ヒューレット・パッカードのマーク・ハードCEO(最高経営責任者)が金曜日の引け後、突然、辞任しました。(それにしてもわざと目立たないように金曜日の引け後の時間を選んでこの発表をするHPという会社もせこい)

辞任の理由は旅費交際費の清算を巡って取締役会が「CEOを信頼できなくなった」というものです。


この事件のきっかけになったのはヒューレット・パッカードのマーケティング関係のイベントを企画運営する外部の業者の女性がセクハラを訴えるレターを2週間前にマーク・ハードに送り付けたことです。

マーク・ハードはこのレターを受け取ると、直ちにそれを取締役会に報告しました。

HPの取締役会は独自の調査チームを組成し、調査を行った結果、女性が主張するようなセクハラの事実は無かったと判断しました。

なおこのセクハラを訴えた女性を代表する弁護士事務所も「別に不倫とかがあったわけではない」と明言しています。

ところがです。

HPの取締役会は「この調査をしている過程で、マーク・ハードの出張などに絡む旅費交際費精算に不正確な申請があった」ことを突きとめました。

この女性のイベント運営会社は2007年秋から2009年秋にかけて「ヒューレット・パッカードCEOフォーラム」というイベントを請け負っていたのですが、そのイベントにマーク・ハードが出席した際、CEO個人の経費として1回千ドルから2万ドル程度の経費を精算しており、その一部が直接会社の業務に関連しておらず、従って適切でなかったということです。

またこの女性はマーク・ハードと親しい個人的な関係にあったので、そのイベント運営会社を起用したのはCEOとして判断ミスだったという事だそうです。なお、このイベント運営会社がHPに請求した運営経費は1回千ドルから5千ドル程度と言いますから、そんなにムチャクチャな金額ではありません。

もちろん旅費交通費の精算は正直かつ正確に申告されるべきことは言うまでもありませんが、ビジネスの現場ではどこまでが会社の業務に直接関係していて、どこからが好ましくない経費であるかの境界線はかなり曖昧です。

この程度の旅費交際費精算でCEOのクビが飛ぶさまを見せられたら、たとえば日本の金融機関とかに勤めていて海外出張している社員の殆どは居心地の悪い思いをするでしょうね。

PS:その後の驚くべき展開