新金融規制法案が異様な盛り上がりを見せ始めています。

ゴールドマン・サックスに対し証券取引委員会が起訴して以来、ワシントンDCではしつこく抵抗していた共和党議員が一転して潰走する敗軍のように新金融法案反対をひっこめはじめています。

そのさまをみてオバマ大統領は:

「ムッツ、これは、、、絵になるかもしれんな」

きっとそう感じたのでしょう。

急遽、ウォール街からそう遠くないクーパー・ユニオン(=普段はパンク・ロッカーやアーチスト達がたむろしているイースト・ヴィレッジの公会堂でございます)で新金融法案に関する演説を決め、まるでDデイの落下傘部隊のノリでニューヨークに乗り込みました。



今日のマーケットはギリシャの去年の財政赤字の報告が「インチキだった」とユーロスタットが指摘したというニュースで大幅安で寄り付いたのですが、クーパー・ユニオンでの演説がはじまるとじりじり上昇し、結局、プラスで引けています。

「ウォール街をぶっ潰せ!」という演説をしているのに、なぜ相場は高かったのでしょう?
それはこの新金融規制法案の大部分はレトリックであり、中身を伴わないザル法になるという観測が出ているからです。

今日は終日、「watered down」、つまり水で薄められた法案になるという「つぶやき」がネットを駆け巡りました。

実際、ニューヨークの邦人女性Tweet軍団からの情報では、ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクフェインCEOがかぶりつきでオバマ大統領の演説を聞いていたとか。

つまり民主党も賛成、共和党も賛成、ウォール街も賛成、、、みんなが新金融法案をヨイショに回っているという図なのです。

(なんだこれは、大政翼賛会か?)

おまけにオバマ政権は非公式に「どんなにこの法案が骨抜きになっても、オバマ大統領は拒否権を発動しない」という事をシグナルしています。

要するにウォール街更生の形骸化、茶番化がいまわれわれの眼前で起こっているのです。

(ウォール街のルイ太陽王、JPモルガンのジェイミー・ダイモンの姿はクーパー・ユニオンにはありませんでした。不在が逆に彼の隠然たる存在感を増しているところが帝王の帝王たるゆえんというわけ。)