今年の米国議会は大忙しでした。医療保険制度改革法や金融規制改革法案など、当初は「できない」と思われていた立法が相次いで成立し、1930年代のフランクリン・ルーズベルト大統領時代以来の「生産性の高い」議会となったわけです。

議員さん達は今ごろマーサズ・ヴィンヤードあたりで夏休み休暇を楽しんでいることと思いますが、9月にバケーションから帰ってきたら、またバトルに明け暮れる日々が待っています。

その最大の理由は11月の中間選挙であることは言うまでもありません。


「おれは有権者のためにこれもやったし、あれもやった」

いろいろな実績に胸を張る材料には事欠きませんが、有権者が納得するかどうかは結局、「不景気をなんとかしろよ」という部分にかかって来るのは間違いありません。

そこで踏み絵として使われるのがちょうど今年、期限満了になるブッシュ減税です。ブッシュ減税は2001年に導入された臨時の減税措置ですが、その延長に関する議論こそ、これから世界の市場関係者が最も注目する材料になるのです。

先週金曜日の雇用統計はひどい数字でしたが、マーケットは意外に打たれ強かったです。その理由は既に市場参加者が今週火曜日のFOMCに希望をつないでおり、FRBが在庫にしている大量の住宅ローン証券の償還から得られるキャッシュで財務省証券を買う、所謂、「量的緩和1.5」の発表に期待をつないでいるからに他なりません。

しかし今日の「ダイヤモンドZAi」に書いたようにFRBはわざと「落球」してみせる可能性もあると僕は思っています。

キャピトルヒルでブッシュ減税の是非を審議するにあたっても、マーケットが一回、怖いところを見せられていた方が何かと仕事が進めやすい、、、これはFRBにも議会にもあてはまることなのです。

既に大気圏脱出速度(Exit Velocity)という議論を持ち出してFRBは「下ごしらえ」をはじめています。この点に気をつけながら火曜日のFOMCに臨みたいと思います。