高、すでに高い水準にある株式バリュエーション……これらから考えて、市場関係者が酔いから醒めるのは、案外、早いのではないでしょうか?

そんなわけで2017年の米国株には弱気です。一年を通じて、-10%程度を予想しています。

ただ「ブルマーケットは、どこかに常に存在する」という格言のごとく、全てがダメというわけではないと思っています。

2017年の参考銘柄を選ぶにあたっては、それぞれの分野でトップクラスのスケールを持った企業で、キャパシティに余力があり、オペレーティング・レバレッジが高い銘柄を中心にピックアップしました。

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