事前のガイダンスはマージンの縮小を予想していたが、実際にはマージンが拡大するとともにボリュームも6%以上伸びた。その理由は北米市場が好調だったからに他ならない。とりわけ金融機関からの引き合いが高水準だった。顧客別では大口顧客の方が伸び率は高く、トップ10顧客における平均伸び率は+12.2%だった。これはマージンに対して好影響を与えている。稼働率も上昇した。このため役務単価の維持も可能になった。
Q:この好決算にもかかわらず第4四半期のガイダンスが保守的なのは何故か?
顧客における今年の予算の策定が未だ終わっておらず、不透明感を残している。季節的に第4四半期は弱いということも考慮する必要がある。現在は未だ景気回復局面であり、不確実なことが多い。もうすこし全体像がクリアーになってからガイダンスを引き上げても遅くは無い。
Q:市場参加者はインフォシスのガイダンスはわざと低目に抑えられているとコメントしている。ひとつの変動要因は稼働率だが73%から76%へと上昇を見た。その背景は?
需要が増加したこと、人員配置を顧客と直接やりとりする部門により傾斜した配分にしたことが効果を出し始めたこと、顧客に提案した新しいソリューションが好評なこと、などがその背景にある。今期のボリューム成長率は+6.1%としっかりしていたことから今後も稼働率は漸増傾向を続けるだろう。
Q:問題を抱えていた金融機関の顧客は大方ターンアラウンドしたのか?
米国の金融機関のIT戦略に関する意思決定に必要な時間は短縮する傾向にある。金融危機後は一時意思決定機能が完全にマヒし、とりわけ可処分予算に関しては凍結状態だった。しかし彼らはまた動き出している。もちろん、顧客金融機関の多くは未だ現況をコーシャスに捉えている。でも可処分予算の費消はあきらかに再開している。実際、今期だけで4件の大型アウトソース案件の成約を見た。そのうちのひとつは2億ドルの大型案件だった。
Q:マージンが上昇したのはサプライズだったが、、、
以前から言っている通りボリューム成長さえ出ればマージンを心配する必要は無くなるのだ。ボリューム成長さえ出ればマージン維持のために必要となる諸々の投資が可能になる。価格面では+1.1%の上昇を見た。これもマージン拡大の一因だ。ルピー高を克服できた一因と言える。稼働率は1.5%上昇し、マージンへの貢献は+60bpだった。ルピー高はマージンに-180bpの影響を与えた。
Q:ルピー高を懸念しているか?
余りしていない。ルピーは目先的には強含むことが考えられる。来期の社内想定レートはRs45.75だ。いま既にRs45.30まで来ているけど。ボリューム成長がある限りルピー高はそれほど苦にならない。むしろ顧客の今年のIT予算の策定がどうなるかの方が心配だ。それさえハッキリすれば業績の見通しは立てやすくなる。
現在の感触では顧客のIT予算そのものは去年にくらべて現状維持になると思われるがその中でアウトソーシングの割合は増えると思われる。顧客の6割は未だIT予算を決めていないと言っている。
Q:通信業界などの顧客における問題は一段落したのか?
通信業界は資金繰りの問題に相変わらず悩まされている。だから良くない。製造業も未だ底入れしていないと思う。その点、金融サービスや小売は元気になっている。
Q:アメリカの復調に比べて欧州はモタモタしているように見えるが、、、
我々のビジネスは或る程度市況サイクルに影響される。米国はいつもサイクルの先頭だ。欧州はいつも後からついてゆく。現在の状況はそれがおこっているに過ぎない。もちろん、為替の影響というのも少しはある。私の考えではこれはセキュラーなトレンドではなく、1から2四半期程度の現象だろう。いずれ欧州も復活してくる。インフォシスは欧州大陸に先行投資している。昔はわが社は英国に強かったが、今はドイツなどに人材をシフトしている。







広瀬隆雄(Hirose Takao)
More Money Than God
ツイッターノミクス TwitterNomics
FX投資家のための賢い税金の本