鉱業セクターはオーストラリア経済の1割を占める重要な産業です。

その鉱業セクターはいま、増税を巡って揺れています。

新しく導入される法律は資源超過利潤税という名前で、2012年7月から施行される計画です。

具体的には一定の利益率を超えた分に関してはその利益に40%の税金を課し、政府はそれを他の福祉政策などに回すというものです。

初年度の資源超過利潤税から来る歳入は80億豪ドルと試算されています。

今年選挙を控えたオーストラリアで、ケビン・ラッド首相が人気取りのためにこの資源超過利潤税を打ち出したのだとアルジャジーラ(上の動画参照)は説明しています。


オーストラリアの鉱業界はこの課税が新規投資を削ぎ、オーストラリアの競争力を減退させると主張しています。

その一方で、「どうせ向こう20年から30年くらいは中国がオーストラリアの資源を買い続けるのだから、心配は要らない」という声も根強いです。

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僕の考えでは「中国はオーストラリアから資源を買う以外に無い」という主張は少し考えが甘いと思います。

実際、鉄鉱石(もっとも重要な商品です)ではオーストラリアはブラジルにどんどんシェアを奪われています。

中国は政府系投資ファンドでカナダの企業を買収したり、アフリカに進出することでリスク分散をはじめています。

オーストラリアの鉱山会社の幹部が鉄鉱石の交渉を巡ってスパイ容疑で中国政府に逮捕された事件は皆さんの記憶にも新しいと思います。

また最近では過剰投資の見地から中国からの需要が永遠に伸び続けることに関しては疑問を挟む声も高まっています。

それらを勘案した場合、今回の資源超過利潤税はきわめて悪いタイミングで導入されたと考えざるを得ません。

資源超過利潤税が導入されると大手鉱山会社の利益の2から3割程度が吹き飛ぶとも言われているわけですから、これは重要な問題です。

オーストラリアは慢心し過ぎではないでしょうか?