メキシコの2009年のGDP成長率は-6.8%と過去30年で最悪でした。

そうなってしまった理由は:

1.外銀によるクレジット・クランチ
2.米国経済への過度の依存
3.原油価格の急落

が原因です。

メキシコでは外銀が幅を利かしており、シティをはじめとするそれらの外銀はリーマン・ショックの後で新規融資が出来なくなりました。アメリカ国内ではFRBが緊急に流動性を注入したことでクレジット・クランチはある程度食い止められましたが、メキシコは後回しにされたのです。

またメキシコは輸出の90%を北米に依存しており、米国経済の鈍化は貿易の急減を招きました。さらにメキシコからは多くの出稼ぎ労働者がアメリカに行っており、彼らは住宅建設や園芸、レストランの厨房などで働いています。

それらのサービス業は景気が悪くなると最初に切られる職業なので今回のリセッションの影響を大きく受けました。その結果として年間約180億ドル程度にものぼるアメリカからメキシコへの労働者の送金の少なからぬ部分が減ってしまったのです。

さらに悪い時は悪いことが重なるもので、メキシコの重要な輸出品目である原油価格の急落で国庫の収入が減りました。



1994年から1995年にかけてのペソ危機のときはペソが急落し、その関係で年率50%を超えるハイパー・インフレになりました。このため借金をしていたマイホームのオーナーや企業は借金が返せなくなってしまったのです。(下の焦付き残高のグラフ参照 赤が95年、紺色が今回)
Delinquency


今回はそういうペソの暴落やハイパー・インフレはありません。メキシコの国債利回り(下のグラフ 赤)も他の新興国並みで、異常な動きにはなっていません。
EMBI


つまり米国経済が成長しはじめると再びメキシコもリズムを取り戻す可能性が高いのです。

メキシコ経済はその70%がサービス業から成っており、その復活を取りにゆくには銀行株を買うのが最適です。今は最初に書いたようにADRで適当なメキシコの銀行は存在しません。でもIPOでバナメックスやBBVAバンコメールが若し出てくるのなら、チョッと乗ってみたいなと考えています。