スタンダード&プアーズに続きムーディーズがギリシャの財政政策に不安を表明し、「格下げを検討する」とコメントしたことで先週予定されていたギリシャの40億ドル相当の国債発行は頓挫しました。

それにしても奇異な展開です。

なぜならほんの数週間前、ギリシャ政府の国債売り出しを仕切っている主幹事投資銀行は「ギリシャ国債は上々の人気で完売状態だ」と豪語していたわけですから。

今回、すごすごと売出しを取り下げたギリシャ政府は「時期が良くなるまで、様子を見る」と言っています。でも有り体に言えば普通のやり方での借り換えの途はもう閉ざされてしまったと理解すべきでしょう。

様子を見ると言ったって、向こう数カ月のうちに更に340億ドル相当の借り換え期限が来るのです。

今回、たった40億ドルすら調達できなかったのに、どうやって340億ドルを調達するんですかね?


さて、ギリシャがコケたら、スペインなどがすぐ後に続くというのが多くのウォール街関係者の見方です。実際、PIIGS(豚国=ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)というニックネームさえ生まれています。

日本の投資家はこれらの国の苦境は「対岸の火事」くらいに思っているようですが、実はPIIGS各国の国債は日本で売られている「グロソブ」型のファンドにも結構、組み入れられているんですよ。

このタイプの投信は実に沢山出回っているので、その全部をここで列挙するのは到底不可能です。ですから下のリストは網羅的ではないし、特定のファンドをあげつらう意図は全くありません。

でも受益者の皆さんの注意を喚起する意味で、敢えて固有名詞を出した方がリアル感があるかなと、、、、(笑)

PIIGS各国の国債の組み入れ比率は各ファンドの最新月次レポートから拾いました。

それからこれは蛇足ですが各ファンドの運用担当者のコメントには未だPIIGSの問題についてきちんと正面からファンドマネージャーの見解を述べていないものが多いですね。

そのへん、次のレポートあたりでしっかり書いてくれると嬉しいですね。

グローバル・ソブリン・オープン(国際)
イタリア15.8%、スペイン7.2%、ポルトガル2.4%(1月29日)

三菱UFJ外国債券オープン(三菱UFJ)
イタリア11.68%、スペイン4.74%(2月17日)

ニッセイ高金利国債券ファンド『スリーポイント』(ニッセイ)
イタリア29.6%(1月末)

ワールド・ソブリン・インカム『十二単衣』(岡三)
イタリア10.0%(1月25日)

三菱UFJグローバル・ボンド・オープン『花こよみ』(三菱UFJ)
イタリア28.6%(1月29日)