金融危機が世界を襲って以来、中国政府の経済政策は雇用の維持にありました。
しかしここへきてインフレ抑制が最も重要な政策課題となりつつあります。

昨日発表された1月と2月の消費者物価指数は+2.1%、生産者物価指数は+4.9%でした。1月単月での数字はインフレの一段落を思わせる数字だっただけに2月に入ってから物価上昇が再加速したことは疑いありません。
中国の物価
既に中国政府は銀行に対しリザーブ・リクワイヤメント(預金準備)比率を引き上げるなどの指導をしています。

2月の銀行融資はこうした引締めを反映して7000億人民元と1月の水準より下がっています。
銀行融資


しかしこれまでの引締めでは上手くインフレを抑え込めていない観は否めません。

いま中国ではちょうど1980年代に日本人が感じた焦りと同じ焦りを庶民が持ち始めています。

それは「まじめに働いているのにマイホームすら持てない」という焦りです。

現在の中国のミドルクラスの人々にとってマイホームは子供の教育などと並んで人生の究極の目標です。

なるほど給与水準も上がってはいるけれど、、、それよりもっと早いペースで物件価格が上昇しているのでマイホームの夢は遠くなるばかり。

人々は家を買うための頭金をこしらえるためにせっせと貯蓄しているのです。中国の国内での消費がいつまでたっても冴えない理由は国民が我慢して貯金しようとしているからであり、決して国民性として彼らがケチだからではありません。

「まじめに働いているのにマイホームすら持てない」という不満を持つ層が社会で多数派になると危険です。なぜなら彼らは不動産市況が下がるのを待ち望み、調整局面を歓迎するからです。

日本でも1990年以降株や住宅価格が下がり始めた時、それを歓迎するムードがありました。(ちょっと調整すれば、また上昇局面が来るだろう)という考えがその背景にありました。

中国では株が少しぐらい下がっても暴動にはなりませんが、不動産価格が急騰したり、食品価格が急騰すると社会不安は一気に噴出します。