米国財務省はTARP(不良資産救済プログラム)の一環で取得したシティグループ(ティッカー:C)の株式77億株(発行済み株式数の約27%)を「ドリブル・アウト方式」で場で処分すると発表しました。「ドリブル・アウト方式」というのは予め株式売却を担当する証券会社を指定し、その証券会社の担当者の判断で、一定の規則に基づき、ほぼ間断なく持ち株を処分してゆく方法です。

最近のシティグループの一日平均出来高は5億株です。「ドリブル・アウト方式」では売り物を出すことで値を崩し、自分で自分の首をしめることを避けるため、せいぜい一日の出来高の8から10%程度しか処分できません。

仮に平均出来高の10%を処分するとして、政府の持ち株を全部売り切ろうと思うと154日要する計算です。これは結構、ボディブローのように効いてくる量ではないかと思います。


それではなぜこのようにわざわざ市場に手の内を知らせてしまうようなやり方をするのでしょうか?それは予め手順を決め、政府のタイミング判断ではなく、証券会社の担当者の判断でルール上、売って良い日に売ることで、インサイダー取引やその他、諸々の政治的な利益相反から距離を置くという意味合いがあるからです。

また上の説明では説明の都合上、プランド・セール(計画的売却)の過程を極めて単純化しましたが、通常はもっと遥かに洗練された金融ツールを駆使し、なるべく政府に有利な出来値を実現するのが担当証券の腕の見せ所なのです。