シエラ・サイエンセズ社がTAサイエンセズ、ジェロン(ティッカー:GERN)、フィジオエイジ、スペイン国立癌研究所(CNIO)などとの共同研究でテロメラーゼを活性化する物質を発見したと発表しました。

これは敢えて誤解を招きかねないセンセーショナルな言い方をすれば不老不死薬の創薬が可能になる第一歩が踏み出されたわけです。

このニュースを受けて共同研究のパートナーの1社であるジェロンの株は急伸しています。

細胞分裂の際、染色体を保護するコーティング(保護膜)のような働きをするのがテロメア(Telomere)構造です。(下の染色体の図の端っこにある、クリップのようなカタチをした部分です。)
Telomere

(出典:ウィキペディア)
このテロメア構造をちゃんと作るために必要な酵素をテロメラーゼ(Telomerase)といいます。テロメラーゼ活性が低い細胞は細胞分裂を繰り返すたびにテロメアの短縮が進み細胞分裂の停止がおきます。



普通、体細胞はテロメラーゼ活性が低いです。だから細胞分裂のたびに「保護膜」が短くなり、最後には分裂停止のシグナルが出てしまう(老化)わけです。

癌細胞は無限に増殖できるので、このテロメラーゼ活性が強いのではないか?と考えられています。つまり癌研究と老化の研究はつながっている部分があるのです。

シエラ・サイエンセズ社は元ジェロンのウイリアム・アンドリュースという研究者が創った会社です。現時点ではまだまだ「夢を買う」ような段階だと思います。

ただ景気が悪い時というのはこういうチャラチャラしたコンセプト・ストックがもて囃されやすいときでもあります。