急成長している新興国というとすぐに中国を思い浮かべますが、未だ手垢の付いていない国をひとつ紹介します。それはパナマです。

パナマと言えばパナマ運河が有名です。
実はこの運河はスエズ運河を作ったレセップスの構想により作られました。
つまりフランスのイニシャチブで始められたプロジェクトでした。

しかしこの手の大規模開発につきものの予算オーバーでパナマ運河は破綻し、1914年にアメリカがその運営権を取得します。それ以来、1999年までアメリカの運河支配は続き、ようやく2000年にパナマ政府に返還されたのです。

パナマは現在のGDP規模にして大体、260億ドル程度の国ですから、パナマ運河が返還され、運河の通航料、諸々のサービス施設の使用料、さらに運河にまつわる観光収入などがパナマの地元に落ちるようになったことは、地元経済に大きな影響を及ぼしました。

最近のクリスチャン・サイエンス・モニターのブログによるとパナマ運河返還以降、去年までにパナマは運河に絡んだ収入で47億ドルを稼ぎ出しました。アメリカの管轄下にあった1914年から1999年までの間の全ての期間のパナマの地元に落ちた運河に絡む収入が僅か18億ドルであったことを考えると、如何にアメリカがパナマを搾取していたかがわかります。

今日ではパナマ運河からの通行料収入はパナマ経済にとって極めて安定した「年金」になっています。
そのうえパナマは運河がアメリカに召し上げられて以来、どうやって小国の経済を活性化するかという問題にいろいろ試行錯誤してきました。

そこで同国はバンキング(金融業)観光という2つの産業を育成することに力を入れました。

このためパナマはこんにちでは税金天国として有名になっています。

さらに金融危機でフロリダやアリゾナやスペインなど、欧米人が好んで老後を過ごすリタイアメント先の不動産市況が崩れてからは、パナマは新しいリタイアメント先として俄かに注目されています。

しかもパナマ運河はこれから総工費50億ドルを超える運河拡張工事が計画されており、これが好景気をもたらすことはほぼ間違いありません。

今後中国とブラジルやベネズエラなどの資源国との交易が盛んになれば今のパナマ運河では間に合わなくなるというのが拡張の動機であり、中国政府にとってもスケジュール通り運河を拡張することは強い地政学的な利害のある案件です。

もともとパナマは人口の約5分の1が中国系と言われています。これは最初のパナマ運河を作った時に中国から沢山出稼ぎの人々がパナマに流入したことがその起源であり、その意味ではロッキー山脈を越える鉄道を敷設するため、中国人の労働者が沢山カリフォルニアに定住したのと同じ時代背景だと言えるでしょう。

そういう経緯でパナマは元々の植民地宗主国であるスペイン、運河の投資家であったフランス、そしてアメリカと中国という、極めてバラエティーに富んだマルチ・カルチャー社会を形成しているのです。

このようにパナマは運河を通じて世界、とりわけ中国の輸入の成長にリンクした成長が見込まれています。

中南米GDP

またインフレは中南米の国としては極めて安定的に推移しています。
中南米インフレ率


たぶん格付け機関は来年くらいまでにはパナマを投資適格国にアップグレードすると思われます。

さて、それではどうやってパナマに投資すれば良いか?という問題ですが、一番簡単な方法はパナマ籍の航空会社、コパ(CPA)が良いと思います。

コパ(CPA)は1990年代にアメリカのコンチネンタル航空を倒産からターン・アラウンドさせた辣腕経営グループが支援し、世界最先端を行く経営ノウハウで運営されている企業です。もっと有り体に言えば世界の全ての航空会社の中で最も儲かっており、財務内容が良く、安定的な成長見通しを誇っている航空会社だと言い切れると思います。

同社のハブ空港はパナマ・シティのトクメン空港で、ここから中南米を中心とした世界45都市を結んでいます。

使用機材はボーイング737とエンブラエル190で現在63機所有しています。

コパのロードファクターは75%で安定しています。またEBITDAマージンは26.8%あります。純負債・資本比率は40%でこれはサウスウエスト航空に次いで2番目に低いです。