今日、ネット・ニュートラリティに関する裁判(控訴審)でFCCが負けました。

ネット・ニュートラリティは直訳すればインターネットの中立性ということになりますがもう少し厳密に言えば誰もが、どのようなコンテンツでも、どんなインフラや機器でも制限を受ける事なしに平等にネットにアクセスすることができるという原則を指します。

この原則に関して、重要な係争がケーブル会社のコムキャスト(CMCSA)とFCC(連邦通信委員会)との間で争われてきました。

そのきっかけとなったのは2008年にコムキャストの一部顧客がネット上で過度のファイル・シェアリングをやっており、帯域幅をものすごく消費したということで、「これじゃ、かなわん!」ということでコムキャストがそのユーザーの接続スピードを遅くした事件です。

FCCは「コムキャストには特定のユーザーが帯域幅を沢山消費したからと言って、接続スピードを遅くするのはネット・ニュートラリティの精神に反する」とし、一審では有罪を勝ち取りました。


しかし今日の控訴審では裁判所は「現在の法律ではFCCにはネット・ニュートラリティを強制する法的権限は無い」と判決が覆されました。

今日の判決は当然、コムキャストにとって勝利を意味します。またネット・ニュートラリティの原則はワイヤラインだけでなくワイヤレスのネットワークにも当てはまることから、一部のiPhoneのヘビー・ユーザーが帯域幅を一人占めしている問題に頭を悩ませているAT&T(T)にとっても胸をなでおろすニュースだったのではないでしょうか?

一方、オバマ政権はネット・ニュートラリティを支持してきました。

従って、今回、FCCが負けたことで「ちゃんとネット・ニュートラリティを法制化した方が良い」という動きが議会から出る可能性もあります。

ネット・ニュートラリティに関しては米国民の関心、理解が低いし、賛成、反対が真っ二つにわかれています。

もちろんネット・ニュートラリティに関しては今後も議論が続けられることと思いますが、そもそもネット・ニュートラリティがキャリア(通信会社)にとって差し迫った問題である理由はインターネットのインフラストラクチャへの過少投資のツケが回ってきているからだという見方も出来ます。