「ポリティコ」はアメリカの政治、というよりワシントンDCの政治家やロビイスト達のゴシップやニュースを細大漏らさず瞬時にスクープするネット新聞です。

その取材力は凄く、オバマ大統領のメディア担当ディレクター、ダン・ファイファーが毎晩11頃、メールで最後にコンタクトするのも「ポリティコ」の記者、マイク・アレンですし、朝一番、つまり4時頃にチェックするのも「ポリティコ」の早朝メルマガ(=「プレイブック」という名称)です。

ワシントンDCの政治家やロビイストは皆、「ポリティコ」にくぎ付けです。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの記者ですら、「ポリティコ」から片時も目を離しません。


「ポリティコ」はあまねくワシントンのインサイダーに読まれているため、メルマガの読者コミュニティーからタレコミが随時入ってきます。「誰ソレが何処のレストランで今、誰と食事している、、、」というようなリアルタイムの情報がどんどんもたらされ、それが絶え間なく報道されるわけです。

つまり「ポリティコ」はワシントンのネタの巨大なクリアリングハウス(交換所)になっているのです。

「ポリティコ」はいまや政治ニュースのペースセッターであり、高いアジェンダ設定能力を持つに至っています。

ニューヨーク・タイムズによると、ことしの4月1日、つまりエイプリル・フールの日に「ポリティコ」の編集長がジョークで「早朝は政府高官に取材を申し込むのに最も適した時間なので、今後出社定時は朝5時とする」というメールを全社に送りました。

普通の新聞社ならこれが冗談であることは明白ですが、「ポリティコ」では多くの記者がこれを真に受け、泣き出してしまう女性社員すら出たそうです。

ネット時代ではウェブに掲載されたニュース記事がグーグルのアルゴリズムでピックアップされ、どの記事がいちばん読まれたかたちどころにわかってしまいます。また一日のうち何時ニュースが出てもすぐに報道できるので、これまでのように新聞を印刷に回す前の真夜中の〆切りという発想は通用しなくなりました。

ある意味、この「MarketHack」のロールモデルも「ポリティコ」です。記事がいつ、どれだけ、誰に読まれているかという事を把握できるのは恐ろしいことであると同時に励みにもなります。

例えば「MarketHack」の場合だと朝7時くらいからゴールドマン・サックスやドイツ銀行など投資銀行のドメインからのアクセスが増え始めます。日系証券やバイサイドからのアクセスはそれより遅いです。

いずれにせよ従来の報道機関の編集サイクルではネットのスピードに追い付けないことだけは確かですね。