中国の輸出競争力の強さは誰もが認めるところであり、この面で中国が苦労していると考える読者は少ないでしょう。

しかし実際はいろいろな苦労があります。

その中でも最大のものはイメージの問題です。

「中国は有能な下請だけど、ブランド力は劣る」

そういうイメージが欧米に定着してしまっているのです。

例えばアップルのMacBookの裏側を見るとDesigned by Apple in California, assembled in Chinaと書いてあります。

つまりMade in Chinaというシンプルな表現ではなく、中国が「組立屋」の立場に甘んじていることがまるで当てつけのように刻み込まれているのです。

デザインや知的所有権など付加価値の高い部分はアメリカが取り、薄利の作業の部分は中国がやる、、、そういう構図です。

もちろん、中国のビジネスマンはそういう立場に甘んじることを拒否しています。夢としては自分自身のブランドをアメリカや欧州で展開したいと願っています。

しかし現実はそれほど甘くありません。

そもそも中国のブランドが欧米で浸透していない理由は歴史的な経緯によるところが大きいです。

日本が高度成長期に海外に出て行った時には国際水平分業は未だ今ほど普及していませんでした。だから日本企業はアメリカや欧州で試行錯誤を重ねながら自らのブランドを売り込んで行ったのです。

これに対して中国の場合はトーマス・フリードマンが『フラット化する世界』の中で論じたように国際水平分業がきわめて高度に発達したために中国は欧米の企業から持ち込まれる商品の企画の実際の制作を担当することが主で、ブランドやマーケティングを考えるのは彼らの仕事ではない場合が多かったのです。

もちろん、すぐに仕事にありつけるという点では国際水平分業のサプライチェインにはじめから組み込まれるのはありがたいです。

逆にそのマイナス面としては完成品のマージンの大半の部分はブランドやデザインを牛耳っている欧米企業が取り、中国企業は工賃を貰うだけという事になり、万年薄利多売の立場から抜け出せない点があります。

もちろん中国だって自社のブランドで欧米にマーケティング展開することを考えていますが、なかなか壁は厚いです。

ソニーやトヨタなど、欧米人なら誰でも1ダースくらいの日本のブランドを思い浮かべる事が出来ますが、中国のブランドを問われると答えに窮するというのが現実です。

中国はこの問題を克服するために周到な戦略を練っています。

それは先ずブランド・イメージの点でハンデキャップが少ない市場で勝負し、だんだんクリティカルマスを築いてゆくというものです。

ZTEなどのハイテク企業が新興国への売り込みにとりわけ力を入れているのはこのためです。

わけてもアフリカは中国にとって極めて重要な市場です。

すでにアフリカ諸国と中国の間ではグロスベースで年間1000億ドルを超える貿易が行われています。


ここで興味深いのは中国はアフリカ大陸を単なる原油やボーキサイトなどの資源の供給者だという風に考えていない点です。アフリカは自分たちの商品を買ってくれる「市場」だと考えているのです。

だからアフリカ大陸と中国との間での貿易収支をみると輸入、輸出のバランスが取れています。(これと対照的にアメリカの場合、一方的な資源の買い付けだけで、輸出は僅かです。)

中国が先ずアフリカ諸国から資源を買う。次に中国はアフリカにモノを売り、アフリカ諸国が資源を売って貯めたお金を遣ってもらう、、、そういう資本のリサイクルを周到に考えているわけです。

別の見方をすれば、借金まるけになっているアメリカや欧州の消費者に中国がいつまでも依存するわけにはゆかないのでヘッジのために新興国の市場を開拓中であるという風に考える事もできます。

いずれにせよ中国の銀行は積極的にアフリカでのプロジェクトに融資を出しています。そして中国の建機やエンジニアを投入しインフラストラクチャの整備を後押ししています。これにより物流や社会インフラが整備されると一層アフリカと中国の貿易関係が緊密化する、、、そういう好循環を生み出そうと試みているわけです。

アフリカの成長はこのように「powered by China」の様相を呈してきているわけです。

それではアフリカに投資するには具体的にどのような投資対象があるのでしょうか?

これについては暫く前に書いた記事を参考にしてください。

それから大証二部上場のNEXT FUNDS南アフリカ株式指数というファンドもあります。