ハンガリーの景気が悪化するにしたがって失業率もじり高をたどります。
ハンガリー失業率

さらに賃金の成長率も下がります。
ハンガリー賃金成長率

消費者物価指数は賃金の成長率よりも早いペースで上昇しているので庶民の暮らしは厳しくなっています。
ハンガリー消費者物価指数



自国通貨安は一般に貿易収支の改善要因です。これを反映しハンガリーの貿易収支(青)はだんだん持ち直してきていることがわかります。また貿易収支より経常収支の方が遥かに悪いのはキャピタルフライト(資本逃避)などの不健全な兆候があることを示唆していると思います。
ハンガリー貿易収支

まとめるとハンガリーは債務圧縮のにがい薬を呑み、ようやく経済は改善の方向に向かい始めています。それは貿易統計にも表れているし、GDP成長率も改善しつつあります。したがって方向性としては既に良い方向に向かっているし、やることはやっているという風にも評価できます。

ただ欧州委員会は定例の報告書の中で様々な問題をしてきしています。

たとえば財政の改善に際しては付加価値税の増税や年金制度を「賦課方式」にすることによる、一回きりの見かけ上の収支改善を演出するなど、小手先の策を弄している面もあります。
また政府系企業からの配当収入はそれらの事業の収益成長率を上回っており、配当性向が上がり過ぎています。これは政府が政府系企業から資本を絞り取っているという風にも評価できます。

つまりハンガリーはIMFなどからの融資を受けた関係で現在、「更生中」の身であり、その厳格なプログラムに従ってかなり努力してきたけど、緊縮政策に国民は結構、くたびれている様子もうかがわれるわけです。

新政権は国民の顔色をうかがいながら、「悲劇のヒロイン(drama queen)」を演ずることで批判を国際機関に向けようとしている面があるのです。