ニューヨーク・タイムズにテスラ・モータースのCEO、イーロン・マスクのプライベートな生活に関する大きな記事が出ていました。

イーロン・マスクはペイパルの創業者のひとりでシリコンバレーではちょっとした有名人です。

しかしペイパルをイーベイに売却した後で一時は181億円もあった私財のほとんどは無くなってしまい、今はお金持ちの友人たちからお金を借りて生活しているそうです。

もちろん彼が散財したひとつの理由は電気自動車ベンチャー、テスラ・モータースを立ち上げたからであって、これは素晴らしいことです。(イーロン・マスクのテスラへの累積投資額は31.7億円)

しかし4月に離婚の届けを出し、その裁判の公判記録からイーロン・マスクの度を越したライフスタイルというのが話題になっています。

まず一年の「生活費」として2.17億円が必要であり、自家用ジェットも未だ手放さずにいるそうです。


離婚の原因となったのはイーロン・マスクが映画「プライドと偏見」でメアリー・ベネット役を演じた女優、タルラ・ライリーと一緒になったからです。
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(出典:ウィキペディア)

もちろん、ベンチャー経営者がどんな私生活を送っていようが、そんなことはプライベートな問題であって世間が面白がる筋合いはありません。

ただイーロン・マスクには2つの責務(obligations)があります。ひとつはIPOし、公開会社になったあかつきには少数株主に対する責任が発生します。

もうひとつはテスラの運転資金(working capital)の大部分は米国政府からの補助金(421億円)だという点です。

シティコープなどの銀行の経営者が金融危機の際、政府からの緊急融資を受けたことでギュウギュウ絞られ、「お給料ゼロ」で頑張っているのに、イーロン・マスクはベンチャーだからという理由で大目に見られるというのはおかしいと思います。

自分の家計も満足にやりくりできない人間が株式を一般投資家に売って「他人のお金(other people's money)」を注意深く守り、はぐくむことが出来るでしょうか?

ジェネンテックのロバート・スワンソンやインテルのロバート・ノイスとゴードン・モーア、アップルのスティーブ・ジョブスなどを真のアントレプレナーと呼ぶのであって、イーロン・マスクはシリコンバレーの野心的な若者がロールモデルにすべき経営者ではありません。

日本にはシリコンバレーでおきていることなら何でも有り難がる風潮がありますが、僕の地元では大部分の人がイーロン・マスクのような存在をにがにがしく思っている事を付記しておきます。