★★★☆☆(評者)広瀬隆雄
ツイッターノミクス TwitterNomicsツイッターノミクス TwitterNomics
著者:タラ・ハント 津田 大介(解説)
販売元:文藝春秋
発売日:2010-03-11
おすすめ度:4.5
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「ツイッターノミクス」の著者、タラ・ハントによればウッフィーとはブログ、Twitter、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーク上に築かれた信頼、尊敬、評価を指します

つまりネット上でのgoodwill(好意または財務の世界では「のれん代」の意味)がウッフィーなのです。

従来、企業がブランド・イメージを打ち立てようとするとテレビ広告をガンガン流すなどの方法で認知度向上を目指すやり方がありました。

ウッフィーに関してはそういう「カネで評判を買う」方法は通用しません。

また折角、莫大な宣伝広告費をかけて築いたブランド・イメージもネット上での評判を落としてしまうと思わぬスピードで毀損してしまうようです。


「ツイッターノミクス」に出ている、やってはいけないことのリストから一部を抜き出せば:

1. こちらから何かしてあげることをせず、頼み事を繰り返す
2. 自分ひとりの利益になることに関し手間のかかるアドバイスを求める
3. 自社の宣伝に役立つ場合のみ自社について話す
4. 秘密主義である

などです。逆にウッフィーを増やす行為としては:

1. 自社製品を購入しようとする人が判断に迷った時、正しい情報を提供する
2. 新入りのひと、つてがなくて困っている人に救いの手をさしのべる
3. 他のメンバーと協力してコミュニティの役に立つものをつくる
4. 大勢のメンバーの役に立つものを考え、共有する

などが挙げられています。(「ツイッターノミクス」に出ているリストはこれより遥かに多いです。)

ウッフィーを増やすことは企業にとっても個人にとっても有益なようです。

ウッフィーは上に列挙したような、他のネット・ユーザーとの交流(インタラクション)によってのみ蓄積されるものです。だから兎に角、やってみないと何もはじまらないし、ウッフィーを獲得するのにはそれなりの時間と努力が必要です。

本書、「ツイッターノミクス」は普段、ブログやTwitterをやっている人が苦労して、試行錯誤の末に学ぶノウハウを惜しげもなく披露しています。

だからこの本は(これから自分もウッフィーを蓄積しよう)と考えている人には役に立つと思いますが、そうでない人にとってはチンプンカンプンかもしれません。