iStock_000008207582Medium【強い者が遊牧する】
現在のアフガニスタンのヘルマンド盆地で1960年代にアメリカの肝いりでダムが建設され、定住促進の試みが行われたことがありました。

実際、ダムは完成し、農業に利用できる水は増えたのですが、結局定住は促進できませんでした。

その後、アフガニスタンはソ連から侵略され、長年の戦火の後、アルカイダなどテロリストの温床となっており、アメリカやイギリスはその制圧のために軍隊を送っています。

ヘルマンド盆地は今ではケシの栽培が盛んで、これがテロリストの財源になっています。

なぜ定住促進の試みは失敗したのでしょうか?それは長年の遊牧民の生活で中東には「弱い者は耕し、強い者が放牧する」という価値観が人々の中にしっかり根付いており、ダムが完成した後も放牧民は農耕を「弱い人間がやることだ」と軽蔑し続け、ライフスタイルを変えようとしなかったからです。
 
 

【日本は手狭になったオアシスか?】
さて、ノマド型投資の出発点として皆さんの
住んでいる日本の株式市場から考察をはじめたいと思います。

現在の日経225の水準は大体、1984年の水準とほぼ同じです。つまり四半世紀という歳月を経た今も当時と殆ど変わらない水準に置かれているわけです。

或る意味で私はそのようなマーケットに魅力を感じます。それはどうしてかと言うと、それだけ長い間、放置されてきたマーケットは株式用語で言うところの「日柄(ひがら)」が経っているからです。つまり「休養十分」というわけです。

しかし、1990年頃からずっと長期弱気相場を経験してきた日本株が、いきなり今年から復活するという保証はありません。実際、短期的に見ても、中期的に見ても、長期的に見ても日本の株式市場の先行きは楽観を許さないと思います。

 

 

短期的と言った場合、私は向こう2年以内の相場を考えています。モルガン・スタンレーの有名な調査では株式市場は2年先の企業業績に最も左右されるということが知られています。

足下の業績は円高の影響で不透明ですし、不動産価格や賃金に対するデフレ的なプレッシャーも根強いです。デフレ環境の中で業績を伸ばすことは企業にとって至難の業です。従って短期的には日本株は苦しいと言うべきでしょう。

 

一方、5年ないしそれ以上の長期で投資を考える場合は人口動態などの要因に頼る部分が増えてしまいます。

いま日本は世界の中で最も高齢化が進んだ社会のひとつであり、しかも高齢化は今でもすごい勢いで進んでいます。現在、日本は一人の退職者を3人の就業者が支えている計算になりますが、アメリカはこの比率が5人、インドは10人です。

人口に占める高齢者が多いということは消費が伸びにくいことを意味しますし、不動産や株式などの資産は生活のために資産を切り売りする売り手の増加で需給関係の悪化を招く可能性があります。すると自分の財産のうちの一部分は海外の資産を持っておいた方が良いという結論になるわけです。