アメリカ株のジンクスのひとつに「新本社屋を建てた会社の株は上がらない」というのがあります。

昔、オラクルがレッドウッド・ショアに豪華な本社を建てたときも長い間同社の株価は足踏みしたし、アップル、スリーコム、ヤフーなど多くの会社が新本社屋の呪いを経験しています。

この呪いはハイテク企業だけに限りません。

金融で言えばベアスターンズ、リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーは全て新社屋に移ってから問題を抱えました。

この現象を科学的に説明するのは困難だと思います。

さて、ゴールドマンは最近、本社屋を新しくして、9・11で倒壊したワールド・トレード・センターの斜向かいの土地に新社屋を建てました。現在までに社員の7割程度の引っ越しが済んでいるそうです。

ほぼ引っ越し完了した矢先に今回の証券取引委員会からの訴訟騒ぎが起きたというわけです。

もちろん、これでゴールドマンの社運が傾くと決まったわけではないと思います。


先ず証券取引委員会の訴訟の内容はどちらかといえば曖昧な要素が強く、証券詐欺の立証は簡単ではない気がします。

さらにそもそも今回の金融危機では証券取引委員会の働きぶりそのものに対する批判や国民からの失望も強く、その「愚鈍な証券取引委員会」のイメージを払しょくするため、ムリしてゴールドマンに喧嘩を吹っ掛けている印象すらあります。

今回の事件に関して司法省が動いているのかどうかは僕には知る術もありませんが、司法省が動いていないのであればゴールドマンが大きなダメージを受ける確率は低いと思います。(法務省がRICOと呼ばれる、マフィアなどの犯罪組織に適用する法律を振りかざして金融機関に挑んでゆく場合は気をつける必要があります。なぜならRICOは適用の範囲が広く、しかも厳しい法律だからです。マイケル・ミルケンの活躍したドレクセル・バーナム証券はRICOが適用されると発表されたとたんに「あっ」という間に瓦解しました。)