ブルームバーグ主催のヘッジファンド・カンファレンスでJPモルガンのジェス・ステーリーがインタビューに応えています。

ジェスはJPモルガンの現在のCEO、ジェイミー・ダイモンが実質的に次期CEOとして名指しにしている人物です。

このビデオは25分と長いですがこれを見ればジェス・ステーリーが極めて思慮に富んだ思考のできる人間であることは明らかです。

以下抄訳しておきました:

【ジェス・ステーリー】

金融界が内省的になり、過去のおこないの是非について考え直してみるということは健全な行為だ。公の場で銀行業が社会に対して果たすべき役割をみんなでディスカッションするというのは良い事だと思う。

およそ金融機関の関係者なら誰もが気付いていると思うが、金融機関にとって最もたいせつなものは評判だ。

私が夜、寝つきが悪くなるのはバランスシートの問題ではなく、評判をどう維持するか?という問題である。

ワシントンでおこなわれている金融規制法案に関する討議は避けて通れないものであり、いろいろな建設的な意見も出ている。新しい法体系が2008年の金融危機みたいなことを繰り返さないためのフレームワークになれば良いと思っている。

金融というのは商取引にとって酸素のようなものであり、世界の商業はお互いに密接につながっているのだから金融業もそれに資することができるような体制になってないといけない。

今日のカンファレンスでの欧州の首脳のコメントで私が我が意を得たりと思ったのは「欧州が現在の難局を乗り切ろうと思うと、経済成長をする以外にない」という発言だ。

経済成長を実現するには商取引の活発化が不可欠だし、円滑な商取引を保証しようと思えば金融業がしっかりしていないと駄目だ。


JPモルガンはグローバル・エコノミーに対して建設的な立場から参加するという姿勢を忘れてはならない。

ひとはしばしば間違えるし、銀行家も間違える。ただ差が出るのは状況判断(ジャッジメント)で過ちを犯すのと行動規範(プリンシプル)で過ちを犯すという違いでだ。

プリンシプルは譲歩できない(ノン・ネゴシアブル)のだ。

ジャッジメントでの過ちを余り気にすると創造力や技術革新を削いでしまう。金融界がプリンシプルの面で襟を正しておれば、新しいものを創造しようとして失敗してもそれをあまり咎めるべきではない。

1929年の大暴落の後でグラス・スティーガル法が制定されたときは銀行が顧客の資産を運用する(=つまりヘッジファンドのビジネス)ことは利益相反という風には考えられていなかった。当時の賢者たちの判断がこんにちの新金融規制法案の策定に際しても尊重されると良いのだが。

JPモルガンではヘッジファンドのビジネスと投資銀行のビジネスの間ではフェデューシアリー・デューティーを全うするためのチャイニーズ・ウォールがある。このチャイニーズ・ウォールは今回の金融危機の局面でもきちんと作動した。

透明性がないところでは銀行業の利益が大きいという考えには私は賛成しない。或るイノベーションが金融界に起こり、それにマーケットが一生懸命追いつこうとしているとき、人々はそれを「透明性が無い」ということと勘違いする場合がある。近年、金融界で起こったこともこれと同じだ。

どんな技術革新にでも言えることだが、最初、イノベーションが起きると、社会がそれに追いつけなくなり、テクノロジーが社会にとって害をもたらすことがある。だから議会が新しい法律を作ってそれに追いつこうとするのは自然の事なのだ。

デリバティブのマーケットは巨大で、現代人にとって重要な生活の一部だから、それが「不透明」であってはならない。JPモルガンはデリバティブの透明性を求める。