月末にIPOしたテスラ・モータース(ティッカー:TSLA)がIPO後初の決算を発表しました。

以下はカンファレンス・コールのまとめです。

EPS: -$5.04、去年は-$1.56、 アナリスト予想はありません
売上高: 2840万ドル (前年同期比+5.4%)
純利益: -3850万ドル (前年同期は-1090万ドル)

なおEPSがいきなり-$5.04と巨額の赤字が出ているように見えますが、これは正式なIPOのクロージングが7月2日だったため、今期(6月末〆)の発行済み株式数の計算には入っていないからです。

若しこのIPOが6月末に完了したと仮定すればEPSは-28¢になります。


第2四半期中、141台のロードスターを販売しました。これは四半期売上台数では過去最高です。また、日本、香港、カナダでもロードスターの発売を開始しました。これらの国では現地陸運局の承認を得るのに時間がかかります。それがいままでこれらの国で売上が無かった理由です。

なお今年東京の店舗がオープンします。

トヨタから買収したNUMMI工場は正式には10月1日が引き渡しになります。

でも実際にはすでにテスラが所有することになっているので、生産ラインの計画策定は既に始めています。

この工場はカローラやタコマを作っていたため、機械の一部も買い取りました。

現在、ミシガン州でプレス機械を製造中で、来年にも搬入される予定です。

次世代主力車種、「モデルS」の発売日は2012年を予定しています。モデルSの設計は3DのCADパッケージを仕上げるところまで済んでいます。

スタンピングのためのパネル・サイズの決定や部品のソーシングはほぼ固まっています。
部品価格についても80%のコストが固定されています。

ダイムラーとの関係は上手く行っており、現在、バッテリー・パックを出荷中です。

トヨタは今回のIPOで5000万ドル相当の株式を公募価格で購入し、3%株主となりました。

トヨタとは「RAV4」の電気自動車版を共同開発中で、今年中にプロとタイムを納品、2012年頃の製品化を目指しています。

トヨタとの今後の関係については今は「RAV4」の電気自動車版を共同開発中ですが、将来に関しては何も予測出来ません。テスラ側としては「用心深く楽観的(cautiously optimistic)な関係」だと思っています。

現在は余り詳しい財務ガイダンスを出していませんが、ロードスターの年間売上台数で500から600台程度、当面の四半期毎の支出は4000~5000万ドルを見込んでいます。

2011年の売上高は1.1~1.15億ドルあたりを見込んでいます。ロードスターの販売は今後も成長しますが冬は季節要因で売上にばらつきが出ます。

また積み上がった予約注文があった関係で去年の第3四半期がロードスターの出荷のピークでした。その関係で来期の前年同期比比較は見かけ上、悪いです。

「モデルS」のアルファ・バージョンは今年後半までに完成させる見込みです。
このアルファ・バージョンは量産モデルに80%~90%近いカタチになると思われます。

現在、「モデルS」は未だアルファ・バージョンも完成していないので、予約注文の営業は積極的に行っていません。現在の予約台数は2800台です。本格的に営業を強化するのはデモ・ユニットがショールームに入る来年後半以降になります。

なお「モデルS」の開発費用は全てDOE(米国エネルギー省)からリインバース(払い戻し)される予定です。DOEのファシリティーは4億ドルを10四半期かけて費消する計算になり、四半期毎に大体、4000万ドルという勘定です。

最近、日産が競争力のあるバッテリー・パックを開発したというニュースがありましたが、これに対するテスラの考え方はどういう動作環境を想定してパフォーマンス数値を出しているのかが問題だとしています。日産のバッテリー・セルの洗練度は「原始的」であり、アクティブ・リキッド・サーモ・コントロールがついていません。

これだとバッテリー・パックの温度がムチャクチャになり、寒冷地ではパフォーマンスが落ちるし、暑い環境ではバッテリー・パックがシャットダウンすることもあるとしています。

「日産がわれわれに勝つことは無い」というのが経営陣のコメントでした。


PS:テスラの株価はアフター・マーケットで-5.41%と急落しています。