鳴かず飛ばずの状態が長く続いたチャイナ・モバイル(ティッカー:CHL)株がようやく動意付いています。下のチャートに見られるように長期下降トレンドラインを上にブレイクアウトしています。

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チャイナ・モバイルの株価がモタモタしてきた理由は中国の携帯電話業界の再編成とそれに伴う競争激化によります。2009年の通年の業績は3月に発表されていますが、同社にとってきわめて不本意なものだったのではないでしょうか?


先ず加入者成長率は08年から09年にかけて+14.2%でした。新規加入者数そのものは08年の8791万人から09年は6503万人に減り、新規加入者数の獲得シェアも08年の88%から09年は60%へと急減しています。

新規顧客の獲得という面で08年には「ひとり勝ち」していたチャイナ・モバイルが09年には激しい競争に晒された事をこれらの数字は示唆しています。

一方、売上高は+9.8%成長にとどまりました。またEBITDA成長率は+5.9%でした。EBITDAマージンは08年の52.5%から09年は50.7%へと1.8パーセンテージ・ポイント下落しています。さらにEPS成長率は僅か+2.2%でした。

このようにP&Lの上から下にいくほど成長率が悪かったのはARPUの減少、顧客離反率の上昇、通話時間(MOU)が頭打ちになったことなど、諸々の営業指標が劣化したことが原因です。

ARPUは08年の0.122人民元から09年は0.11人民元に下がっています。これは価格競争があったことを示唆しています。

顧客離反率(チャーン・レート)は08年の2.71%に対して09年は3.3%でした。

加入者の通話時間(MOU)は08年が492分、09年が494分とほぼ横ばいでした。

なお、良い点としては営業キャッシュフローは08年の1936億人民元から09年は2071億人民元に増えており、しっかりしていること、設備投資は今後漸減する予定であること、総売り上げに占める付加価値サービス(VAB)は29.1%で、今後この比率が増えると思われることなどです。