要約
GMは既に米国より中国でより多くの自動車を販売している
GMは中国で13.2%の市場占有率を誇り、首位である
インドを除けばその他の新興国でも高いシェアを誇っている



ゼネラル・モータースが今日午後IPO申請書類(S-1)を米国証券取引委員会に提出しました。

これによりIPOに向けた準備が正式にキックオフされたことになります。

現在のゼネラル・モータースは2009年7月10日に発足した新しい組織です。その特徴は:

1. 旧GMの最も健全な部門を引き継いでいる
2. 年金・医療保険などのレガシー・コストを大幅に削減した
3. バランスシートを補強した
4. UAWなどの労組と労働契約を締結し直した
5. 取締役会は一新された

という点にあります。S-1では2009年7月9日までの組織を「旧GM」、それ以降の新組織を「新GM」と呼んでいます。

新GMは3つの事業部を展開しています:

1. 北米ゼネラル・モータース(GMNA)
2. 欧州ゼネラル・モータース(GME)
3. 国際ゼネラル・モータース(GMIO)

新GMのコア・ブランドは:

北米:ビュイック、キャデラック、シボレー、GMC
海外:ビュイック、大宇、ホールデン、オペル、キャデラック、GMC、いすず、ヴォークスホール、シボレー

となります。また旧GMに存在し、リストラクチャリングの過程で整理・処分されたブランドは:

サーブ → 売却
ポンティアック、サターン、ハマー → フェイズアウト

となっています。

GMの海外の営業は関連会社により展開されており、代表的なものとしては:

GM大宇
上海GM (49%株主)
SAIC-GM-ウーリン自動車 (51%株主)
FAW-GM軽商用車 (50%株主)

があります。

さて、GMの営業実績の話に入りますが、その前に断っておくと2009年のGMの自動車販売台数、市場占有率などのデータは7月9日までの旧GMと7月10日以降の新GMの数字を統合したものとなっています。

先ず世界の自動車市場全体を概観します。下は2009年の世界を北米、欧州、その他という3つの大きな地域に分けてそれぞれの地域での自動車販売台数を示したものです。青がGMで赤がGM以外の全てのメーカーです。

世界の自動車販売台数09年

(出典:ゼネラル・モータースのS-1)


世界全体では6445万台のクルマが売られました。GMの総販売台数は747.9万台で市場占有率は11.6%です。

なお調査会社IHSグローバル・インサイトによるとそれぞれの地域の2009年から2015年(予想)にかけての成長率(年率)は:

北米 8.1%
欧州 1.3%
その他 6.9%

と予想されています。

2009年の時点でのそれぞれの地域におけるGMの順位は:

北米 1位
欧州 5位
その他 2位

となっています。

とりわけGMは中国とブラジルで市場占有率首位の座に位置しており、市場占有率はそれぞれ13.3%と19.0%(いずれも2009年)となっています。

世界の自動車市場を見ると中国市場の重要性がどんどん高まっています。下のグラフは今年上半期の国別自動車販売台数の実績です。
上半期販売台数

(出典:S-1)
中国の2010年上半期の業界全体の自動車販売台数は914万台です。
同じ時期、米国の自動車販売台数は507.8万台でした。
なおGMの同時期の販売実績は中国が120.9万台(シェア13.2%)、米国が108.1万台(シェア18.9%)でした。

つまり台数ベースで見た場合、GMは既に米国より中国で沢山クルマを売っているわけです。
なお中国の消費者は値引きを嫌う傾向があり、定価で新車を購入します。このため北米市場につきもののインセンティブ(=値引き)などが少ないです。

世界の自動車販売の国別マーケット・シェアを示すと次のようになります。
国別販売シェア

(出典:S-1)
さて、米国市場に目を転ずるとGMは上に書いたように車種を大幅に整理したこともあり、マーケット・シェアを落としています。
米国会社別シェア

(出典:S-1)

北米市場での車種別シェアは次のグラフのようになっています。
車種別

(出典:S-1)

財務面に移ると今年上半期のGMの売上高は646.5億ドルで、グロスマージンは12.8%、純利益は28億ドルでした。バランスシートは総資産が1319億ドル、株主資本が239億ドルとなっています。