最近のアメリカの映画の賞味期間は1日だと言われています。

どんなに新聞などで宣伝しても実際に映画を見た観客が映画館から出てきて「この映画、つまんない」とTwitterでつぶやくだけで翌日からその映画の入りはガクッと落ち込みます。

その意味でTwitterやフェイスブックなどの、所謂、ソーシャル・メディアは非情かつ容赦無い存在なのです。

今回トヨタが謝罪するのが遅れた件について「アメリカではリコール問題が発生したら、簡単に謝らない方が良いという高度な経営判断がある」という新聞記事を見かけましたが、若し日本の経営者が本気でそんな馬鹿げたセオリーを信じているのなら、これからの時代、ひとたまりもないでしょうね。

ソーシャル・メディアに背を向ける企業は真っ先に消えてゆく企業です。

なぜソーシャル・メディアが重要かと言えば、それは消費者は自分と同じ消費者の声に最も影響されやすいからです。

アメリカにはbanner blindnessという言葉があります。つまり消費者はネットを閲覧するときバナーに殆ど気を配らないのです。

だから企業がどんなに気の効いた、デザインの良いバナーを出したところで、それが消費者の閲覧しているウェブページの中身と上手くマッチしていなければ広告の効果は無いのです。

これとは対照的に読者は他の読者のコメントには敏感に反応します。

だから批判的なコメント、ネガティブなコメントが出始めたら、即、企業は行動を起こさないと駄目です。そして「Twitterにこんなコメントがでています」という情報は経営のトップにすぐ知らされるべきです。

こういう風に書くと(Twitterって、怖いな)と思う経営者も居るかもしれません。

でも恐れる必要は無いのです。

なぜなら企業が良い商品を作り、消費者が満足している限りは好意的なコメントや熱心な支持の声が届くからです。

今回のトヨタの事件でもアメリカのTwitterをみていて感じたのは「いや、トヨタはそんな会社じゃない。僕はトヨタのファンだ!」と公言するつぶやきが後を絶ちませんでした。つまりトヨタが長年、積み上げてきた実績や風評には一定のresilience(打たれ強さ)があるのです。

ところがトヨタの経営者はそういう圧倒的なトヨタ支持の、草の根的な盛り上がり(ground swell)を全く生かせなかった

今となっては後の祭りですが、トヨタが行うべき対応は:

1.先ず謝る
2.ユーザーにフィードバックを求める(大部分のユーザーは「うちのクルマはOKだよ」と言うに決まっています=それが消費者を安心させるのです)
3.どうすればよいかをユーザーに聞く(消費者が問題解決に「参加」するチャンスを与えられれば、暴論を吐く人間は減り、冷静な消費者のリーダーの周囲に大衆があつまり、皆で解決策を考えるようになる)

だったと思います。


結局、フェイスブックのシェリル・サンバーグ(グーグルのアドセンスを立ち上げた女性)が主張していることは、上のような企業と消費者のコラボレーションなのです。