(これはいつか見た映画と同じ筋だな、、、)

今日、多くの投資家がそういう思いを抱きました。

ハンガリーの新政権が発足早々旧政権の財政規律の欠如を批判し、「我が国は次のギリシャになる」と爆弾発言したからです。これはギリシャで新政権が誕生したときのパターンと同じです。

ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相の報道官によると「我が国の財政は絶望的な状況にある。前政権が統計を粉飾し、我が国の置かれている状況に関して嘘をついた」のだそうです。

この発言を受けてハンガリーの通貨、フォリントは一時前日比-2.8%と急落しました。

ハンガリーのデフォルト保険の値段も跳ねあがっています。

これに関し市場参加者は(一体、どこまでが政治絡みのパフォーマンスなのかわからない)と当惑しています。


新政権としては不景気の原因を旧政権のせいにして、最初に洗いざらい悪いニュースを暴くことで責任をなすりつけようとしています。つまりハンガリー危機は「劇場化」しているのです。

ハンガリーの経済は構造的な脆弱性を抱えています。

ハンガリーの銀行の融資残高はコア・デポジット(小口預金)の120%に上っており、所謂、「オーバーローン」の状態になっています。

またその融資の6割は外貨建てであると言われています。

するとフォリントが急落すると借り手は借金の返済額が雪だるま式に増えるというリスクがあるのです。

またハンガリーは国営企業の欠損の穴埋めをちゃんと国家財政に反映されておらず、所謂、「飛ばし」が行われていると指摘する向きもあります。

これをちゃんと国家財政の連結対象として計算しなおせば財政赤字は現在のGDPの4%ではなく、GDPの7%に近いという意見もあります。

ハンガリーでは外資系の銀行が融資の過半数を占めており、大きい順で言えばオーストリアが資産の24%、ドイツが21%、イタリアが17%を占めています。

これはハンガリー問題が欧州の他の国へ飛び火するリスクを示唆しています。

ハンガリーは既にIMFからの救済を受けており、その代償として財政規律の強化を義務付けられています。フォリントを防衛するために政策金利は高目に維持されており、その関係で欧州の中でも最も景気が悪い国のひとつになっています。


追記:この話題に関連する記事
ハンガリー経済のまとめ (三回シリーズ その1)
ハンガリー経済のまとめ (三回シリーズ その2)
ハンガリー経済のまとめ (三回シリーズ その3)