本記事はゲストブロガーからの投稿です。今回はEiichirohさんです。

ゲストブロガー:Eiichiro
ブログ: ニューノーマルの理
「国債保有「日中逆転」に疑問 米アナリスト分析」

日本の保有率の押し上げ要因として、民間の買い増しが挙げられているのですが、景気の先行き懸念が大きい事からリスクの大きい金融資産から米国債に振り分けられているという見方が大きい。
ただ、米財務省の公表する数字はあてにならないとの事。

米財務省が集計する国債保有データは、6月の年次調査で記録された持ち高の数字を使っており、これは月次の取引情報を加えることで調整される

との事で、6月から離れるにつれてアバウトになりがち、との事。
そう言われても、確認のしようなんて無いので受け入れるしかないのだが、このような意見もあるという事で。

「威嚇」でない公定歩合の引き上げ

先日の公定歩合の引き上げは、利上げ観測を呼びこんだって事になってるのだが、その懸念を打ち消すような発表がその後続いた。

1月の米消費者物価指数、前月比0.2%上昇 コア指数は下落
第4四半期の米住宅ローン差し押さえ・延滞が過去最悪に


さらには「バランスシート縮小」を掲げ、2月頭にも信用プログラム一部打切りを発表したFRBだが、実際の資産総額は変わっていないどころか、昨秋よりも微増となっている。
理由としては上記の住宅市場の下支え。 しつこく言ってるように、銀行のポートフォリオとMBS市場の一体化を考えると、MBS買取延長は目に見えていた。延長というか買取の継続。米FRB、MBS買い取り計画終了後も買い取る可能性
FRBのバランスシート


FRBは実際には、バランスシートを縮小していない。信用プログラムを縮小させると共に、MBS買取余地を作っているようにも見える。いちおー「出口」は念頭に入れている為、トータルの総額を踏まえ、バランスを取っている訳だ。

マチュリティ

_米連銀貸し出しは減少、バランスシートは拡大=FRB

そんな住宅市場を見ても、利上げできる環境にない訳ですが、失業率にしてもそう。10%前後で止まる米失業率だが、長期の「26週オーバー」は、相変わらず上昇。

(Table A-12.Unemployed persons)

27 weeks and over Seasonally adjusted

Jan. 2009 2689
Sept. 2009 5447
Oct. 2009 5620
Nov. 2009 5901
Dec. 2009 6130
Jan. 2010 6313


26週間以上の失業者数

長期失業者の増加は、雇用環境悪化の長期化を保証しているようなもの。
よって公定歩合の引き上げは、利上げの威嚇射撃ではなく、金融機関がFEDに依存せずにインターバンクでの融資を促すためのもの、という論調が正当化される。(申し入れもなかったようだし)

クルーグマンもNYTのブログ(Paul Krugman Blog - NYTimes.com) で、その事に言及。

Is the Fed Getting Ready to Tighten?
                    (February 20, 2010, 8:51am)
Officials say no. But there’s a lot of speculation that the rise in the discount rate presages further action. Let’s hope that this is wrong. It’s worth noting that after the 2001 recession, the Fed waited almost three years before it began to tighten:
FFレート

要するに、引き締め準備に向かっていないという記事。 
公定歩合の上昇が更なる行動(利上げ)の前触れとなる多くの観測があるが、その観測が間違っている事を望もう。2001年のリセッション後、利上げに踏み切るまで3年を要している、というもの。
さらに記事では、インフレ圧力の弱さと、とても高い失業率等、利上げを正当化する理由がない、としており、上記の報道と重複する内容となっている。

バーナンキは、24、25日に下院金融委員会と上院銀行委員会で金融政策について証言するようですが、利上げの前触れでない事を改めて証言するものと思われる。