かねて報じられていた通り、中国移動(CHL)は上海浦東発展銀行の20%株式を約58.3億ドルで買収すると発表しました。

取得価格は上海浦東発展銀行の終値の13%ほど下のところです。

普通の業務提携なら「時価」で取引するのが当たり前。それが中国移動に有利(=なぜならディスカウントになっているから)な条件での値決めになっている点は対等な立場で交渉が進められたのではないことをほのめかしていると言えます。

つまり今回の取引は実質的に上海浦東発展銀行の資本強化のための増資を中国移動が引き受けたことを意味し、これは「なあなあの関係」の取引なのです。



なるほど電子決済事業は中国移動にとって重要な戦略的な展開かも知れません。

百歩譲ってその重要性を認めたところで、なぜ中国移動ほどの大企業が上海浦東発展銀行をeコマース・パートナーにしなければいけないのか、僕には納得が行きません。本気でやるなら他にもっと適当な銀行はいくらでもあるのです。

さらに銀行と協力して電子決済事業をするためには何も資本関係を持つ必要はありません。実際、外国ではそういう例は無いと思います。

何もないところから電子決済のプラットフォームを構築しても5000億円もの資金は必要としない筈です。

中国移動のガバナンス(企業統治)に関して深刻な疑問が投げかけられるのは当然であり、国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)がこの取引に難色を示しているのは当然のことです。