中国の不動産市場の様子が、何かヘン。

数日前のウォール・ストリート・ジャーナルに中国の不動産市場は地方政府によって設立された、少なくとも8000社にのぼるペーパー・カンパニーが抱える簿外債務によって支えられているという記事が出ました。

それによると中国では銀行が直接政府機関に融資することは制限されているため、地方政府は先ず特別目的事業体(SPE=早い話がペーパー・カンパニー)を設立し、そのペーパー・カンパニーが融資を受けるというスキームが横行しているのだそうです。

ペーパー・カンパニーを設立する目的は地方政府が「本尊」であることを隠ぺいすることにあるわけですから、それらの貸付は銀行のディスクロージャーでは「企業向け貸付け」という風に分類されます。

中国の地方政府の予算はしばしば財政均衡を欠いており、借金の利払いのために農地を開発のために転売する(その際、地方政府にはお金が転がり込んできます)ことで辻褄合わせが行われます。

すると借金の利払いのために開発案件をOKし、その開発を進めるためにペーパー・カンパニーを設立して融資を受けるという悪循環になるのです。

銀行融資が続く限りはこの自転車操業は続き、入居者がはいるあてのない住宅やオフィスビルがどんどん建つというわけです。

過去5年間にこのようなペーパー・カンパニーに貸し付けられた融資総額はノースウエスタン大学のビクター・シー助教授の試算では145兆円にものぼるのだそうです。

さて、こうした不健全な「トランプの家」の積み上げは中国政府が融資を続ける限り続くというのが主流派の考え方になっています。

「クレジット・イベント(=デフォルト)が起こらないのだから、何時まででもこのゲームは続けられる」というわけです。

ただ僕はそういうアメリカ人の考え方には少し違和感を持っています。

なぜなら日本人として1990年のバブル崩壊を振り返ったとき、特に何かの企業の破綻が引き金になったのではなく、まず新年から毎日株が下がり続けるという株式市場の異変が先に来て、いろいろな問題が噴出したのは確かその後だったように思うからです。

またドットコム・バブルの崩壊のときも別にクレジット・イベントが引き金にはなりませんでした。このときは僕は(バブルがいつ崩壊するか)ということを身構えながら注視していたので、どんなに小さな兆候も見逃さなかった自信があります。あのとききっかけになったのは:

「ん?!”#$%&、、、設備投資が、、、なんかヘン。」

というきわめて漠然とした直感を多くのIT企業の経営者や市場参加者が抱いたということです。

気が付いたら、音楽が止まっていた、、、


そこから阿鼻叫喚の状況になるまでには、それほど長い時間はかかりませんでした。