要約
キプロスは複雑な歴史のある国
意外に教育水準は高くしかも国際的
EUの法律の関係でオフショア金融センターが出来ている


キプロスはトルコの真南の地中海に位置する島国です。
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(出典:ウィキペディア)

キプロスは海の泡から生まれた愛と美の女神、アプロディテの出身地としても知られています。

もうかれこれ30年近くも昔の話になりますが、僕が中東に住んでいた頃はキプロスと聞くとすぐにヘドニスト(快楽主義者)的なコトを連想してしまいました。


それというのも中東は「酒と女がご法度」ですから中東の建設プロジェクトで働く派遣社員達にとってフラストレーションがたまるわけです。

そんなときに「俺はバケーションにキプロスに行って、うんと楽しんだぜ」という奴が出てきて、とたんにキプロス・ブームになったのです。

そのキプロスは複雑な歴史的背景を持っています。

人種的にはギリシャ人が77%、トルコ人が18%、その他が5%となっています。

むかしはオスマン帝国の支配下にあったのですが、ロシアからの脅威をかわすため英国の庇護の下に入ります。英国はスエズ運河に睨みを利かせることのできるキプロスの戦略的な利用価値に注目したわけです。

1960年にキプロスは独立を果たすのですが、ギリシャ系の住民とトルコ系の住民の間で民族対立が起こり、1974年には国連の仲裁を仰ぎます。

結局、キプロスの北側の一部はトルコ系の共和国として独立を宣言しますが、これは国際社会ではトルコからのみ認知されています。

最近のキプロスは政情不安のレバノンからマロン派が移り住んできたり、アルメニア人やセルビア人も居ます。

キプロスは就業人口の30%が大学などの高等教育を受けた教育水準の高い国であり、これはフィンランドを抜いてEU諸国で最も高い比率です。またキプロスの若者の79%は海外の大学に進学するということで帰国した彼らが国際的な社会を築いているわけです。

さて、そのような事情からキプロスは近年、ちょっとしたオフショア金融センターのような様相を呈してきています。

とりわけ重要なのはMiFID(Markets in Financial Instruments Directive)と呼ばれるEUの法律が2007年に成立したことです。

MiFIDで認定された企業はその企業の本社の所在する国の金融監督当局のルールによって監督されている限り、EU全域で営業して良いというきまりになっています。

つまりキプロス籍の企業の場合、キプロス証券取引委員会のルールを順守していれば欧州全域で営業できるのです。

この規定が或る種のループホールを生じ、キプロスのゆるさに目をつけたアントレプレナーが沢山FXの会社などをリゾートのあるリマソールなどに設立しています。とりわけロシア系資本の企業が多いように思います。
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それらのFX会社のうちのひとつ、FXProが今日ロンドン取引所のAIMに上場申請の告知をしました。

なおFTアルファヴィルはこのような規制面での落差を利用したキプロスの金融サービス業に対してかなり批判的な立場を取っています。