「金融危機を引き起こしたウォール街の連中はチョッと自重して欲しい!」
これは米国民の率直な感情です。
ワシントンDCの政治家センセー達も新金融規制法案とかでウォール街をぎゃふんと言わせる方法を編み出すのにアタマを悩ませています。
そういう時節柄、ウォール街の連中は死んだフリしておとなしくしているのかと思いきや、ウォール街の懲りない連中は早くも新しいゲームに熱中しています。

そのゲームとはスピンオフのブームです。
それを説明する前にここ20年くらいの米国の金融界のトレンドを振り返ってみます。
米国では金融機関のM&Aが進み、銀行の数がどんどん減りました。また証券会社と銀行をくっつけて、ユニバーサル・バンキングを目指すことも流行しました。
このように買収でスケールメリットを出すやり方をロールアップ(Roll-up)と言います。
ロールアップは別に金融界だけで流行したものではなくて、1970年代のコングロマリット・ブームのときにはITT、ガルフ&ウエスタン、ユナイテッド・テクノロジーズなどいろいろなコングロマリットが存在しました。
一例を挙げればITTは本業の電信の他に食パンやバルブ、ハートフォード保険、エイビス・レンタカー、シェラトン・ホテルなど、全く脈略の無いビジネスを継ぎ足したフランケンシュタインのような企業でした。
だから金融の世界で、気が付いたらシティグループ(C)のような「大きすぎて潰せない」怪物のようなメガバンクが出来あがってしまったのは当然の成り行きです。
前FRB議長のポール・ボルカーは大きすぎて潰せないような金融機関はいけないから、それを規制する法案を作ろう!と働きかけています。
でもハッキリ言わしてもらえばボルカー翁のスピードは遅すぎます。
今はインターネットの時代。何事も変わり身が早いのです。
実際、ウォール街はワシントンから指図される前に自ら自分達の「解体」に取り掛かっています。
ITTの例に今一度立ち戻れば、70年代まではどんどんRoll-upで積み上げていったビジネスを80年代以降はどんどんスピンオフで吐き出して行ったのです。
さて、ここがウォール街の錬金術の摩訶不思議なところなのですが、Roll-upすればするほど企業価値が上がるのであれば、普通ならSpin-offすれば価値は減少すると思ってしまうのです。
しかしそういう考え方しか出来ない人にはインベストメント・バンカーは務まりません。
Roll-upで株価が騰がらなくなれば、今度はどんどんSpin-offで事業売却すれば良いのです。すると面白いことにまたまた株価は騰がります。
ようするにウォール街で一番大事な事はLooking busy、つまり忙しそうに振舞っている事なのです。そうすれば騙されやすい投資家は安心してしまうのです。
■ ■ ■
最近、AIGがアリコやAIAを売却しただの、RBSが支店網を処分する意向だとか、シティがプライメリカを売りに出したとか、いろいろなニュースが聞こえてきます。
すると一般の人は「ふうん、やっぱり政府が株主になったから、いろいろな圧力でイヤイヤ売らされているんだな」と思うわけです。
それは違います。
彼らは進んで解体作業に取り組んでいるのです。それも嬉々として。
しかも商売のネタがメガバンク自身なわけですから、これはもう勝手知ったる世界。
アメリカでは「インベストメント・バンカーは自分のオフクロだって売り飛ばしかねない」とよく言われますが、その利己主義パワーが内向きに炸裂しているのが今のウォール街なのです。
株価ですか?
相場に出来ないと思えば、彼らはそんな事はやりません。
これは米国民の率直な感情です。
ワシントンDCの政治家センセー達も新金融規制法案とかでウォール街をぎゃふんと言わせる方法を編み出すのにアタマを悩ませています。
そういう時節柄、ウォール街の連中は死んだフリしておとなしくしているのかと思いきや、ウォール街の懲りない連中は早くも新しいゲームに熱中しています。

そのゲームとはスピンオフのブームです。
それを説明する前にここ20年くらいの米国の金融界のトレンドを振り返ってみます。
米国では金融機関のM&Aが進み、銀行の数がどんどん減りました。また証券会社と銀行をくっつけて、ユニバーサル・バンキングを目指すことも流行しました。
このように買収でスケールメリットを出すやり方をロールアップ(Roll-up)と言います。
ロールアップは別に金融界だけで流行したものではなくて、1970年代のコングロマリット・ブームのときにはITT、ガルフ&ウエスタン、ユナイテッド・テクノロジーズなどいろいろなコングロマリットが存在しました。
一例を挙げればITTは本業の電信の他に食パンやバルブ、ハートフォード保険、エイビス・レンタカー、シェラトン・ホテルなど、全く脈略の無いビジネスを継ぎ足したフランケンシュタインのような企業でした。
だから金融の世界で、気が付いたらシティグループ(C)のような「大きすぎて潰せない」怪物のようなメガバンクが出来あがってしまったのは当然の成り行きです。
前FRB議長のポール・ボルカーは大きすぎて潰せないような金融機関はいけないから、それを規制する法案を作ろう!と働きかけています。
でもハッキリ言わしてもらえばボルカー翁のスピードは遅すぎます。
今はインターネットの時代。何事も変わり身が早いのです。
実際、ウォール街はワシントンから指図される前に自ら自分達の「解体」に取り掛かっています。
ITTの例に今一度立ち戻れば、70年代まではどんどんRoll-upで積み上げていったビジネスを80年代以降はどんどんスピンオフで吐き出して行ったのです。
さて、ここがウォール街の錬金術の摩訶不思議なところなのですが、Roll-upすればするほど企業価値が上がるのであれば、普通ならSpin-offすれば価値は減少すると思ってしまうのです。
しかしそういう考え方しか出来ない人にはインベストメント・バンカーは務まりません。
Roll-upで株価が騰がらなくなれば、今度はどんどんSpin-offで事業売却すれば良いのです。すると面白いことにまたまた株価は騰がります。
ようするにウォール街で一番大事な事はLooking busy、つまり忙しそうに振舞っている事なのです。そうすれば騙されやすい投資家は安心してしまうのです。
■ ■ ■
最近、AIGがアリコやAIAを売却しただの、RBSが支店網を処分する意向だとか、シティがプライメリカを売りに出したとか、いろいろなニュースが聞こえてきます。
すると一般の人は「ふうん、やっぱり政府が株主になったから、いろいろな圧力でイヤイヤ売らされているんだな」と思うわけです。
それは違います。
彼らは進んで解体作業に取り組んでいるのです。それも嬉々として。
しかも商売のネタがメガバンク自身なわけですから、これはもう勝手知ったる世界。
アメリカでは「インベストメント・バンカーは自分のオフクロだって売り飛ばしかねない」とよく言われますが、その利己主義パワーが内向きに炸裂しているのが今のウォール街なのです。
株価ですか?
相場に出来ないと思えば、彼らはそんな事はやりません。







広瀬隆雄(Hirose Takao)
ツイッターノミクス TwitterNomics
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