要約
先の大渋滞でモンゴルの重要性が認識された
モンゴルの石炭会社が相次いで香港で資金調達
モンゴルのインフラ整備が加速される


ちょっとしたモンゴル・ブームが起きています。

まずモンゴルの株式市場ですが最近、ほぼ垂直的な上昇を見ています。
モンゴル

(出典:ブルームバーグ)
7月はじめの9232.82から現在は14410.7まで騰がっています。
なおこの水準は2007年の高値、13276を超えているので、「新波動に入った」と解釈しても良いかも知れません。


なぜモンゴルが俄かに注目を集めているかですが、2つ理由があると思います。
先ず最近、内蒙古から北京にかけての道路が石炭を積んだトラックが増えたことで大渋滞している点が指摘できます。連日の報道でいまやモンゴルの石炭の重要性を知らない人は居ません。

第2の理由として伊泰コール(インナー・モンゴリア・イータイ・コール)、蒙古焦煤(モンゴリアン・マイニング)の2社が相次いで香港で株式上場するためです。

伊泰コールは10億~20億ドルを第4四半期のうちに、一方の蒙古焦煤は7億ドルを10月5日頃をメドに調達する予定です。

実はモンゴルの資源会社が香港でIPOするのは今回が最初ではありません。既にカナダのサウスゴビ・エナジー(現在、モンゴルで操業しているオペレーターとしては売上ベースで最大です)が4.4億ドルのIPOを済ませています。

今回調達される資金の一部はモンゴルに還流し、石炭の増産やインフラの拡充のために使われると思われます。それはもともと受け皿の小さいモンゴル経済に巨大なキャッシュの注入が行われることを意味するのです

モンゴル開発がここへきて本格化している理由は去年、ようやくモンゴルの鉱山法が成立し、最初の巨大国際プロジェクト(総額40億ドル)であるアイバンホー・マインズ(ティッカー:IVN)とリオチント(ティッカー:RIO)のJVの活動開始が承認されたことによります。

なぜ大渋滞などの不利な条件にもかかわらずモンゴルの石炭は注目されているのでしょうか?

そのひとつの理由は中国国内の石炭、とりわけコーキング・コールと呼ばれる、製鉄向けの石炭は良質のものが減ってきており、採集のためにはどんどん地下深く掘らなければいけなくなってきています。それが採掘コストをどんどん押し上げているのです。
コストカーブ

(出典:サウスゴビ)
このためコーキング・コールの輸入先シェアとしてモンゴルの比率が飛躍的に伸びています。
コーキング

(出典:サウスゴビ)

なおサウスゴビの大株主はアイバンホー・マインズです。それから最近、アイバンホーとリオチントの間ではオユ・トルゴイ鉱山の運営を巡って不協和音も聞こえてきていることを付記しておきます。