以前の記事で今年はユーロがドルに対して弱くなるという僕の考えを示しました。そこで今日は若しユーロが弱くなるのなら、何を買えばいい?という話をします。

結論的にはヨーロッパ大陸に上場されている企業で、世界に向けて輸出している会社を買いたいと思います。

「なぜヨーロッパが内輪もめするのにわざわざヨーロッパ株を買うの?」と疑問に思う読者も多いかと察します。そこで少し説明すると一般に自国の通貨安は株高要因だし、そういう局面ではとりわけ輸出企業の株がバンバン騰がります。

これは去年の12月以降、円安に振れてからの日本株のパフォーマンスを見れば一目瞭然でしょう?

つまり株式投資でいちばん大事なのは企業業績の先行きに対する投資家の思惑なのであり、為替はそういう投資家のセンチメントに影響を与える重要なファクターのひとつなのです。

僕は今年、ゴールドや原油や中国株やブラジル株よりも欧州株の方が良いと思っています。それも輸出市場に依存していて、海外売上比率の高い企業ほど良いと考えています。

そんな業種のひとつがラグジャリー・グッズのセクターです。

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具体的な銘柄の例をひとつ挙げるとLVMHなんか良いんじゃないかな?と思っています。

LVMHはルイヴィトン・モエヘネシーの略です。

LVMHは鞄、ファッションの他に香水や時計、ジュエリーを展開しています。加えてシャンペンやコニャックなどのお酒も作っています。

代表的なブランドを列挙すると:

【革製品・ファッション部門】
ルイヴィトン
フェンディ
ドナカラン
ジバンシー
ケンゾー
マーク・ジェイコブス

【香水・化粧品部門】
クリスチャン・ディオール
ゲラン

【時計・ジュエリー部門】
タグ・ホイヤー

【シャンペン・コニャック部門】
ヴーヴ・クリコ
ドム・ぺリニヨン
ヘネシー
VSOP
XO

【小売部門】
DFS(デューティー・フリー・ショップ)
セフォラ(香水ショップ)

上のリストを見ても分かる通り、名前の通ったブランドばかりですし、くたびれたブランドは少ないです。

つまりブランド・イメージの維持はきちんとやっているということ。

このため同社の商品の価格設定は高く、結果としてグロスマージンは62%と、この手のブランド品のメーカーの中では極めて高い部類に属します。営業マージンも16%と健全です。

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実は同社の数あるブランドの中でも、やっぱり一番強いブランドはルイヴィトンです。上のグラフにあるように、世界が不況の淵に沈んだ2009年度ですらバッチリ二桁成長しています。

これとは対照的に落ち込みが激しかったのは時計・ジュエリー部門とシャンペン・コニャック部門です。

次にLVMHの地域別売上高を見ると次の円グラフのようになっています。
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ここで特に注目して欲しいのは中国をはじめとする、日本以外のアジアが世界の中で既に最も大きな売り上げシェアを占めているという点です。しかも中国市場は去年も二桁成長を見ました。

別の言い方をすればLVMHにとって一番売上の大きい地域が一番成長しているということです。

またフランスを含む欧州は全体の34%に過ぎない点にも注目してください。つまりLVMHは典型的な多国籍企業なのです。

中国の消費市場は近年二極分化していると言われています。つまりニュー・リッチ層と呼ばれる裕福層がどんどん増えており、その他大勢との格差が広がっているのです。このニュー・リッチ層は1980年代の日本と同じで極めて世界の流行に敏感でブランド・コンシャスです。ルイヴィトンはグローバル・ブランドの中でも中国に良く喰い込んでいるブランドなので好適な銘柄と言えるでしょう。

「中国の人民元はいずれ切り上げられる」と考える投資家の皆さんが多いですが、若し人民元が切り上げられれば日本の80年代の頃とおなじ「金ぴか時代」がくるわけだから、LVMHは急騰するはずです。