今回の政府・日銀の為替介入が各国による協調介入では無かったという点を問題視する報道が見られますが、そういう「古き良き時代」のやり方に照らしてしか今回の試みを評価できないのは発想がアナクロ的です。

そういう事を真顔で議論する人はこんにちの国際金融の文脈を全く理解していないと思います。

リーマン・ショック以降、アメリカやEUは自国の通貨を割安に誘導する、所謂、コンペティティブ・デバリュエーション(=競ってわざと自国通貨安へ導く行為のこと)を標榜しています。

コンペティティブ・デバリュエーションは1930年代の世界恐慌の際にも世界各国が使った、不況脱出の常套手段です。


だから円高で日本が苦しんでいても欧米は「しめしめ」とほくそ笑みながら傍観しこそすれ、(日本が気の毒だから、チョッと手を貸してやるか)とは間違っても考えないのです。みんなそんな余裕は無いし、むしろ円高になるのを座視してきた政府・日銀の腰の重さにつけ込んできたともいえます。

だから今回の日本単独介入にアメリカの議員さんがすぐ不快感を表明したのは別に驚くに値しません。

もとよりアメリカの議員サンの顔色など窺いながら金融政策を決めている「お人よし」は日本だけです。EUだってなりふり構わずユーロ安政策を取っているし、中国だって人為的な為替操作をずっと続けています。

今後、G7(先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議)で日本の為替介入が問題として取り上げられる可能性もあるでしょうが、日本が孤立無援になることは覚悟すべきだし、勇気を持って自分の信ずるところを貫くしか無いと思います。

マーケットはそのへんの政府・日銀の決意の固さを見極めようとすると思います。