ブラジルのブームに隠れて「元祖エマージング・マーケット」のひとつであるメキシコを顧みる投資家は殆ど居ません。

でも僕はブレディ・プランに端を発するラテン・アメリカの構造改革は実務を通じてつぶさに見てきたし、中でもメキシコ企業の株式上場は心血を注いだ仕事でした。新興国投資に必要なノウハウの大半はメキシコ市場での、地獄を這いまわるような体験から身に付けたと言っても過言ではありません。

その意味で今でもメキシコは思い入れのある市場です。

残念ながら、今はメキシコに投資するのには良いタイミングではないと思います。なぜならメキシコは金融危機からの立ち直りが遅れているからです。

でも他の国より「一周遅れ」でヨタヨタついてきている国ではあるけど、今後はだんだん面白くなると感じています。



そう思う理由は銀行のIPOが相次ぐ可能性が強いからです。

メキシコは国内の地場銀行がどんどん外国のメガバンクに買収され、海外資本の軍門に下りました。下のグラフは国内で活動する外国銀行の比率を総資産ベースで比較したものです。

外銀比率


メキシコの場合、外銀が8割以上の資産を牛耳っていることがわかります。それではどのような銀行が実際にメキシコで営業しているかと言えば、、、

外銀


上のグラフのようになります。

さて、この銀行名を見るとスペインのBBVA(バンコ・ビルバオ・ビスカヤ)やサンタンデール、そしてアメリカのシティグループなどが上位を占めています。

スペインはこれから国内の焦付きが急上昇するので、銀行は資本増強をしなければいけません。その最も手っ取り早い方法は海外支店網の処分です。

すでにサンタンデールはサンタンデール・ブラジルのIPOを敢行しました。

だから同様にメキシコの資産をIPOすることは想像に難くありません。

またシティグループもバナメックスという優良銀行を持っています。これも場合によっては処分しなくてはいけなくなるかも知れません。