インドで重要な法案が動いています。

それは国会、ならびに州議会の議席のうち3分の1をはじめから「女性枠」として確保することを法制化する憲法改正の法案です。

先週、この法案がインド上院を通過しました。次の関門は下院です。さらにインドの28の州のうち、少なくとも半数で承認される必要があります。これらはいずれも超える事の難しいハードルであり、今後も紆余曲折が予想されます。

そもそもこの法案が最初に起草されたのは1996年のことで、インド社会では伝統的に女性が社会的地位や経済面で弱者の立場に立たされており、それを是正するには先ず政治の世界で女性の発言権をしっかり確保することが必要だという発想から考案されました。


しかしこの法案は男性の代議士からは当然支持されにくいし、地方の遅れた地域の政党はそもそも有権者の無知や経済的困窮に付け込む形で自らの影響力を拡大するような面があったので、長年、執拗な抵抗に遭い実現しませんでした。

この法案の支持者は女性の権利の擁護は家庭内暴力や差別や不平等の是正に効果を発揮すると期待しています。

今回の上院通過で改めてソニア・ガンジー与党国民会議派総裁の「根回し力」の凄さに注目が集まっています。

ソニア・ガンジー総裁はじっくりと反対意見を聞き、じわじわとコンセンサスを醸成してゆくタイプの政治家で義理の母であるインデラ・ガンジー元首相とは対照的なスタイルです。

彼女は昨年の選挙で国民会議派が番狂わせの大勝をした際に、敢えて自らは首相の座に就かず、経済学者のマンモハン・シンを首相に推しました。

権力の座から距離を置く事で一層彼女の政治力は高まるという、逆説的な現象が起きているわけです。