政権交代があった直後に新政権が旧政権を批判する、隠れた粉飾が暴かれる、国民の我慢が限界に達する、、、ハンガリーが現在経験していることはギリシャ危機を想起させるものがあります。

しかし経済立て直しの苦しい道程の何処に現在のハンガリーがさしかかっているか?という点でギリシャとハンガリーでは微妙にニュアンスが異なります。

この違いを理解することは「ハンガリー危機」がギリシャ問題とは違うということをわかる上で大事だと思います。そこで3回にわけてハンガリーの経済について解説します。

まずハンガリーの経済規模ですがギリシャとは比べ物にならないほど小さいです。

国際資本市場に与える影響のひとつの尺度が対外債務だと思うので、まずその残高を見てみましょう。

ハンガリーの2009年末の対外債務はCIAによれば1168億ドルであり、これはギリシャの対外債務の僅か21%にしか過ぎません。
世界各国の対外債務



別の見方をすれば米国の対外債務の115分の1という言い方も出来ます。

ハンガリーは今回の金融危機では比較的早い時点で脆さを露呈し、いちはやく国際通貨基金(IMF)の救済の対象となりました。2008年の11月に200億ユーロの緊急融資をIMF、EU、世銀のコンソーシアムから受けています。

ハンガリーは政府部門の支出が増えたにも関わらず、その割にGDP成長率が冴えないという状態が金融危機前から存在しました。

下はハンガリーのGDP成長率のグラフです。2006年の時点では4%成長程度でした。
ハンガリーGDP成長率

しかしこの時、ハンガリー政府はどんどん支出を増やしており財政赤字は下のグラフに見るようにGDPの9%を超えていました。
ハンガリー財政収支

公的部門の支出が増えているのに経済が余り成長しなかったのは労働生産性の伸び率が鈍化するなどの構造的な問題があったのだと思います。

このときハンガリーの対外純債務はGDPの7%に迫っており、外国の投資家がハンガリーに不安を抱き始めたことが原因で外貨による債務の借り換えが難しくなりました。
ハンガリー対外純債務